五話
日和の疑問に応えるようにますます光りは眩さを増し、次第に轟々とざわめく渦となり、暴力的なまでの光の粒子に抗いきれずするりと飲み込まれ、そのまま二人ともどこか――つまり別世界――へ転移させられていた。
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はっと意識を取り戻すと、二人は一段高くなったところで、直径三メートルはありそうな血で描かれた魔法陣のようなものの中央に座りこんでいた。魔術の道具であるらしき、薄汚れた小壜や鏡の欠片に白いオールドローズ、動物のものらしき髑髏の眼窩は洞穴のように暗くこちらを睨んでおり、絞められて事切れた鳩それに古びた銀貨など、いかにもそれらしいアイテムが何らかの法則に従って配置されている。従って、どう楽観的に見ても怪しげな儀式を行っていたとしか思えず、不気味である。
彼女たちから少し離れたところでは、刺繍の鳥の嘴部分にきらきらとした石を一つ縫い取った腕章を付け、純白の法衣を着こんだ幾人もの神官たちがぐるりと取り囲むようにして頭を垂れ、跪いている。日和は有名なファンタジー映画で見たことのある、いわゆる黒魔術を連想させるその異様な雰囲気と、彼らが俯いているためよく見えるその髪の毛――赤毛や茶髪はともかく、緑やピンク色してるとかあり得ない!――に怯え、呆然として隣にへたりこんでいる姉の腕をぎゅっと掴んだ。




