少数精鋭?
「それに、次の目的地はヨーコとも無関係ではないかもしれないわよ?」
「どういうことですか?」
「これは、リナリアが岐阜県の警察から貰った情報であって、強い魔物が関係しているものではないの。そして、その情報は獣人族とハンターが揉めているという事よ。詳しくは、理事長室へ行ってから話すわ。そこに皆待っているもの」
エリザとヨーコは理事長室へ向かった。理事長室には、リナリア、タケル、コハク、ジーナ、エルダーエルフ、シュガーが居た。それほど広くない理事長室にこの人数が居るとさすがに狭い。
「揃ったわね。それじゃあ、向かうメンバーなのだけれど・・・」
「私は、お兄さんとはずっと一緒ですよ?」
チーム分けをする前にシュガーが宣言する。リナリアもそれは分かっているので、改めて発表する。
「ええ。メンバーはコハク、ヨーコ、エリザの3名ね。今回は少人数でいいともうのよ。だから、タケル、シュガー、ジーナは別の場所をお願いするわ」
「それでいいわ。それで、私の向かう先の情報をヨーコにも教えてあげて頂戴」
「そうね。まず、最初のきっかけは、ハンターが間違えて獣人を銃で撃って怪我をさせたことですわ」
「その前に質問なんですけど、ハンターって言うのは何ですか?」
タケルはずっと寝ていたため、最近の情報が無い。5年前にはハンターなどいなかったはずだ。いや、ただの狩人をハンターと呼ぶなら、獣人を傷つける事などできはしない。
「タケルはずっと寝ていたものね。ハンターというのは、魔道具を使って魔物を狩る職業を指すわ。最近、人間達でも簡単な魔道具を加工し作れる者が現れたの。ゴブリンなんかの弱い魔物は、普通の銃でも倒す事が可能なのよ。そして、その素材と魔石を加工して新たな武器や銃弾を作ってさらに上の魔物を狩る。その繰り返しで、ハンターの中にはBランクの魔物を狩るものまで現れたと聞いていますわ」
「普通の人間が、魔物を倒せるなんて・・・。でも、魔物は基本的に人間に対して無害ですよね?」
「5年前ならそうだったのだけれど、今は人間にも多少の魔力を持つ者が現れているの。だから、場合によっては魔物に襲われる人間も出始めているわ。それに、魔素が濃くなってきていて低ランクの魔物が自然発生するようになっているから、放っておくと増えすぎてしまうから、間引くことも必要かしら」
縄張り争いでも無いが、魔物は強い魔力場を好むため、必然的に弱い魔物は追い出される。そして、そこが人間の住む場所ならやはり問題になるのだ。そのため、ハンターが低ランクの魔物を狩る仕事が成り立つ。知能のある魔物が人間の味方をする国や町もあるため、比較的多くの魔道具が産み出され始めていた。
「―――以上がハンターの説明ね。そして、問題の場所は岐阜県の山奥なのだけれど、そこにあった魔力だまりに獣人が集落を築いて居たの。そして、そこの長が結界を張る事で誰も入れないようにしていたのだけれど、一人娘がその結界を超えてハンターを遭遇、たまたま居合わせたハンターが獲物と間違えて発砲したというのが事件ね。当然、娘を傷つけられた長は怒り、ハンターに逆襲、ハンターは危険な魔物として獣人達と敵対すると、そういった関係になってしまったの」
「それは・・・難しい問題ですね」
「幸い、誰も命を落とすような事にはなっていないのだけれど、収める事もできなくなっているみたいなの。だから、誰かが行って仲裁をしないといけないわけね」
「それで、あたしたち獣人の出番ってことですね。あたしとヨーコは分かりますが、エリザもですか?」
「ええ。あなた達だけじゃ、何かあった時に不安だもの。それに、エリザも変身できるから、獣人に扮することぐらい簡単よ」
「だから、私なのね。分かったわ」
エリザは、ぽふんと血煙を立てて変身する。変身後の姿は、ラフな服装をした熊耳の獣人姿だった。




