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第5話 冒険者になってみた!

 ここも違うか―――

 俺はため息をつきながら次の目的地へ向かう。何処へ向かっているかって?わからん。俺は今、ギルドを探してそれっぽい建物を見てまわってるんだが全然見つからないんだよな。

 次の建物が違うなら人に聞いてみるしかないか。そんなことを思いながら歩いていると目的地についた。だが―――違う。

 いったいどこにあるんだ。俺はギルドの場所を人に聞こうと大通りに出ようと振り返った時だった。ん?振り返る時の光景に違和感を感じる俺。

 今、何か………だがもう一度見てみても何もない。気のせいだろうと思い込み、俺はギルド探しを再開する。その時の俺は気づかなかった。ヤミが、俺が違和感を感じたそれ(・・)をじっと見つめていることに―――


 *


 あれは何だろうか。幼い漆黒の狼は考える。なぜ隠れているのか。しかし、まだ幼い彼にはわからない。どれだけ考えても答えが見つからない。

 そして、しばらく見ていたが、すぐに飽きたようで、くるりと振り返り主人の背中を追いかけた―――


 *


 やっと見つけたぜ、ちくしょう。結局あのあと人に聞いて位置がわかったのだが、まさかこんなところにあるとはな。

 俺がいるのは暗い路地裏。その奥に少し大きめの建物がある。怪しい居酒屋のような雰囲気だ。どうやらこれがギルドらしい。気づかないわけだ。どういうわけか、ここはスキルが一切使えないようになっている。きっと犯罪防止とかなんだろうが……まさかレベルMAXのスキルすら使えないとはなぁ。おかげで『エコーマッピング』じゃ見つけられなかった。

 ま、別に争う気はないし、ここまでの道は覚えたからいいけどさ。さて、とにかく入ろう……そういえば、ここってペットを入れてもいいのか?まぁ、入ればわかるかな。

 俺は少し錆びてるドアを押し、ギルドに入る。すると突然、大声が聞こえてきた。どうやら防音かなんかをしているみたいだな。ギルドの中は昼間だというのに人で溢れていた。種族も色々いて、ぱっと見でも、人、エルフ、ドワーフ、獣人、羽の生えた人、などが見えた。

 ここがギルドか。想像通り、中は酒場のようになっており、酒を飲んだり飯を食ったりしてる人が見られる。また、奥ではパーティーを募集している者やクエストを選んでいる者、職員からクエストの報酬を受け取っている者が見られた。それと、ペットが入ってもいいみたいだ。さて、俺は奥のカウンターまで移動し、


「すまない。冒険者登録をしたいんだが、どこでやればいいんだ?」


 とギルドの女職員に聞く。その職員は、


「はい。登録なら、あちらのカウンターで受け付けております」


 と右端のカウンターを指しそういった。なるほど、あっちだったか。俺は、


「ありがとう。助かった」


 と、お礼をし、右端のカウンターへ移動する。右端の登録用のカウンターは3列分あり、そのさらに右端にはなぜか行列ができていた。何故だろうと不思議に思った俺は、そのカウンターを見てみた。

 そして、なるほど。と俺は納得した。なぜならそのカウンターにとびっきりの美人がいたからだ。金髪でロングヘアー、顔は上の上という美人、スタイルも抜群で大きな胸に、腰はスラッとしていた。

 だから俺はその隣の空いている方を―空いてるというより一人も並んではいないが―選び登録を始める。もちろん、並びたくないからだ。だが、こちらの職員もなかなか綺麗な顔をしている。隣の美人のせいで影が薄れているようだが、それでも十分美人だと思うね。

 ま、とりあえず登録しようか。俺はこの職員に冒険者の登録をお願いした。登録はすぐに終わった。俺は、紙に名前と職業とレベルを書き、ある魔道具に手をかざす。その、魔道具はどうやら手をおいた相手のステータスを読み取るらしい。スキルが使えないこのギルドじゃ抵抗(レジスト)もできないから、できる装置なんだろうな。

 そして、その写ったステータスと俺が書いた書類の情報を合わせ、確かめ、カードを作り終わりだった。なるほど、最初に書いた書類は偽装防止のためか。カードは簡単に名前と顔写真、あとランクについて書いてあるだけだった。

 ギルドは世界共通で冒険者にランクをつけているらしい。低ければ低いほど受けられるクエストが少なく、高ければ高いほど難易度の高いクエストに受けられる。ランクはEランクが一番低くなっており、そこからDランク、Cランク、Bランク、Aランクと続き、その上にはSランク、そのさらに上にSSランクがあるらしい。

 ちなみに俺のランクはSSランクだ。俺のステータスとスキルを見て目を見開いていた職員の顔は今でも忘れられない。まぁ、当たり前だがな。幸いこのことは他言無用にしてくれたので周りの冒険者や職員には騒がれてないが、職員が言うにはギルドマスターに呼ばれる可能性があるとか。ま、呼ばれたら呼ばれた時考えるさ。

 顔写真はいつ撮られたかはわからないが、まぁ、いいだろう。というか、こんなファンタジーな世界に写真とかあったんだな。おそらく魔道具なんだろうけど。

 そんなこんなで、登録が終わり、カードを大事に『錬金術』で今作った財布にしまい、それを同じく『錬金術』で作ったカバンにしまった。さてさて、クエストでも受けるかな。今の俺なら相当強い敵でも余裕だろう。それこそ、ドラゴンでも。そんなことを考えながら俺はクエスト受付へ向かった。

次の投稿は明後日(9日)になります。

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