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◆◇◆◇◆


「【デバッグ】」


 援軍の到着により隙が生まれた戦況

 より多くの情報を得るべく【デバッグ】を使った


◇◆◇◆◇


『黒龍アー◾️るRe◾️◾️』


『辻褄合わせ』の痕跡を確認

 これにより『ロールバック』が『発生』

【重複】【不完全】を『確認』


【Optimize】による『解決』は

『新たなバグ』の発生を『招く』ため

『不可能』です


『推奨』

『黒龍』の『討伐』


◆◇◆◇◆


「…ロールバック?」


『ロールバック』───星の夢と『定命の世界』において発生した『不具合』『情報の欠落』を『修正』するために発生する【◾️◾️◾️】。物理現象


【辻褄合わせ】───前後の時間軸に差が生じた際、『自然の摂理』・【理】での解決が不可能となった際に生じる『神祇領域』の介入


「…」


 なんだか踏み入れたらいけない領域の話を聞いている気がしてならない。ともかく【Optimize】での解決はできないということが分かった


 楽はできなかった


 首を締め上げた時に見えた『蜘蛛の糸』とは違う消え方をした『白い糸』が脳裏をよぎる。物理的な切断、それが黒龍を倒す唯一の方法だった

 

「…」


 しかし、現状維持に努めるのがやっとな状況で断首を実行するのは現実的ではなかった。接近すれば間違いなく『息吹』の餌食になる。そうでなくても逸らすのにも『代償』を払うせいで攻めきれない


「後一手」


 欲しいのは圧倒的な『力』。僕が生み出せるだけの隙にありったけを注ぎ込める純粋な『突破力』だ


「…」


『アレ』を使えば或いは…でもかろうじて拮抗している戦況は崩れてしまう。確実に倒せる確証が欲しい


◆◇◆◇◆


 過ぎていく時間と体感する時間の齟齬が何十時間にも引き延ばされる濃密な攻防戦、黒龍の息吹、巨体から繰り出される雑な身じろぎ


 そんな身じろぎひとつで『不死者の軍勢』はいとも容易く壊滅する。木っ端の集まりではやはり黒龍に響く一撃を喰らわせることはできなかった


 気がつけば『エレメンタル鉱石』の残量も心許なくなり始めると再び窮地に追い込まれた


◆◇◆◇◆


「…」


『息吹』の弱点が分かったけど、肝心な『攻め手』が確保できてない。一か八か…


「『クラウンスパイダー』!」


 黒龍が息吹を放つ瞬間、空に向け放たせる。首を締め上げた糸を伝い、腕に食い込む糸が圧迫感から鋭い痛みに変化する


「…ック」


 とてつもない痛みと痺れる腕、そんなことお構いなしに首を下げ様『息吹』の準備を始める黒龍、どう繕っても黒龍の圧倒的有利に変わりはなかった


 防げて後一回…


◆◇◆◇◆


 アノスは首を抑え深呼吸をすると走り出した


 衰えていく魔力、バタバタと倒れていく『不死の軍勢』を前にアノスは『蜘蛛の糸』だけを共に黒龍へと走り出していた。空の魔法陣が消えて行き、凪いで静まり返る


「『クラウンスパイダー』!!」


 夜が放たれるまさにその時───『黒龍の息吹』諸共地面に叩きつけられた黒龍の喉深くに入り込んだ。吐血する黒龍はそれでも止まらず首を持ち上げ『黒龍の息吹』を放とうとする


『息吹』───龍の有する『固有魔力』を『凝縮』し『指向性』を持たせることで攻撃と成す技。それ即ち


 防御と攻撃、異なる用途への同時使用はできない


 放つ時、放っている最中、放った後の僅かな隙が攻撃のチャンスとなる。無防備となった黒龍。しかし、アノスはこの隙を作る代償に片腕を失った


「【エレメント】『ボーパルスライム』」


 糸により引き絞られていたスライムの皮膜が『何か』を打ち出す。アノスが止血の間も惜しみ、放った最後の一手『それは』


「『解除』」


『エレメンタル鉱石』の暴走だった


 首元から引きちぎっておいた『装飾品』には使うに使った残存魔力しかなく極小規模での爆発を生み出すことしかできないがアノスの狙いはそこだった


 暴走する魔力が周囲に広がると黒龍を含めた地面を『光の粒子』へと還っていく、黒龍は崩れていく身体を前に尚も『息吹』を放たんと『凝縮』を行うとアノス目掛けて『黒龍の息吹(最後っ屁)』を放った


「…」


 しかし、最早『還元されていく身体』ではまともに放つことはできず、『アーテルレスト』が抑え込んでいた『迷宮』諸共天へと昇っていく光の粒子に還っていった


「…ッ」


 スライムの皮膜が千切れ、壊れるとアノスは放り出された。転がる身体はボロボロで満身創痍と言った様子


 使い込み壊れかけていた武具は全て不死の軍勢が使い倒しその天命を全うした姿でアノスを囲んでいた


 アノスの片手に残ったのは目を凝らさねば見えないたった一本の蜘蛛の糸だけだった。アノスはそれで簡単に止血をすると『息吹』により雲をどかされ『夜』になっていた空から注ぐ昼の照りつける太陽のもとで力なく眠りについた

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