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29/66

29事件の犯人を見つけたのだが?

「おそらく、ここが奴らのアジトなんだろう。本当、簡単に見つかって良かった」


「ところで、どうしてアルベルト様はさっきのローブの男の居場所が分かったんですか?」


「そうだ。今、簡単にって……あんなに距離があったのに、追跡できるなんて、それを簡単にだなんて……普通出来ない」


「いや、俺、探知のスキル持っていて、その」


「探知のスキル? 上級攻撃魔法のスキル以外に? と言うことは二重スキル(ダブルネーム)?」


クラウスが驚愕の表情を浮かべ、レオンが俺の方を見て。


「は、ははは……。すごい! 凄すぎますよ。アルベルト様は桁が違う」


他にもいっぱいスキル持っていることは黙っておこう……


そして、ダンジョンを進むが、幸い、魔の森のダンジョンの様な魔物は出て来なかった。


「アル、扉があるわ。かなり怪しいわ。アジトか罠かどちらかよ」


「ああ、クリス、俺もそう思うが、突入するよりないと思う」


「アル様突入しましょう。罠でもは入るしかないですよ」


「うん、わかった。レオン、クラウス、行くぞ」


コクリと頷く二人。俺を先頭に


「グォォォォーーーーーォォォオ!」


魔物の声が聞こえたのは俺達が突入した瞬間だった。


やはり罠か。俺の探知のスキルに反応はなかった。つまり、突入と同時に召喚されたのだ。

目の前にホワイトハングが5匹ほど。


牙の生えた口から涎を垂らしながら、俺達を舐めるように見ている。


「……やっぱり、罠か」


「いや、そうでもないぞ」


俺は言った。何故なら、隠ぺいの魔法で隠れているが、俺の探知のスキルに薄っすら反応が。


「そこの米櫃に誰か隠れている。多分、さっきの白いローブを着た男だ」


「ここはリーゼに任せて、アル様やクリスの魔法だと、ダンジョンごと壊すから」


リーゼ……失敬だな。否定できないけど。


爆裂(エクスプロージョン)


リーゼはダンジョン内ということを加味して、魔力を練らず、詠唱破棄で魔法攻撃する。


詠唱破棄や無詠唱は高度な技ではあるが、魔法の威力を下げてもいいと言う条件をつけるとハードルが下がる。それに魔力を練るのではなく、魔力を減ずることも簡単な技能だ。


上手い。リーゼは魔力を半減させ、詠唱破棄で、魔法の光球を普段の四分の一以下のサイズに。


バズンという音と共に、ホワイトハングが瞬殺される。


俺は米櫃に向かって、言い放った。


「観念しろ。そこにいることはわかっている。さっさと出て来い」


「くっ、くっくっく。せっかくやり過ごして、命だけは許してやろうかと思っていたのに、やたらと嗅ぎまわりよって、私が一人だけだと思ったのが、運の尽きだな」


白いローブの男は米櫃から立ち上がり、血走った目で、大きく叫んだ。


……うっせいわ。


正直、多分仲間がいるだろうと思っていた。何故なら、この部屋には数人は潜んでいた痕跡があった。テーブルや椅子。食器。一人分じゃない。それに、米櫃はかなり大きく、かなりの人数の胃袋を数週間は満たすことができる筈だ。


「さあ、白鷲教三騎士よ。我らの聖敵を滅ぼせ!」


――?


男が大声で叫ぶと、目の前に魔法陣が現れて、三人の白いローブを纏った騎士風の男達が。


「やれやれ。侵入者か」


「我らを嗅ぎ回るとはな」


「聖戦も近い、邪魔をしおってからに」


……こいつらは騎士か。


三人共、帯剣している。そして、鋭い視線を俺に向けている。


鍛えられた身体が騎士の甲冑の上からも見てとれる。


一部の隙もなく、身のこなしにも素早い。


「ふん。馬鹿め。のこのことついて来てしまったようだな……キジも鳴かずば打たれまいに。わざわざ命を捨てにくるとはな」


騎士の一人が前に進み出る。よほどの自信なのだろう。俺達を一人で相手にすると言うのだろう。ならば、こちらも一騎打ちを所望すべきだろう。クリスやリーゼの傷つくところは見たくない。もちろん、レオンやクラウスも。


「なら、俺が一人で相手しよう」


明らかに動揺する騎士。


「馬鹿か? おい、聞いたか? こいつ、我相手に一人で相手する――とはな!」


「フッ……彼我の差もわからんとはな。哀れ」


「たかが冒険者風情と白鷲教三騎士との差を教えてやろう。志有る者の真の強さというものをな!」


そう言うと、騎士は抜剣した。剣を構え、右斜め上に剣を構える。


騎士の標準的な構えだ。堅守にして、いつでも攻撃に転じることができる所作。


口だけではなく、本物の強さを持ったヤツだろう。


「アル、気を付けて!」


「アル様、ご武運を!」


クリスもリーゼも相手が強敵なことを察したのだろう。俺を激励する。


「ほう、良く見れば見目良い女を連れておるな。どうだ、その女を差し出せばお前だけは見逃してやろう」


フフフっとほくそ笑む騎士。腹が立つ男だ。丁寧に断ろう。


「魅力的な提案だな。だが……断る」


次の瞬間、俺は抜剣して、騎士へ一撃を加えた。


しかし。


キン


涼やかな音と共に、俺の剣は折れてしまった。俺の一撃をなんと、この男は受けた。


そして。


「冒険者にしておくには惜しい腕だ。だが、道具は相応のものを持ったほうが良いな」


「忠告ありがとう。帰ったらその通りにするよ。だが……俺は召喚士なんだ。残念だったな」


俺は無詠唱でスライム召喚の魔法を唱え終わっていた。こいつらが俺を侮ってくれたおかげで、心の中で呪文を詠唱する無詠唱魔法で、魔法陣を描き終わっていた。


「サモン・スライム」


青い魔法陣が俺の後ろで輝いている筈だ。青い光が目に入る。


「な、なに!?」

「「我らも加勢する!!」」


他の騎士も抜剣して、こちらに向かってくる。


だが、もう遅い。


「やれ、スライム!」

「ぴぃぃぃぃぃぃぃ」


「「「うおおおおおおおっ!!」」」


スライムが可愛い声を上げると共に、騎士達の悲鳴が上がる。


ドコ、ボコボコボコ、ガツン、ガツン、ガリガリガリ。


様々な異音を発して、騎士達は10秒後、誰も動かなくなっていた。


「そ、そんな……」


「馬鹿なっ……」


「無念……」


スライム無双で、騎士達は蹂躙された。


そして、天の声が聞こえた。


戦闘の勝利より、スライムのレベルが上がりました。


スキル【義人】が解放されました。


スキル【鑑定】を入手しました。


マスターへのスキル付与がなされます。


スキル【義人】が付与されました。


スキル【鑑定】が付与されました。


「は?」


俺は思わず間抜けな声を上げてしまった。


スライムが美少女に姿を変えてしまったのだが。

連載のモチベーションにつながるので、面白いと思って頂いたら、作品のページの下の方の☆の評価をお願いいたします。ぺこり (__)

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支援職、最強になる~パーティを追放された俺、微妙なハズレスキルと異世界図書館を組み合わせたらえらいことになった。は? 今更戻って来い? 何言ってんだこいつ?~
― 新着の感想 ―
[一言] アイデアは悪くないと思うが、誤字脱字が目立つのが少々残念。 頑張ってください。
[一言] そういえば、騎士からは能力手に入れたのかな
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