「弘法は筆を選ばずって、嫌味よね」※絶対にpixiv小説に転載しないでください!
「弘法は筆を選ばずって、嫌味よね」
「故事成語苦手な人でしたか?」
「気付いたきっかけはまたもやpixivなんだけど」
「お姉様もうpixivに直接寄付とかした方がいいですよ」
「私この半年AIイラストの勉強してるのよね」
「最初の頃に比べるとすごい上手くなりましたよね。
是非勉強に使ったサイトとか教えて欲しいです」
「独学よ」
「あっ、はい」
「でも普段のお姉様なら絶対独学とかしませんよね。
効率悪いし車輪を再発明しまくるって」
「実際そうなのよ。
でも2025年このタイミングでのAIは独学しかないわ」
「そのこころは?」
「AIを使えないとこれからはもうダメ!
あなたもAI活用をはじめましょう!
って教材しかないのよ」
「あー……」
「詐欺師がバカを騙す教材だから中身も適当で、下手すると嘘が書いてあるの」
「買っちゃったんですね」
「えぇ、勉強させていただいたわ」
「お疲れ様です」
「たまーにnoteとかに良質な記事もあったんだけどね。
これが当然ながら石多めの玉石混交なの。
で、この人の記事はわかりやすいし参考になったな、
ってのをブックマークだけしておいて、
独学で試行錯誤しつつ学んでくじゃない。
そこでふと罪の意識のない罠に気付くの」
「罠とは?」
「私がすごく参考になったと思ってありがたがった情報、
わりとすぐに気付いてさらに上位スキルもある内容だったの。
私、ライディンもギガディンの存在を知らないままディンを教わって
すごい技術だと喜んで追加のありがとう課金するバカだった」
「ミナディンが罠であるという情報を発信してくれないとチャラにできないですね」
「それに一言でAI作成と言っても、
ソフトによって全然違うから専用の教材が必要になるの」
「まぁそこは規格の統一化ができてない問題ですね」
「このソフトが一番と思ったら、そこには別の問題があったりもする。
高いソフトが一番いいというわけでもない。
特に今はAIなんて格好の詐欺商材だし」
「いつの時代も詐欺師が技術の最先端なんですよねぇ」
「だから結局ひとつのツールをヤマカンで選んでフルベッドするのが一番学習効果が高い」
「お姉様はPixAIでしたね。
さて、馬券が当たるかの発表は何年後でしょうか」
「多分もう外れてる気がするのよねぇ。
ただ隣の芝生が青い現象かもしれないし」
「そこはもう運に賭けるしかないんですね」
「それに結局いつまで経っても絵ってマイスターの仕事なのよ。
見て盗む以外にないわ。
とはいえそこでプロンプトを公開してる人ってほとんどいないから、
一体どうやってこの絵を出力したんだと、
回答から途中式を考えることになるの」
「なるほど。それはお姉様得意そうです」
「そこで一度仮出力した絵をフォトショ系ソフトで自前書き入れして再出力させることと、
プロンプトに使う英単語や文法のチョイスが重要と気付いてね。
ペンタブと和英辞典買ってからレベルが上がり始めたの。
今の私、ある程度のデッサンはできるし、英会話もできるわ」
「AIで自分好みのエロイラスト量産したいだけのくせに。
エロが最大の学びのモチベになるって本当だったんですね」
「と、やればやるほど、AIはただの道具で意思はないし、
どう使いこなすかは人間次第と気付いていくの。
絵画の歴史で言うなら、これただのチューブ絵の具だわ」
「ゴッホとかの時代の直前の発明ですね。
それまでは個室で自分で染料を調合しないといけなかったのに、
チューブ絵の具の発明以来全員が一級の染料を調合できるようになり、
かつ、外で絵を描けるようになって美術の進歩が急加速したという」
「詳しいじゃない」
「山田五郎が言ってました」
「でね、そのチューブ絵の具の時もまず、
チューブ絵の具とか使うやつはクソって風潮があったはずなのよ」
「そりゃ人生賭けて染料の調合を学び、
ようやく一流の色が出せるようになってさぁここから絵を描くぞって時に
チューブ絵の具で美大落ちが自分と同じかそれ以上の色を使ってたらキレますよ」
「で、だいぶ時代が飛んで美術とか自称近代芸術家とバンクシー以外やらなくなり、
絵描きは極東の島国にてアニメーターと漫画家に突然変異するんだけど」
「手塚治虫がシンギュラポイントすぎます」
「そこで近代、CGとデジタルアートが一般化し、また同じことが言われるわけよ」
「時代が繰り返しますね。そしてAIなんですか」
「そういうこと」
「実際AIイラストに強い嫌悪感向けてる人はすごい多くて、
pixivもAI作成にAI作成の烙印を自ら焼き印するよう義務化してたりするわけ」
「言い方が露悪的すぎます。絶対にpixiv小説に転載しないでくださいね」
「ただこれは、pixivがルネサンスにおける画家ギルドと同じ形だからある意味当たり前なのよ。
歴史ある組織が能力者を独占したら、次は必ず権威化と停滞と差別が発生する。
人類史のお約束よ」
「今はそこに陰謀論もついてきてハッピーセットです」
「pixivとかデジタルアートギルドでしかなくて、
美大のエリート様からは子供の遊びとしか見られてないのにね。
まぁ、デジタルアートギルドは今までで最下層民だったから、
きっと今はさらに下が生まれて大喜びで差別できてるわ」
「絶対にpixiv小説に転載しないでくださいよ!
絶対ですからね!」
「まぁ気持ちはわかるのよ。
私もう10年くらいイラスト描いて小銭貰えてた人と同じレベルだもん。
俺の10年お前の半年かって思うと泣きたくもなる。
ただ、絵を書こうと思った時代が9年半早かっただけなのにね」
「お姉様は獲得経験値に+1億万%の補正がついてるタイプの天才ですけど、
リアルのお姉様の意思同位体も+300%くらいはついてますもんね。
余計に石を投げられそうです。
でも冒頭の私のイラスト、目の感じがイマイチなんですけど」
「あぁ、それね。
AIイラストってコストかければかけるほど上手になるの。
今の私、最低コストで遠目に見てまぁうまいかなってレベルを研究してるわ」
「手抜きを覚え始めたら上級者ですねぇ。
あと折角の甘雨さんなのでもうちょっと胸盛れませんか?」
「それはまだ私には難しいわねぇ」
「で、そんな私がこの絵師には勝てないなぁって人がいるのよ。
角が立つから名前は出さないけど」
「もう十分立ちまくってるのお気付きでない?」
「その人ね、元々めっちゃ絵がうまいのに、
そこからAI覚えて鬼に金棒なの」
「あー……」
「で、そんな絵にコメントで『流石〇〇さん、AI使っても上手いんですね!』ってつくの。
はい、故事成語で言ってみなさい」
「弘法は筆を選ばず」
「意味は?」
「嫌味ですねこれ」
「実際ね、すごい人って能力がある人じゃないの。
特に現代はね。ジョブズとかマスクとかゲイツとか。
みんな、人類基本装備の色眼鏡を自分の意志で外せてるの」
「固定観念に足を引っ張られて停滞するのなんて日常茶飯事です」
「もしも弘法に色眼鏡を外す能力があって現代に転生したら、
多分後世は全部MSゴシックで漢詩書いてるわ。
一番読みやすいもの」
「せめて弘法フォントを自作して欲しいなぁ」
「円谷英二もCGをバンバン使って一人で技術を発展させ、
ミニチュア撮影とかバカなの?
ほんとに特撮でしか撮れない絵があると思ってたの?
CG研究もせずに? とか言うわ」
「庵野秀明が泣きますよ」
「ところでお姉様、私いいこと思いつきました。
お姉様が独学で学ばれたAIイラストの技術、
noteで公開したら売れませんか?」
「嫌よ」
「あっ、意外。
お姉様にも技術を独占し自分の地位を守ろうとかいうクソ自尊心があったんですね」
「そんなものはないわ。
私は未来永劫BOOTHその他でAIイラストを売らないと宣言するわ」
「残りはBOOTHで商法もAIが嫌われる要因ですもんね。
で、改めてどうして?」
「私まだAIのこと、ちょっとしかわからない」
「あ、これ50年後も同じこと言うやつだ」