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十一話
その上、万が一にも逃げ出して女神さまを病気にすることがないようにと、気を失っていた間に足首には鉄球の付いた枷が嵌められており、間違ってこの世界へ呼び出された自分をこうして閉じ込めるだけで、介抱してはくれないことを知った。
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「わたし、きっともうすぐ死んじゃうよね」
日和は優しげに見つめてくるゲブを見て、囁いた。
「薬ぜんぜん効いてないし、むしろ悪化してきてる気がするの。
ねえ、ゲブ……あなたもそう思うでしょう?」
ゲブは微笑むと、長い腕を伸ばし日和をそっと抱き締め、細い首筋に口づけを落とし、ちゅうと吸いついた。日和は振り払おうとするが、今度はしっかりと離さず、何度も吸いつき、赤い花を咲かせる。
「感染るとあなたも死んじゃう……、もう近付かないでってば」
するとずっと黙り込んでいた青蛇はすうっと雪を連想させる目を細め、「死にたいのか?」と氷砂糖のような唇を動かした。




