序章:1
雅龍天晴です、以後お見知りおきを。
ふと小説を書いてみたくなったので筆を持ちました。
超不定期に更新します。
「あーあー、マイクテストマイクテスト」
凛とした女性の声が聞こえてくる。
「現生人類の皆様ごきげんよう。こちらはキャメロット、亡き王の遺言に従い今よりこの戦争に参戦致します」
この日、人類は対ドラゴンの切り札を手に入れた。
~遡る事2ヶ月前~
2020/4/7
数週間前突然南極に隕石が墜落した、墜落後すぐに国連は各国から専門家を招集し調査チームを編成、出動させた。
各国の研究機関は国連が回収したサンプルを基に、研究を開始。
研究の結果、あらゆるレーダーに探知されない事と過去に発見された事の無い物質だった事が判明。
国連はその結果を受け、再度地球に墜落する事を防ぐために探査衛星を打ち上げる事を決定。
探査衛星は瞬く間に完成し打ち上げは目前となった...
「博士、所長がお呼びです」
「わかりました、すぐ向かうと伝えてください」
研究が行き詰まり、PCと睨み合いをしていたら呼び出されてしまった。
ため息を吐き席を立つと少しだけ頭が痛む、まさかと思い外を見ると雨が降り出していた。
鎮痛剤と胃薬を飲み所長室へ向かう、どうせ何か発見は無いのかと急かされると思うと進む足も遅くなるものだ。
そんな事を思いながら歩いていると気付けば目的地の前だった。
もう一度ため息を吐く、気だるさを隠しながら扉を叩き中に入る
「お呼びでしょうか」
そう聞くと彼は良いことを発表するかのように告げた。
「国連から君を南極の研究所に派遣するように言われてね、急で悪いんだが明後日迎えが来るから準備するように」
「はい?」
想定していた話からかけ離れ過ぎている内容に唖然とした。
明後日にもう南極?国連直々に指名?
疑問が頭を巡るとようやく鎮痛剤が効いてきたと言うのに頭がまた痛み出した。
とりあえず所長には承知した旨を伝え頭を抱えながら退室した。
翌日、睡眠というよりキャパオーバーでの気絶から目が覚め明日来る迎えの為に準備を始めた。
少なくとも1月以上の滞在を覚悟して準備を進める。
気付けばため息が出ていた。
研究資料が紙ではなくデータなのがまだ救いだった、現代文明に感謝しながら支度を進めるとふと怒りが湧いてきた。
「あーもう!何が南極よ!何歳になっても結婚できないし!もうほんと最悪!」
試しに叫んでみるが誰かと同居しているわけでも無いのでシンとした部屋が虚しさを実感させてくる。
支度を始めてから何度目かのため息が出る。
その後支度を終え、一息つくためにコーヒーを飲みながら外を眺める。
明日、私は南極に向かう。人類発展のためなんて大義名分だがどうせ上は兵器転用しか考えてないだろう。
コーヒーを飲み終え明日に備え早めに寝ることにした。
予定より早く目が覚め、昨日準備した荷物を持ち家を出る。
この部屋ともしばらくお別れかと思うと少しだけ寂しく感じる。
研究所に着き所長に挨拶をしに向かう。
あの小言魔から離れられると考えると足が軽い。
いつもは長く感じた行く道も今は帰りのように短く感じる。
「失礼しま...」
部屋に入ると所長と話している軍服のブロンドの男性がいた。
「おお博士!来られましたか!」
普段からは想像もつかない態度の所長に唖然としていると、男性がこちらを向いて話しかけてきた。
「貴方がミスユイですか、私は国連陸軍大佐のリチャードです」
「...日本語上手ですね」
彼の顔をよく見るととても整った顔をしている。
きっと祖国ではさぞモテている事だろう。
「父が日本好きでね、英才教育のタマモノさ」
彼と軽い挨拶を済ませると、所長が話し始めた。
「詳しくは移動中に聞くと思うが、彼が今回の南極への移動から南極滞在中の護衛を行う」
「南極滞在中の護衛についてだが、南極基地では国連選抜の各国の研究者共同での研究になる」
「流石にわかると思うが君は我が国の研究全てを背負って南極に向かうことになる」
「万が一があっては遅いのだよ」
「はぁ...」
話を聞いているとリチャードさんが通信機に対応して私たちに告げた。
「迎えが来ました、屋上に行きましょう」
屋上に上がると灰色の軍用ジェット機が1機停まっていた。
「国連軍のステルス機です、ここから南極基地だと5時間弱ですね」
そう言われ中に入る、所長にはくれぐれも恥のないようにと言われ、他の同僚には手を振られ見送られた。
「ではドクターユイ、向かいましょう」
こうして南極基地に向けての移動が始まった。
改めまして雅龍天晴です。
長い付き合いになるかもしれませんのでよろしくお願いします。
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