4-3話 カチコミ前夜
外から何かしらが落ちてきた音がした。俺たちのいる、アジトからでも聞こえるほどの、オノマトペするならズドォォォン的な感じだ。
「敵か?」
リヒターが、そういう、まさか今から、行こうとしていたのがバレたのか?そう思いつつ、恐る恐る外をカメラ見ると
「軍のAOが、なんでこんなとこに!」
いやそれどころではない、軍AOが、軍のAOを攻撃してる?
「逃走中って感じだな、もしかしたら味方かもしれねぇぜ?」
グラスはそういう、確かに蜃気楼は、前戦った時に一度攻撃したら、消えていた。つまり
「あれは本物ってことか…」
内ゲバ、確かにリヒターが真後ろにいるように、メギなき後、嫌になってやめるやつも多そうだとは思う。
「…仕方ない加勢するか」
外に出ると、目の前に広がっていたのは、その中心に、軍のAOが三機。だが、そのうちの一機が、味方と思しき別のAOに向けてミサイルをぶっ放していた。
「完全に…内ゲバかのう!」
リヒターがひげを触りながら言う。
敵AOはフレームごと黒い型。特徴的なレドームに、熱光を発するエネルギーライフル。だが、攻撃されている側も引けを取っていない。スラスターを吹かして回避しながら、間断なくグレネードを打ち返している。
「くらえ!大銀河メガドリルインパクトォ!」
ドリルがが風を裂き、敵AOの右肩ユニットを吹き飛ばす。パーツが宙に舞い、爆発四散。
「次は俺だ!!アイシクルハルバード」
リヒターは既に先行し、地上へ飛び降りていた。着地と同時に煙が舞い上がる。
「ドリルミサイル!!」
衝撃波とともに、ドリルマガンの肩からドリルのミサイルが射出、敵AOの脚部を叩きつける。関節が軋み、バランスを崩したAOが倒れ込む。
「そこだ!」
その隙を突き、俺は高速で接近。ハルバードを下から突き上げるように、機体の腹部に深々と突き刺した。そして機体が膝をついた。
「終わりだァッ!」
リヒターがドリルミサイルを投げ込み、敵AOが弾け飛ぶ
「アイツラ撤退してるっすね」
どうにかこうにか、撤退に追い込んだ。
「アジトバレたか?」
その問いにリヒターは、苦い顔で返した
「可能性という意味ではあるな」
敵に襲われていた、AOのコックピットが空いた
「ブライ、そうか…見つけたぞ…」
そのまま、倒れ込んだ。とりあえず、身ぐるみをはがし武器を持っていない事を確認して、医者の先生のいる。医務室にぶち込んだ。
「あの機体調べてみたっすが、その蜃気楼ってのたぶん搭載されてないっすね」
やはり蜃気楼を使えば簡単に逃げられたはず。使わなかったのではなく使えなかったんだ。
「ヘルズ、やっとやりそうなことだ。恐らく奴は、信用した人間にのみ、蜃気楼をつけてるのだろう」
信用か、そんなもんじゃないだろう。おそらくは手駒にできるやつだけを、選出して、いるのだろう
「知らない天井だ。ここは一体」
追われていたやつが目を覚ました。
「キミが坑哲鋼くんか?」
第一声がそれだった。
「俺を探してたのか?」
苦味走った顔を晒し、語り始めた
「俺の名はショウ、とあるAO部隊でリーダーをしていた」
軍人、だが俺を殺す素振りを見せていない、
「俺は、軍の機密書類を見た。博士というやつが、軍の上層部と、裏でつながっていたんだ」
ハカセ?その言葉に、俺は引っかかった
「裏でってことは、人間の進化だのを、知ってたのか?」
冷静になって考えると、あんな事してたのに全く軍の気配がなかった。あの状況下で、生き残る算段でもあったのか?
「後、君言うことがある」
改まってかしこまって、ベットの上で正座になって、こういった
「カットリは、もしかすると、もう手遅れかもしれない」
その言葉を聞いた瞬間、俺は怒鳴っていた。
「どういう意味だ!」
手遅れ?俺が博士と戦う前はピンピンしてたのに?
「博士を、軍から除名するかわりに、提示された条件があった。それが、帽子型洗脳装置」
帽子型洗脳装置?
「あの時は、カットリが裏切ったのかと思ったが、今思えば、カットリの声がしたのに、気配が別物だったのは、洗脳されたからだったのかもしれない」
洗脳?
「なんだよそれ…じゃあアイツラはそんな物のために、世界を、つなげようとしたのかよ…」
信じられない、世界が、滅べば自分たちもただじゃ済まないはずだ。それなのに
「目先の利益に目がくらみ、それを悪用するとは笑止!」
リヒターの言う通りだ。
「人の精神を、意志を、なんだと思ってやがる…」
手を握りしめ、血があふれた。しかしその痛みも、全く気にはならない、
「ここまでくれば、我らも、黙っては居られない、力を貸すぞ鋼」
リヒターは、そういった。このレジスタンスと、一緒に軍をしばく
「ああ、やろう、カチコミだ!」




