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第五話「獣人少女ルナと『黒狼』討伐依頼」

第五話「獣人少女ルナと『黒狼』討伐依頼」


ルナと名乗る獣人少女は、驚くほどの情報通だった。

「へぇ~、おじさんたち、今日来たばっかりなんだ!ギルドでちょっと有名になってたぜ?とんでもない魔力量の新人冒険者が現れたって!」 ルナは屈託のない笑顔で、健一に色々と話しかけてきた。

どうやら隣の部屋を使っているらしい。

「はは、そんなに広まってるのか」 健一は苦笑した。

このチート能力は隠し通すのが難しいな、と改めて思った。

「おじさんは、何の依頼を受けるつもりなんだい?」 ルナの問いに、健一はエメラルドの森の魔物について尋ねた。

「エメラルドの森の『黒狼』かー。

あれは厄介だぜ?私ら獣人でも、ちょっと警戒するような魔物だ。

群れで行動するし、動きも速い」 ルナは腕を組み、真剣な表情になった。

「ルナもその依頼に興味があるのか?」 フィーナが尋ねると、ルナは大きく頷いた。

「おう!うちの族長が、最近森の奥から不穏な気配がするってんで、調べてきてくれって言ってたんだ。

でも、一人じゃちょっと危険かなと思ってたんだよなー」 ルナはちらりと健一を見た。

その瞳には、健一の力を試すような、あるいは期待するような光が宿っていた。

「もしよかったら、あんたも一緒にどうだい?私ら獣人は森に詳しいから、案内役にはなれるぜ!」 ルナからの提案。

健一にとっては願ってもない話だった。

森に詳しい案内役がいるのは心強い。

そして、このルナという獣人少女の実力も見てみたかった。

「いいだろう。

おじさんでよければ、力を貸そう」 健一が快諾すると、ルナは満面の笑みを浮かべた。

「やったぜ!じゃあ、明日の朝、ギルドで合流ってことで!」 ルナはそう言って、元気いっぱいに自分の部屋へと戻っていった。


翌朝、健一とフィーナは冒険者ギルドへと向かった。

ギルドの掲示板には、いくつかの依頼が張り出されている。

その中から、健一は「エメラルドの森、魔物討伐依頼(特に黒狼の群れの情報求む)」という張り紙を見つけた。

「これだな」 健一が依頼書を取ろうとすると、後ろから声をかけられた。

「おい、そこの新人!この依頼は、お前らにはまだ早いぜ」 振り返ると、そこに立っていたのは、いかにもベテランといった雰囲気の冒険者パーティーだった。

リーダーらしき筋骨隆々の戦士が、健一たちを威圧するような視線を送ってくる。

「これは俺たちが先に目を付けてた依頼だ。

諦めて他のを探しな」 「いや、これは誰でも受けられる依頼でしょう。

先に取った者が優先されるのが、ギルドのルールでは?」 健一が冷静に反論すると、戦士は顔をしかめた。

「生意気な口を利くじゃねぇか。

自分たちがどれだけ強いか、分かってんのか?この『炎の牙』は、Bランク冒険者パーティーだぞ!」 その時、別の声が響いた。

「何だ、何だ?朝っぱらから揉め事か?」 声の主は、ルナだった。

彼女は健一たちの元へと駆け寄ってきた。

「あ、ルナ。

こいつらが、俺たちの依頼に横槍入れようとしてんだ」 戦士がルナに説明する。

ルナは健一と戦士を交互に見て、ふん、と鼻を鳴らした。

「あんたら、『炎の牙』って言ったかい?Bランクだか何だか知らねぇけど、私がおじさんと組むって話になってんだ。

邪魔するんなら、相手になるぜ?」 ルナが両拳を構える。

その動きは俊敏で、野生の獣のような迫力があった。

「なっ……獣人の小娘が、何を……!」 戦士が怯んだ隙に、健一は素早く依頼書を手に取り、受付へと持っていった。

「この依頼を受けます」 受付嬢は昨日の健一の魔力量を覚えていたのか、笑顔で対応してくれた。

「はい、承知いたしました。

佐藤健一様ですね。

ルナさんもご一緒でよろしいでしょうか?」 「おう!」 ルナが元気よく返事をした。

『炎の牙』のメンバーは、悔しそうに歯ぎしりをするしかなかった。

「くそっ、覚えてろよ新人!」 捨て台詞を吐き、彼らは去っていった。

「ハハ、助かったよ、ルナ」 「いいってことよ!弱いやつが調子に乗ってんの、ムカつくんだよな!」 ルナはそう言って、健一に親指を立てた。

これで、最初の本格的な依頼が決まった。

エメラルドの森、そして『黒狼』。

新たな冒険の始まりだ。


読んで下さりありがとうございました!

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Youtubeにて作品公開中!

再生リスト : https://www.youtube.com/playlist?list=PLmiEOdmheYJxhNyR4Frew0S0BXZP3KUUd


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