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◆◇◆◇◆


 アーバレスト領内では混乱が生まれていた度重なる問題───ティナ・アーバレストの失踪、婚約解消、モンスターの凶暴化と立て続けに問題が起こったことで民衆の不信感は高まりに高まっていた


 そして今回の侵攻戦争とあって領主の仕事をサボって至福を肥やしているのではないかと、避難しなければならない状況にあっても統率が全く取れていない状況に避難は滞りを見せていた


◆◇◆◇◆


 アーバレスト領で避難活動が滞りを見せている時、リバレー領ではまた別の問題が発生していた


 大罪人イバシルの脱走が確認されたのだ


 檻や壁、格子に傷はなく、鍵が掛かっていることからその手口が一切不明とのことだった。手枷にも同様、破壊された形跡は確認されておらず捜索が開始された


 領内では兵士達への不信感はなく、それ以上に問題となったのは『どの様にして』5百人の警備を突破したのかに注目が集まった


◆◇◆◇◆


「…」


 アーバレスト領が目視で確認できる距離に来ても未だ確認できない『とある存在の不在』に僕は顔を顰める


『黒龍アーテルレスト』───F級、万年前から近年まで活動が確認されていた災害級の危険度を持つ所謂『古龍』


 夜そのものが龍になった逸話を持つ───それは突如として現れたことが由来となる。既存の龍種のどれとも特徴が一致しない『不明種』として分類されている


 最も新しい出現記録は鉱山労働者の襲撃であり、これにより一部領域での産業が低迷へと追い込まれ領域を放置を余儀なくされた


「…」


 僕はこの万年前という部分がどうしても気になっていた。それはアンブラ・ディアボリカの活動開始と重なる上に『不明種』と断定されるほどの突発的な出現はディアボリカとどことなく似ている


 この目で見たことがないために断定はできないことが懸念点ながら居ないものに神経を使うのは得策ではないとした


◆◇◆◇◆


 戦闘を続け一日が経過しようとしていた。化け物が使う武器を流用しての戦闘にも限界が出始めていた


 それというのも武器を持つ化け物が減り、人狼やトロールなどの身体能力の高いD級が出始めた。その為、消耗品の『壺』や『格闘』、『魔法』による戦闘に移行した


【エレメント】による魔力供給があればこその戦い方は魔力こそ潤沢にあるものの生傷が増え、精神的に疲弊が溜まっていった


 化け物の中に『モンスター』が混ざり始め汚れが目立つ様になってきたことで僕が流した血なのか、モンスターからの返り血なのか最早判別は不可能な状態で進み続けることになった


◆◇◆◇◆


「勢いは維持できてますが厳しいですね」


 受付嬢フランは悩んでいた───彼女率いるF迷宮対策本部は進行継続、戦略的撤退かよ選択を余儀なくされていた


 3日半から2日への見込みを見せていた進行。それは『薬草』や『増血剤』、『回復魔法』などの強引な回復による強行。いつかに述べた通り───それらは長い目で見た時、日常生活に多大な悪影響を齎すものであり、続ければ続ける程に問題は深刻化していくものである


 既に第一陣は全員と言っていいほどに『回復』を受けており、もしものことがあれば『死亡』のリスクを伴うことになる


 幾ら死を覚悟して志願した冒険者といえど避けられるリスクは避けるべきであるため、フランは再び強行か撤退かの2択を迫られることになった


「うぅ、やめたいこの仕事」


 一介の受付嬢に背負わせるべき重荷では決してないのは確かな状況だった

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