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世界の異変  作者: 斉藤一
153/156

次元の裂け目

「タケルは本当に魔界へ行くのかしら?」


「うん。だって、この世界じゃ僕の力は過剰すぎるからね。それに、リナリア様も言っていたじゃ無いか。この世界からユグドラシルが消える以上、魔素を吸収できない魔物は弱ってBランク程度の強さしか持てないって」


「それは器を持たない魔物の話であって、タケルには適用されないわよ? それに、ご両親はどうするの?」


「両親にはもう話してあるよ。これから貴重になるAランクの魔石をいっぱい置いてきたからお金には困らないと思うし」


「そう。本当にいいのね?」


「うん。僕はエリザと一緒に魔界へ行くよ」


エリザはレヴィアタンを倒した。その時の攻撃で、ホワイトハウスから海まで大きな溝が続き、海水がホワイトハウスまで届いたが、人類が滅ぶよりは被害は少なかったと思われる。そして、憂いの無くなったエリザ達が帰還したため、リナリアはユグドラシルの全魔力を使って次元の裂け目を発生させ、魔法陣で固定する作業へと入った。


「それにしても、こんなにいっぱいの魔物が居るのに、思ったよりも騒動が無いね」


「まあ、魔界に帰りたいものだけしか居ないもの。文句がある者は、誘った時点で喧嘩を売ってきて分からせてあるだろうし」


弱体化する関係上、世界中のSランクとAランク魔物は大体リナリアの誘いに乗って大人しく集まっている。中には帰りたく無いものも居たため、弱体化するのは納得済みだ。Bランクまで弱体化するには50年ほどかかるし、魔界生まれの狂暴な動物は魔界へと連れていかないので地球ではまだ問題は残るだろうが、ハンターが何とかするだろうと楽観視している。ちなみに、ギルドマスターのドワーフはこの世界に残ることにしたようだ。


魔法陣が完成したため、順番に魔物たちが魔界へと送還される。そして、残るはエリザ達だけとなった。


「じゃあ、うちは先に行くわ」


姫はすでに友達と別れを告げていた。未練が強くなる前に、さっさと魔界へと帰る事にしたのだ。


「うちもお先に」


ヨーコも魔法陣へと向かう。ヨーコはこの世界に未練は全く無いため、その足取りは軽い。残るはリナリアの側にいるコハクと、エリザ、タケル、シュガー、ジーナになった。


「それじゃあ、私達も行きましょうか」


「うん」


エリザとタケルが横並びで魔法陣へと入り、シュガーとジーナがそれに続いた。最後にコハクが入ると、リナリアは魔法陣が徐々に消える様細工して中へと入った。


次元の裂け目の行き先は、魔界のユグドラシルの近くだった。リナリアが把握している座標がそこだったので。ただ、そこはエリザ達や他の魔物たちにとっても初見の場所だが、ほとんど問題は無い。決まった住処を持つ魔物は少ないので、それぞれ方々へと散るだけだ。


「ここが魔界か・・・」


「そうよ。何も無い所でしょ? と言っても、目立つユグドラシルはあるけれど。さあ、タケル。魔界に地球の知識を使って発展させていくわよ」


そのために、エリザはあらゆる書物を記憶してきたのだから。

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