エリザVSハンター
エリザは、里の周囲を警戒していた。そして、隠して配置してあった蝙蝠に反応があったため、その場所へと向かう。
エリザがその場に到着すると、2人のハンターが里を伺う様に隠れていた。すでに居場所が分かっているエリザにとってはすでにバレているのだが、2人は隠れ続けている。
「そこに居るあなた達、そこで何をしているのかしら?」
声をかけたが反応は無い。仕方が無いのでエリザの方からそちらへと向かう。そこには、迷彩ポンチョで隠れている2人のハンターが居た。
「・・・なぜ俺達が居るのが分かった? 匂いも音も消す魔道具の故障か?」
「ちっ、これだから獣人は嫌なんだ。どうせ野生の勘だろう」
男たちは小声でエリザに聞こえないように話す。エリザは獣人では無いし、居場所が分かったのも蝙蝠を使ってなのだが、それを知るはずはない。
「獣人の里の件については、クエストの誤発注よ。いくら里を調べても、報酬は何も無いわよ?」
「何のことだか分からないが? 俺達はただここで狩りをしているだけだ。俺だって無駄に獣人と争いたい訳じゃない。何も見なかったことにして帰ってくれないか?」
言葉とは裏腹に、男たちの殺気が膨らむ。恐らく、エリザが里へ帰ろうと振り向いた瞬間に銃で撃つつもりなのだろう。
「では、こちらから警告させてもらうわ。これ以上里に近づくなら、力づくで排除するわよ?」
「やれるもんなら、やってみやがれ!」
エリザが一人だけだと判断し、男たちはエリザを排除する事にした。ただ、音が響く銃は使わずに、ナイフを使う。男は素早くエリザに近づくと、腹部へとナイフを突き刺す。
「馬鹿な、刺さらねぇ! 獣人に特効のある魔道具じゃなかったのかよ!」
男が使ったナイフは、ただのナイフではなく獣人によく効く武器だったらしい。しかし、男も使い慣れていないのか、効果を疑っているようだが。
「こうなったら、こいつを殺して撤退する。銃を使う」
もう一人の男がライフルを構え、エリザに発砲する。エリザは回避する事も容易かったが、その弾を右手でつかみ取る。
「面白い銃弾ね。まさか、弾に魔法陣が掘り込んであるなんて」
エリザにはその魔法陣が見えたため、証拠として確保したのだ。
「馬鹿な! 銃弾を素手で掴むなんて!」
「それより、俺達の手に負えねぇ。銃声を聞いて他の獣人が来るとやっかいだ。逃げるぞ」
男は、懐から出した団子の様なものを地面に叩きつける。すると、辺り一面が煙に覆われた。その煙には臭いの他、足音や気配まで遮断する優れものであったのだが――
「煙から出てくるのならば、関係ないわよね?」
当然、効果範囲のある煙は数十メートル程度で、そこから出た瞬間にエリザは先回りする。
「そんな馬鹿な・・・」
攻撃が何も効かず、逃げる手段すら封じられた2人は、呆然とエリザをみる事しか出来なかった。




