コハクの修行3
コハクの渾身の攻撃は、残念ながら白虎に受け止められた。けれど――
「やった・・・、やっと1発、当てることが出来た!」
いままで、かすりもしなかった攻撃。それを、白虎様に腕一本とはいえ防がせることに成功したのだ。
「ほぉ、何か掴んだようじゃな」
「それじゃあ、休憩にしましょうよ。本当に、おなかぺこぺこ。トイレにも行きたい。娘の顔が見たい」
カエデは、長時間の精神世界の維持でつかれた為、愚痴り始める。コハクは逆に満足感で、まだまだやれると思っていたが、ここでカエデに無理をさせるわけにも行かないと思いなおす。
「では、休憩後に修行の第二段階に移行するとしようかの。とりあえずコハクよ、10%の白虎相手によぉがんばったの」
「え・・・なんだって? 10%って何のことだ?」
「言っておらなんだか? ワシらでは精神世界とはいえ、白虎の全力を表現できぬよ。せいぜい、全力の10%程度が限界じゃ。それでも、お主と一緒に居たヨーコよりは強いはずじゃがの」
「あれで10%・・・ははっ、はんぱねぇなぁ、白虎様は・・・」
コハクは、自分が達したのがたった10%にも満たない白虎の実力だったのかと落胆する一方で、強くなる可能性がまだまだあるという期待感もあって複雑だった。
現実世界に戻り、カエデとコハクは食事にするため、ルタとエリザはヨーコの様子を見に行った。
「ああああぁっ、こんなに強い魔力が、ずっとうちの中に入ってくりゅぅーー! うちの敏感なところが刺激されりゅー!」
扉を開けたところで、ヨーコの嬌声が聞こえたため、すぐに扉を閉めて立ち去るのだった。
「・・・あれは大丈夫なのか?」
「変ねぇ、ユグドラシルの時はもう少し落ち着いていたはずなのだけれど、何が違うのかしら?」
「この部屋の魔力溜まりは特別じゃからのぉ。恐らく、ワシが結界を張るのにあらかじめ魔力を集めておったのと、未だに集めきれていなかった周囲の魔力が集まっているんじゃろ」
「あの魔法陣は、一回発動したら1日動き続けるのだけれど、あの子、大丈夫かしら?」
「それは、肉体的にという意味か? それとも、精神的にと言う意味か?」
「どちらかというと、精神的かしら? 変な性癖に目覚めなければよいのだけれど」
エリザは、もう手遅れかもしれないと思いつつも、コハクの修行結果の方も聞きに行くのだった。




