再会
アラクネを連れて大学へと戻ってきた。車の中では、リナリアが決めた魔物のランク等の情報をエルダーエルフがアラクネに伝えている。
「へぇ、ここにリナリア・・・さんが居るのね。それに、すごい魔力。ほとんど魔界のユグドラシルと変わらないくらいの魔力が作り出されているんじゃない?」
アラクネの質問に、エルダーエルフは答えない。エルダーエルフは、まだアラクネの事を信用していなかった。そして、エルダーエルフ以外には答えられない質問だ。
エルダーエルフは事務的にリナリアの居る理事長室へと皆を連れていく。リナリアはすでに了承済である。理事長室には、リナリアだけが居た。コハクとヨーコは、カエデ達と一緒に居るためここに居ない。
「いらっしゃい。そして、久しぶりねアラクネ」
「お久しぶりです。私も、リナリア様と呼べばよろしいですか?」
アラクネがリナリアにそう質問する。さんづけですら言いたくないアラクネでも、さすがに本人の前ではそういうわけにはいかない。
「そうね、リナリアさんでいいわよ?」
それが分かっているため、リナリアはそう答える。アラクネの美しい顔が、ひくひくと引きつっている。
「本当に久しぶりね、2万年ぶりかしら?」
「2万・・・?」
タケルは、関西人が使うイメージがある「おつり百万円ね」みたいに、冗談で万を付けているのかと思ったが、リナリアの顔はふざけている様には見えない。
「そんなに経っていませんよ」
アラクネの返答に、やっぱり冗談だったのかと思い直す。
「せいぜい1万5千年くらいですよ」
「あら、そうだったかしら」
そして、やっぱり冗談じゃ無かったのかと愕然とする。
「えっと、そんなに昔からの知り合いなんですか?」
「人間にとっては長く感じるかもしれないけれど、魔物は魔力さえあれば不老不死なのよ? 強い魔物程長く生きているのは当然だわ。そして、アラクネは私が世界樹の果実を与えた特別な魔物だもの。簡単には死なないと思うわよ?」
「そうですね。おかげさまで、蜘蛛の魔物の中で唯一の存在となれました。感謝しています」
感謝しているのは嘘でないらしく、アラクネの表情は真剣そのものだ。
「アラクネは確か、Sランク相当のはずよね。手伝ってくれるなら助かるわ」
「ですよねー」
アラクネは、魔界でも散々リナリアの手伝いをさせられていた。情報収集が得意なアラクネは、使い勝手が良いのだ。だから、1万5千年前に逃げ出したのだが。しかし、魔界に帰るためにはリナリアに頼るのが一番だと感じていたため、こうして再び会う事にしたのだった。




