アラクネVSリアム中佐4
リアム中佐の攻撃は単調だった。威力はあるが、フェイントや回避された時の後詰めの様な攻撃は含まれていない。その点においてはアラクネにとって有利だったが・・・。
「くっ、こちらからの攻撃が全く効かないなんて反則じゃないかしら」
アラクネは、攻撃力が無いなりに股間、目、関節部分などを狙って毒針を刺し込んだのだが全て効果が無かった。耐久力に関しては、完全にリアム中佐に分がある事になる。逆に、アラクネはリアム中佐の攻撃を一撃でも受ければ大ダメージ必死だというのに。
「それも、攻撃の精度が上がってきているわ。私の動きを学習しているとでも言うのかしら」
単調な攻撃にフェイントが含まれ始めた。そして、フェイントをしないと思っていたアラクネはそれを回避しようとして隙が出来る。動きを読まれたアラクネに、リアム中佐の攻撃が掠る。それだけで、アラクネの体が抉られた。
「ジーナ、一体どこまで行ったのよ! このままじゃ――」
じり貧だと言おうと思った瞬間、リアム中佐のフェントを混ぜた攻撃がアラクネの顔面を捕らえる瞬間――。
「何をしているんですか?」
リアム中佐の腕がジーナによって斬り飛ばされた。アラクネの攻撃ではまったくダメージを受けなかったリアム中佐に明確なダメージが入ったと思ったが。
「・・・やはり、再生するのね」
「この方、本当にさっきの人間ですか? 再生速度が尋常じゃ無いんですけど」
「とりあえず、助かったわジーナ」
アラクネは、隙を見て戦闘中にスモールスパイダーを一匹だけ作り出し、ジーナを呼びに行かせていた。思ったより時間はかかったが、何とか間に合ってよかったと安堵する。
「おかしいですね? 私の感知では、この人間、スライムみたいに全身が魔力のみで出来ていて弱点が無いですね」
「そうなのよ。私の毒も効かないし、体のどの部分にも攻撃が通らないの」
「斬り飛ばした腕も、体に魔力として戻ってきましたね」
アラクネは少し下がり、サポートにまわる。ジーナはリアム中佐の体を凍らし、燃やし、感電させるがどれも致命傷にならない。からだを真っ二つに割っても再生するのだ。
「きりがないですね。もう少し詳しく調べるので、アラクネは出来るだけ時間を稼いでください」
「分かったわ」
アラクネは両手から糸を噴射しリアム中佐の体を拘束する。本来、Aランクの魔物であってもなかなか抜け出すことが出来ない強度を持つ糸だが、リアム中佐はその糸を引きちぎる。身体能力だけで言えば、Aランクを超えているという事だろう。
「自信、無くすわね・・・」
引きちぎられるたびに新たな糸で拘束するが、糸に絶対の信頼を置いていたアラクネは自信を無くすのであった。




