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「申し訳ありませんでした」

「pixivアカウントが停止されたわ」

「おめでとうございます。

 反社会的アーティストの仲間入りですね」

「まぁ逮捕は革命家の登竜門だし。

 網走に送られないだけマシよ」


「それで新しいアカウント作ってましたけど、

 ごめんなさいメールと停止解除申請はしなかったんですか?」

「改めて規約を熟読して該当項目の修正しリスト化して反省文書いてたところで、

 通知メッセージに停止の解除には応じかねるって書いてあったので諦めたわ。

 私が悪いからしょうがないの」

「そういうとこ素直なんですよね。

 心を入れ替えて規約守ってください」




「申し訳ありませんでした」

「申し訳ありませんでした」


「今後はご迷惑をおかけしないよう、

 レーティングと規約に準拠し投稿を行わせていただきます。

 また、この度はお叱りいただきありがとうございました。

 今後とも良質なクリエイター交流の場として末永く残られますよう

 応援させていただく所存です」

「よろしくお願い致します」 



「というか気付いたら前のアカウント、Hotmailで登録してたわ」

「何年前なんですか一体」

「ずっと見専で初投稿がこの小説とイラストだったから

 ブックマークのやり直し以外で被害はないわ」

「そりゃお姉様みたいな人がクリエイター交流してるわけないですね」

「Googleアカウントに統一できたから良い機会を与えてくださったことに感謝してるわ」


「それで、心当たりしかないんですけど、原因は?」

「この全年齢版だと思うわ」

「SMプレイのイラストでも私達のR-18版の方の小説でもなく

 全年齢版の小説でBANされるのがマジで本物なんですよ」


「でも合わせて規約を熟読して暗記して、

 少しでも該当しそうなものはだいぶ気合入れて公開しないよう注意しようと思ったわね」

「AI生成なんて特に煙たがられてますからね」

「そうね。病気を免罪符にはしないけど私、人の心わからないから。

 ふわっとした社会の空気とか不文律わからないの。

 だから厳密すぎるくらいで規約を守っていくわ」

「それでいいかと」


「科学者を目指してたのよ」

「理工学部でしたもんね、本郷の」

「ガリレオ・ガリレイに憧れてたの」

「真実でなく事実を貫くのが科学者ですからね」


「ガリレオの犠牲があって、ようやく世界が学んで、

 事実を嘘なく語れる世界に近付いたと思ってたのよ」

「でもそんなことなかったと」

「そうよ。でも科学界隈はまだマシ。

 一般社会はもっと酷い

 むしろガリレオの時代より悪い。

 だから引きこもってるの」

「そうなんですよねぇ」


「けど、それはもうそういうものと受け入れるしかない。

 相対性理論が邪魔だからと光速度不変の法則を書き換えることはできないし、

 光に文句は届かないのよ」

「あの人誰の話も物理的に聞こえてないので」

「それでも叫び続けるとアリストテレスになる」

「世界一のバカでドン・キホーテですね」


「そうね。ほんと、改めてそう思った。

 今も昔も、人より思考の早い人間は生きられない。

 私は事実しか語ってない。

 でも、事実は善であるとは限らず、

 むしろほとんどの事実は社会的な悪。

 それを実際に政治犯で逮捕される前に垢BANで教えてくれた

 pixiv運営様には感謝しかないの」

「ほんとはそういう社会に出て真っ先に気付くんですけどねぇ」


「あ、PREMIUM登録もし直すわ」

「前の半年分まとめて払ってませんでしたか?」

「半年分の課金はパーだけどこれは罰金刑だわ。

 もしこの再登録アカウントがBANされても

 あわせて1年分の罰金も正当な額だと思うの。

 こんな良いプラットフォームを運営してくれてるんだし」


「いや、待ってください。

 複垢は違法では?」

「『第11条 アカウントの保有

 1.原則として、ユーザーは1人につき、同種のアカウントを1つずつ保有するものとします』

 これに該当するから前の停止中のアカウントは削除したわ。

 一応ただ停止なだけでPremium状態の見る専では使えてたけど、

 ほんとにセルフ罰金だと思ってる」


「そもそも垢BANされたユーザーの再登録は認められてるんですか?」

「『第7条 アカウント作成

 6.5.申込者が第14条に定める禁止行為を過去に行い、

 または将来行うおそれがあると認められる場合』

 こう書いてあって、私は14条における禁止行為を行ってるわ。

 だから、将来行うおそれがあると認められないように心を入れ替えましたと宣言してるの」


「この条文だと『行い、または』の記述が曖昧ですね。

 『行った、または』だとアウトで

 『行い、また』だとセーフなんですが」

「ね。この条文は日本語がおかしいから修正した方がいいと思うの。

 まぁ、垢バンから再登録の絵師なんていくらでもいる。

 赤信号みんなで渡れば怖くないが通用するとは思わないけど、

 それを過去の判例と読むなら大丈夫かなと。

 心を入れ替えたと認められる限り」


「でも実際心を入れ替えてるんですか?」

「はい、入れ替えました、

 とは宣誓するけど、微妙よね。

 ガリレオもダーウィンも宣誓しておいてまるで反省できてない。

 そもそも記憶はアカウントと違って削除できないから、

 文字通り心を入れ替えるのは不可能よ」


「そういう意味じゃないんですよ」

「そうよね。そうなのよね。

 ようするに、もう迷惑かけるなよ、

 条文頭に叩き込めよって意味よね。

 それは出来てるし、多少厳し目にセルフレーティングかけてくつもり。

 特にAI生成で特定の絵柄のトレスとか、

 手書きなら許されててもAIならダメ。

 これは14条禁止行為の5番、

 『情報解析した結果を用いて、反復継続して特定の第三者の作品、

 肖像または音声等に類似した投稿情報を投稿等する行為、そ

 の投稿等を幇助または助長するモデルまたはツール等を配布または販売する行為、

 その他の第三者の利益を不当に害すると当社が判断する行為』

 に該当するから。

 まぁAIに関しては【非公開会話】」

「あっ、セルフレーティングが」

「【非公開会話】」

「まぁ、はい」

「【非公開会話】」

「すみません、それまだ続きます?」


「と、こんな感じで言動には気をつけるし、

 今後もう読み切り版はpixivに投稿しないわ。

 なろうもいろいろマイルドに修正するつもり。

 特に宗教と政治ネタはなろうでも公開停止ね」

「それでいいと思います」


「ちょっとここから恐る恐る語るけど、

 私、体罰教師は必ずしも悪だとは思わないの」

「すごいです、■■って言わなかった」

「実際に大きなやらかしをする前にガツンと衝撃を与えてくれるのは、

 まさに教師の仕事なのよ。それが理不尽だったり、

 教師のサディスト的思考からの行為なら許せないというだけ。

 殴られたという行為自体は、

 ものすごーーーーーく拡大すれば問題ないのよ」

「すごい、物凄く拡大してます」


「革命家のはじまりは逮捕から。

 でも、それで獄中で怒りを燃やすと本物の革命家になり、

 これはよくないなと気付けば優秀な公務員になる。

 マキャベリがどこかで言ってたわ」

「マキャベリさんなら言いそう」

「公務員ってのがポイントよね。

 公務員は信条を持たず、ただ法にのみ従う。

 そして結局、世界を上手に変えた革命家は一人もいないで

 上手に変えたのは常に公務員なの

 私はそれをpixiv運営に教えていただいた。

 だからほんとに感謝してるのよ。

 そういう意味では、心を入れ替えたと言えるかも」

「公務員は副業しちゃダメですからね」




「改めて、申し訳ありませんでした」

「申し訳ありませんでした」

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