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十七話
「二人のうちどちらが女神なのか、見分けた者だけに幸福が約束されると云われている。
だが歴代の王子は濁った魂の者ばかり選ぶ……。なんと見る目のない」
そうして見慣れた砂糖菓子のような微笑を浮かべ、日和をぎゅうと抱きしめた。
「そう思わないか? ヒヨリ。実際、あれは面の皮一枚であの女を選んだ」
「どうし、て……まるであの時そばにいたみたいに」
「さてね。しかし選ばれなかった異邦の女神を何人も見てきた。
打ち捨てられ、病にさせられ、他国に売られ、斬首され……どいつも苦しみながら死んでいった。
そのたび俺は顔を見せ、美しい者なら持って帰ろうとしたが、気が乗らなくてね。
だって縋りついて、助けて、としか言わない奴なんて退屈だろう?」
ゲブは可愛くて可愛くてたまらない、と言いたげに、日和へ蝋のように滑らかな頬をすりよせ、病で痩せてしまった肩へ顔を埋めた。




