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その五
結果、呼び出されたのは一頭の蝶と一匹の猫だということが判明した。
執事から手渡された、使いの者に託されたという見事な装飾のバスケットに入れられている、黒いぬくぬくした物体、と鼻先に止まった見事な揚羽。なあご、と不思議そうに鳴き、まあるい黄金の瞳でこちらを見上げてきて、つやつやした毛皮は綾子とおそろいの黒で、先端だけ白い長いしっぽがゆらゆらしていて可愛い。どこからどう見ても立派な猫と、翅の模様がくっきりして美しい揚羽蝶だ。
「……」
「……猫ですよね、これ」
「……うん、奴が送りつけてきたってことはこれが呼び出されたの、だと思う。
でもとりあえず異界の者だし。ほら、ヒト呼んじゃうと戻せないことで問題が生じるかも知れないし、蝶はまあおまけって感じだけど猫が呼べてよかったというか、猫であったことにむしろ運命感じるっていうか」
「でも立会人って普通ヒトですよね。セトさまが主張されるように、神々の決まりってのがあるんでしょうし、これじゃ結婚できませんよねえ。残念ですけど」




