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世界の異変  作者: 斉藤一


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モミジ

「というわけで、コハクの修行は順調ですね。ただ、私の方が疲れていまして、もう少し休憩させてください」


カエデは、娘のモミジを撫でながらくつろいでいた。モミジは、ハンターに怪我をさせられたが獣人の超自然回復力で完全に完治している。まだ9歳ほどの彼女は、カエデにされるがまま撫でられていた。


「あら、可愛らしい子ね。その子があなたの娘なのかしら?」


「ええ。娘のモミジです。私に似てふわふわで気持ちいいのよ」


モミジの羽毛は柔らかく、撫で心地がすごく良いみたいだ。


「撫でてもいいかしら?」


「うん、いいよ」


「優しく撫でてあげて下さいね」


エリザはそっとモミジの羽毛に触れる。ほんのり暖かく、毛が指に絡みつくこともなくするっと撫でられる。確かに、すごく気持ちよくて癖になりそうだ。


「あたしの修行は、いつ再開できそう?」


「私が満足したら再開します。もう少し、ゆっくりしていてください」


どうせヨーコの魔法陣は1日動きっぱなしだし、恐らく1日ではここの魔力を除去しきれないため時間はある。なので、すぐにでも強くなりたい気持ちのあるコハクではあるが、術をかけてもらっている身なので無理は言えない。


「私は、里の周辺を警護しているわ」


エリザは暇なので、結界の消えた里の周囲を警備しに行く事にした。ルタも特にすることは無いが、カエデの休憩が終わり次第、一緒に術をかけるので待機しているしかない。カエデがモミジを撫でる姿を優しい目で見守る。


「それで、修行の第二段階って言うのは何をするんだ?」


ルタとカエデの術では、白虎の10%しか実力を表現しきれない。第一段階の修行で、その10%と同等の力を身につけたコハクは次に何をするのかが気になった。


「この子と戦って貰います」


カエデは、モミジを撫でながら言う。


「え? その子って・・・」


コハクは、「ハンターに怪我をさせられた子だろう」と言うと傷つけそうなので尻つぼみに言いよどむ。


「当然、精神世界でですよ。この子も先祖返りですので、精神世界では強いですよ?」


「そうなのか? 鳥人の先祖返りって何なんだ?」


「実際に見るまで秘密・・・と言いたいところですが、恐らく心構えをしていないと最初の白虎との戦闘の二の舞になりそうなので伝えておきますね。この子には、朱雀の力が宿っています」


「朱雀・・・」


それは、白虎と同じ格を持つ魔物であった。見た目は火の鳥だが、フェニックスとはまた違う魔物である。 


「さらに言えば、私の先祖にも当たりますから、白虎よりも表現できる強さは大幅に変わりますよ? 恐らく、50%ほどは行けますね」


つまり、白虎の実力の半分まで再現できるという事。確かに、知らなければまた即死の日々になる可能性があった。なので、コハクは最初から全力で臨むことを決意した。

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