表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界の異変  作者: 斉藤一


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

73/214

コハクの修行2

体感時間1日目・・・コハクは自分が死なないと理解するために費やした。開始と同時に負ける自分。しかし、それでもあきらめないという心をもって耐える。


体感時間1週間・・・目が慣れてきたのか、白虎の動きが微かに追えるようになるが体がついて行かないため防御は不可能だった。ルタからアドバイスとして「精神世界では、神経など無いから、動ける動けないは自分の気持ち次第だ」と言われる


体感時間1か月・・・数えきれないほどの負けを積み重ねた結果、白虎の攻撃に反応する事が出来るようになってきた。精神的な身体強化も徐々に慣れ、一撃での負け回数が減る。


体感時間1年・・・白虎と長時間戦えるようになった。ただ、コハクからは1発も白虎に攻撃を当てる事は出来ていない。


体感時間10年・・・コハクは壁を超えられずにいた。戦闘時間が長くなったのは良いが、それは耐久力があがっただけで、強くなった気がしない。実際、まだ1度も白虎に攻撃を当てられていないのだ。


「ルタ様、そろそろ1度休憩を入れてはどうでしょうか。現実世界では8時間が経ったと思います」


「そうじゃのぉ、ここでは不眠不休で戦えるとはいえ、現実の体はそうはいかん。魔物であるワシはともかく、獣人であるお主らは食事も睡眠も必要であろう」


「あたしは大丈夫だ! あと少し、あと少しで何かが掴める気がするんだ!」


「あなたが大丈夫でも、私は結構疲れてるんですけどね・・・。お腹もすいたし。ですが、まあいいでしょう。現実世界の時間で10分だけ我慢致します」


「サンキュー、カエデさん」


コハクは、気持ちを新たに白虎と対面する。自分に足りないものは何なのか。動きは目で追えるようになった。攻撃は受けられるようになった。甘い攻撃なら避けられるようになった。しかし、こちらからいくら攻撃しても白虎に当たらないのだ。


「反応速度が速いって言うのとはまた違う気がすんだよな・・・」


言うならば、こちらが攻撃しようと動いた瞬間にはすでに白虎様は回避体制に入っている。しかし、白虎様に未来予知の様な能力は無い。あるならば、そもそも攻撃を回避できない。


そして、コハクはふと精神世界なのに風が吹いていることに気が付く。自分が戦っているのは平原だ。だからいままで、まったく気にもしていなかったが、ここは現実では無いのにそこまでリアルにしているのは変だ。


「まさか・・・」


コハクはここに至り、その可能性に気が付く。獣人は魔法が苦手だ。だから、魔力は身体強化に使う。しかし、すべての獣人が苦手というわけでは無く、ヨーコの様に魔法が得意な者も居る。なのに、なぜ自分は白虎様も魔法が苦手だと考えたのか。いや、実際に白虎様は攻撃魔法を一度も使用していない。けれど、それが攻撃魔法で無ければ・・・。


試しにコハクは、白虎様にフェイントを入れて攻撃する。コハクは性格上、攻撃にフェイントなど入れないのだが、今は試しだ。


「やっぱり・・・」


白虎様はコハクのフェイントに全く反応しなかった。まるで、初めから当たらないと知っているかのように。


「白虎様は地面からあたしの動きを読み取ってる。でも、それが分かってもあたしは・・・」


あたしは魔法が使えない。いや、使えないと勝手に思い込んでいただけだ。いままで、すべて自分の力のみで戦ってきた。だが、魔法を使ったとしてもそれは自分の力であると言えるのではないか。


コハクの雰囲気が変わり、白虎は攻撃を止める。そして、コハクから今までと違う力が溢れた。


「そうだ。あたしは白虎様の子孫。それも、先祖返りだ。白虎様が使えて、あたしに使えないわけが無い!」


コハクは足裏で地面を操ると、白虎の足を土で固める。白虎は地面からの情報でコハクの動きを読んでいたため、とっさに足を地面から離すことが出来なかったのだ。


「うおぉぉぉ!」


コハクはさらに拳を土で覆う。まるでシュガーの甲殻の様な拳で、初めて白虎に1発攻撃を当てることが出来たのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ