グランドマスター
ハンター達の代表である年長のハンター、ガンツを先頭にエリザ達とカエデは岐阜市にあるハンターギルドの本部へと来ていた。ちょうど日本の真ん中付近にあるため、本部が岐阜に置かれている。ただ、交通の便はそれほど良くは無いが、代わりに空路が整備されている。5年前に飛行機がほぼ使用不可能になってから遊んでいた飛行機が改良され、魔道具に生まれ変わり、配備されているため、日本で一番空路が利用される場所となっていた。
「ここが本部でっせ。あとは受付に任せやすがよろしいですか?」
「構いません」
ガンツはコハクに任せ、エリザ、ヨーコ、カエデの3人で受付へと向かう。
「いらっしゃいませ。どのようなご用件でしょうか?」
「これをグランドマスターに渡してほしいわ」
各ハンターギルドのトップはギルドマスターであり、それを統括するのがグランドマスターである。
「これは・・・分かりました。では、ご一緒しますか?」
「? ここに居ないのかしら?」
「そうですね。ここには、めったに戻られません。業務はほぼすべて副グランドマスターが行っております」
「そうなの。それなら、グランドマスターの元へ連れていって」
受付嬢は、裏口へ向かう。そして、裏口を通り、後ろの建物へと向かった。
「この建物は鍜治場です。と言っても、作っているのは武器だけではなく、魔道具や様々なものを作っています」
「こんなところにグランドマスターが?」
「はい。グランドマスターは、生粋のドワーフですので」
「――。ドワーフが、人間達のハンターを取りまとめるなんて・・・?」
「そうですね。まさか、魔物が人間の味方をしてくれるとは誰も思っていなかったでしょうね。グランドマスターが言うには、人間側の方が面白い、だそうなんですけど」
「ま、もともと魔道具作りにしか興味のない種族だから、その行動が妥当なのかもしれないわね」
鍜治場の奥へ向かうと、背が小さく、ガタイのいい親父が武器を作っていた。
「グランドマスター。お客様をお連れしました」
「ああ? こんな場所に客を連れてくるんじゃねぇよ。いつもどおり、副グランドマスターに対応させりゃあいいだろうが」
客を前に、悪びれもせず副グランドマスターに任せろというグランドマスターに、受付嬢はため息をつく。
「これは重大であると判断した結果ですよ、グランドマスター。どうせ副グランドマスターに任せても、最終的な判断はグランドマスターにしかできないと思います」
「そうなのか? ちょっとまってろ、今やってる作業を終わらせる」
グランドマスターは、手に持っていた道具を高速で組み立て、あっという間に銃を作り出した。それは、ハンター達が持っている銃よりも明らかに高性能に見える。魔道具作りが趣味のエリザは、その技術に驚く。
「すごいわね。魔力を使わずに魔道具を作り上げるなんて」
「部品そのものに魔力を含ませりゃあ、魔道具の性能に何の問題もねぇよ。それじゃあ、向こうの客室で話をしようや」
結局、場所を移してギルド本部へと戻るのだった。




