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十三話
「……ああ、そうしよう」
「え」
「さあ、行くよ」
そう〈ブルゥ・サーペント〉は言うなり、ひっそりと口端を上げて頬笑み、コツ、コツンと規則性のない奇妙なリズムで日和の足首に嵌められている枷に指で触れ、ふっと息を吹きかけた途端、急激な変化が生じた。どんなに引っ張っても傷一つ付かなかった鉄枷が真っ黒に酸化してしまいぼろぼろと崩れ落ちたのだ。
「えっこれって外れないはずじゃ……」
つけたものしか分からない呪文を唱えなければ絶対に外れないよう調整されている魔法具だと、牢内ですることもなくボンヤリしていた時で看守に笑いながら説明された、強固であるはずの拘束具をあっさり外された。おかげでずっと引きずるしかなかった足が少し楽になり、一瞬外せるのならもっと早くにしてくれたら……と日和は愕然としたが、とっさにありがとう、と小さくこぼした。
「礼なら俺の口を」
言葉を空気に紡ぐと同時に、無邪気そうに青蛇は座っている日和がキスしやすいよう身をかがめ、ついでのようにその細い腰に腕を回してぎゅうと抱きしめた。
すいません、ばたばたしていたので更新忘れてました(汗)。




