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気がついた事実は残酷

ありえないありえない。



私は西条院(サイジョウイン) (アカネ)と申します。

名前でお気づきでしょうが私の家はお金持ちです。


今日は桜ヶ丘大学付属の中等部の入学式。

私は幼稚舎からの持ち上がりで無理に試験勉強を

することもなく無事に中等部に進む組です。




幼い頃から私には不思議な面がありました。



それは、茜としての記憶だけでなく。

茜となる前の…いわゆる前世の記憶というものがあったこと。




前世での自分の名前は残念ですが思い出せません。


しかし、30歳まで生きていながら結婚おろか

彼氏もおらず、仕事だけに没頭する暗い女だったのはわかりました。


死に際も、重要書類が詰まったカバンを誤って

川に落としそれを追いかけて飛び込み意外にも浅かった

川の岩に頭を激突させた…という記憶があります。



何故飛び込んだんでしょうか。

冷静に、橋の下まで降りれば良かったのに。

なんせそんなに流れが早い川でもありませんでした。

普通にゆっくり歩いても余裕でカバンを拾えました。

しかもカバンは防水加工バッチリです。



余りにも突然だったので取り乱したのでしょう。

それにしても情けない結末です。




こんな前世の記憶があったことも理由となり

私は幼い頃から勉強に人一倍励みました。


花嫁修行といたしましてお料理やお裁縫。

あらゆる技術も備えました。



勉学に家事の技術。そう。私はお金持ち。

財力のある殿方といずれ結婚させて頂ける身分。

その時に立派な妻として能力を持っているのは素晴らしいこと。


私ができる子であればあるほど。

見初めてくださる殿方も素敵な方に違いありません。



そんな希望を胸に抱き私は世間から評判になる

素敵な女性になろうと奮闘をさせて頂きました。

その甲斐あって私は思い描いた通りのお嬢さまになりました。

お恥ずかしながら婚約を結ぼうと言ってくださる

相手もチラホラと出てきております。



あぁ、現実逃避もここまでですね。

私はとんでもない事実に気がついてしまったのです。



この世界が、前世で私が好んでいた…乙女ゲームだということに。




入学式で新入生代表として式辞を読むことになった

方を見て、あまりの情報量と記憶が頭に飛び込んできたので

私は不覚にも入学式の途中に倒れてしまいました。




これから私はどうなってしまうのでしょうか…!!




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