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『グランドグラットン』討伐、全容
漁獲船が発艦するには波が高過ぎると言うことで冒険者を乗せた人材輸送船20隻からなる艦隊を編成、海上にて対象の捕獲もしくは討伐をする
60出現から続く伝統的な漁獲方法。初の漁獲船(正式には鹵獲船)『月鼠』が登場するまで続けられていた
現在『月鼠』は退役済み───退役理由、次世代の捕獲船『牛歩』の登場と超凪などの捕獲手順の確立が進んだため、大量の魔力を使用する鹵獲船では非常に高いコストが掛かるため
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「にしても獲物を弱らせるなんてな」
「捕獲船が出せないとのことですぜ」
「たく、足場が緩いったらねぇ」
海上を揺れる船の上ゴウマンは不満を吐露する
「他の船もそんなもんですぜ」
「し、沈まないか、心配だぜ…」
ゴウマン達を乗せた輸送船が航行を開始した
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雑に列を作り、乗り込んでいく人波に身を任せるアノスに近づく人影があった
「さてと」
「アノス・アーロン」
「…」
乗り込もうとしたアノスの背中に人影が声を掛けた。輸送船に乗り込もうとしたアノスを呼び止めたのはフラワーライトだった
アノスはそれに片膝をつき頭頂部を差し出す形で返事を示した
「無礼は不問としますので忌憚なき意見を
此度の捕獲作戦をどのように見ますか」
「問題ないように見えますが」
「そちらではなく」
「…」
フラワーライトの普段の王族でありながらどこか砕けた印象とは違う雰囲気にアノスは視線を上げた。表情と仕草、目線の動きからしてアノスは漁獲祭の陰を気にしている様子を見た
「ハーサバルの領域近くで発生した
冒険者の襲撃ですか」
「話が早くて助かります
私はグレイが黒で間違いないと見ています」
「…根拠は」
「勘です」
「(そこはせめて天啓といって欲しいな)
では、フラワーライト皇女殿下
頼みたいことがございます」
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作戦変更
船団の内、1・2隻を後方待機へと再編成。主力部隊の有事の際に船、魔法、人材を用いてこれを解決する『支援部隊』を展開することになった
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「「さて」」
───「これが吉と出るか凶と出るか」
───「事態が好転すればいいのですが」
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「時になんですがフラワーライト皇女殿下」
「なんでしょうか」
他と比べ大きい船舶───領域内輸送兼防衛船『卯槌』の指揮室でグレイとフラワーライトが口を開いた
「どうしてハーサバルへ
視察にこられたのですか?」
「何か不都合がございましたか?」
「滅相もございません、ただ」
「ただ?」
「あまりに動きが速いなと思いまして」
瞬間、指揮室内に緊張が走る
「俺はですね、こう考えたんですよ」
「…」
「殿下、貴方は」




