「ジークアクスはつまらなかったけど良い作品になって欲しいわね」
「ジークアクスはつまらなかったけど良い作品になって欲しいわね」
「まぁそろそろ感想言ってもいいですよね。
しかし、また独特の言い回しをしますね」
「実際にガンダム系の解説をやってるYouTuberさん達もね、
つまらなかったけど楽しかった、が一番多い感想なのよ。
私もそう思うんだけど、私はそこからもう少し派生して
つまらなかったけど良い作品になって欲しい、になるの」
「今回はいつもみたいに酷い話にならなそうですね」
「まずね、ジークアクスって単品で見たらつまらないのよ」
「それはそうなんでしょうね」
「ファーストガンダムのいろんなキャラが出てくるから
前提知識がないと意味がわからないし。
わけわかんない話で盛り上がってる友達2人の
隣に居る3人目の気分にさせられてしまう。
一応『わからなくても大丈夫ですよ』の体裁は取ってるけど
いやわからないで理解しろは無理だし、
理解できないでもできないなりに面白かったTV版エヴァと違って
理解できないとシンプルにつまらないのよ。
これは私、単純に弦巻監督の力不足だと思うわ」
「そう言わざるをえない気持ちはわかります」
「ただ、ファーストガンダムを知ってるとものすごい面白いのよ。
それもスパロボ知識や映画3部作だけじゃダメで、
TV版を全部見た上で密会と富野メモも把握してはじめて100%楽しめる
令和作品にはあるまじきハードルの高さなのよ」
「私はお姉様が隣でキャーキャー言いながら解説するから
毎週すごく楽しめてましたね」
「ただ、じゃぁその面白さってジークアクスの面白さなのって言われると
当然そんなわけなくて、全部富野ファーストの面白さなのよ。
でね、これと同じことをやった作品に私心当たりがあるの」
「ほほう。なんでしょう?」
「スパロボV」
「あー……」
「あの作品で一番やばいと思ったのは、
クロスアンジュの始祖アウラと
真ゲッターロボのゲッタードラゴンを繋げたところね」
「あのセリフは当時界隈に震撼が走りました」
「他にも『この作品のこれは実はここと繋がってる』が多くて
そういう意味でスパロボVは傑作だと思うのよね」
「確かに。そう考えるとまさにジークアクスも同じですね」
「でね。スパロボって今では界隈ではなくてはならないIPだと思うんだけど」
「この小説家になろうからもナイツ&マジックが始まってますし、
スパロボに出たいがモチベーションでロボットアニメが作られてるとこ
今はあると思うんですよね。
ソシャゲになりますけど、ブレイバーンのありえない速さでの参戦は
確実に製作側から出してくれって頼んでますよね」
「もうスパロボは版権料払って作品出すんじゃなくて
宣伝費もらって作品出したらいいのよ。
そしたら本数がそれほど売れなくても関係ないじゃない。
なんで誰もそういう商業モデルを提唱しないのかしら」
「実際それが結局は界隈WIN-WINな気がするんですよねぇ」
「少なくともスパロボがなければダンクーガのDVDBOXなんて
高価なカラス避けにしかならないのよ」
「言い過ぎな気もするんですが否定できないです」
「そう考えるとジークアクスの役割は」
「そう、富野ガンダムの再評価なのよ。
最近は岡田斗司夫ゼミをはじめ、
セリフと演出から読み解く機動戦士ガンダム講座さんとか、
他にもいろんなとこでファーストガンダムの再評価が行われてたでしょ?」
「一昔前はファーストが好きっていうと原理主義者扱いされましたけど、
今はもうちゃんとファーストが聖典みたいな感じで理解されはじめてる気がします」
「希望的観測も含むんだけどね」
「じゃぁジークアクスが良い作品になってほしいってのは」
「富野ガンダムが再評価される窓口になってほしいって希望的観測ね」
「なるほど……で、実際どうですかね?」
「うーん……」
「うーん……」
「いやこれはジークアクスが力不足というよりも
富野ガンダムが難しすぎるのよ。
理解できれば最高なのに、そのハードルが高すぎる。
そして、最近の人気アニメとかを見てるに
そういうハードルが高い作品って、受けないのよ」
「すごい。お姉様それ、
完全にブーメランエッジがコクピットに突き刺さってますよ」
「だから良い作品に『なって欲しい』のだけど、
無理なんだろうなぁ、って諦めてる感じね」
「これはもう私が言っちゃいますよ。
時代が悪いです」