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Answer  作者: レッドキサラギ
第序話
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 僕の職業は、いわゆるところの探偵というものだ。

 探偵と言われれば、よく殺人事件の捜査をしたり、密室トリックを解決したり、その他諸々、物によっては格闘や派手な銃撃戦まで行うものもある。

 だが、実際のところ、こんな僕も働き始めて二ヶ月は経ったのだが、僕の元に舞い込んでくる事件にそんなものを臭わせるようなものは皆無であり、例えば夫や妻の浮気調査をしてみたり、例えばストーカー被害の調査を行ったり、例えば盗聴器の除去を行ってみたりと、そんな現実染みた依頼が多く舞い込んでくる。

 理想と現実。

 その差は、言わずともあからさまだ。

 殺人事件や窃盗事件を解決するのは、僕の仕事ではない。そんなものは警察にでも任せておくのが得策だ。

 僕の手掛ける事件は、個人と個人の問題。

 刑事的ではなく、どちらかというと、民事的。

 個人情報を取り扱い、個人情報を提供する仕事。

 それが、探偵の果たす主な業務内容。

 法律上、ギリギリ路線の仕事だって僕はやりこなしてみせる……つもりだ。場合によっては、訴えられて裁判に掛けられるリスクだって背負っている。

 それでも、それが依頼人との契約である限り、探偵は仕事を全うする義務がある。

 それが、依頼人の役に立つのであれば。

 人は、試行錯誤を繰り返して成長を果たしていくものだと以前何処かで聞いた事がある。

 それは、人が人間である限り必ず。

 その中では、解決出来るものもあれば、それが不可能なものだって当然出現してくる。

 一人では解決出来ない事。それはいずれ悩みとなり、苦しみへとその形を変えていく。

 半人前の僕が言うのもなんではあるが、そんな苦しんでいる人達を救うために、探偵という職業は存在しているのだと僕は自負している。

 少し前まで、僕だって苦しんでいる人間の一人だったのだから。

 以前の僕のように、悩み苦しんでいる人達は大勢といる。また、その悩みというのも人によって異なってくる。

 その全てを解決出来ると言えるほど、僕には自信も経験も無いし、自惚れてなどいないけど、解決の一つのキッカケになりたいと僕は思っている。

 それこそが、僕の考えている探偵の真髄であり、探偵のビジネスポイントであると思っているからだ。

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