遊園地へ
今回、遊園地を調査に行くメンバーは、エリザ、ジーナ、タケル、ジュガ―の4人であった。本来、コハクを連れてこなければいけないのだが、あの練習試合で自信喪失し、リナリアに修行をつけてもらいたいという事で今回は同行していない。姫はまだ変身が出来ておらず、同じく修行中である。
また、シュガーはタケルと離れたくないという事での同行であった。
4人は、電車を使って移動していた。タケルは、雑談をとエリザに話しかける。
「そう言えば、今回はやけに乗り気に見えるんだけど、僕の気のせい?」
「乗り気よ。だって、遊園地という情報を知っているのに、行ったことは無いもの。この世界のお金も持っていないから、もうしばらくは行けないと思っていたわ」
「へぇ。どこでそんな・・・」
どこでそんな情報を? と尋ねる前に、ジーナがツッと視線を逸らした。家にいて暇だったジーナが、そういう情報を集めていたのだろう。そして、意外にもエリザにもそういう興味があったという事か。
「ジーナも興味あるんだ?」
「私は、普通だよ。特に好きでも嫌いでも無いよ。ただ、ジェットコースターというものには一度乗ってみたいかなって。あと、パレードとか、あとは・・・」
エリザ以上に興味津々であったジーナは、遊園地の概要をこれでもかと言う様に伝えてきた。
「分かった、分かったから」
タケルは、終わりのないジーナの説明に、ストップをかける。ジーナのおかげで、そこがどういう場所かシュガーに説明する必要が無くなった。
平日にもかかわらず、遊園地に向かう電車にはそれなりに人が多かった。やはり、魔物が現れるような状況であっても、実際に被害に遭わなければ実感が無いのだろう。
「そろそろつくよ」
遊園地に向かう最後の電車から降り、遊園地に向かう。シュガーの表情も、わくわくが隠せていない。これが、遊園地の調査であることを忘れてなければいいが。
「外から見た感じは、何も変化がない様に感じるわね」
「そうだね、お姉ちゃん。あとは、実際に中に入ってみないと分からないかな」
「そうね」
若干、外からの調査時間が短いが、ジーナもシュガーも中に入りたがっているので、タケルもそれに続く。入場しようとする人は多いが、それほど待たずに中へ入る事が出来た。
「なんか、時々ボーッとしてる人がいない?」
入ってすぐ、タケルは違和感を感じた。一人で、ぼーっと上を向いて椅子に座っている人が居るのだ。疲れて休んでいるというわけではなく、心非ずという感じだ。さらに言えば、一人で居るというのも珍しかった。大抵、家族か友達と来る場所だと思うので、待ち合わせで無ければ一人でいるという事も無い。それに、暇なときは現代人であればゲームか何かで時間を潰しているはずだ。
「そうね。まあ、それはそうとして、どこへ行く? ジーナ」
「まずは、あそこなんてどう? お姉ちゃん」
「いいんじゃないかしら」
冷静そうに見えたエリザも、やはり調査よりも乗り物に興味を示すのであった。




