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一話

静寂。

風のない暗闇の中からくるりと身を翻すと、来訪者は慣れたように日和ひよりにべったりとくっついた。

青白い金属のような光沢がある髪は長く、頬は高級なアンティークドールそのものの透明感を持ち、髪と同色の長い睫が青水晶の瞳をぐるりと囲む。

大柄ですらりとした痩身はふんだんに銀の装飾をまとわせた白い外套を着こんでおり、身動きするたびちらりと見える尖った耳には二匹の蛇が絡みつく銀細工が優雅だ。

悪魔的な美貌で彼が微笑んで首筋に口づけ、無邪気な仔猫のようにごろごろと懐いてくる心地よさに日和は流されそうになりながらも、いつものように力なく引き離した。


「触っちゃだめだよ」


日和は掠れる声で呟くと、辛そうにごほごほと咳きこんだ。

この地下牢に囚われて以降、看守の気が向いた時にしか薬や食料が与えられず、まともな食事を摂れていないため、いつの間にかすっかり痩せてしまっている。罪びとの着るような薄い衣――以前いた世界の病院でよく見かけた入院服に似ている――からは腕や足が剥き出しになっており痛々しい。また青黒い痣のようなものが皮膚の内側からいくつも浮かび上がり、痣そのものが生きているかのように時々ビクリと脈打つのが何とも不気味だ。


「病気が感染うつっちゃうから、もう来ないでって言ったのに」


日和はそう言い、宝石のように光る彼の瞳から目を背けると、またじっとうずくまった。

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