第四十一話 多次元宇宙への旅立ちと、最初の邂逅
第四十一話 多次元宇宙への旅立ちと、最初の邂逅
健一と、神の叡智を持つ八人のハーレムメンバーは、ロゼッタ王国からの惜しみない祝福を受け、古代遺跡で手に入れた時空の鍵を手に、広大な多次元宇宙への扉の前に立っていた。
彼らは、もはやこの世界に留まる必要はなかった。
健一の【無限成長】は、新たな次元、新たな脅威、新たな知識を渇望しており、その成長をサポートするハーレムメンバーもまた、未知なる世界への探求心に胸を躍らせていた。
「みんな、準備はいいか?この扉の向こうは、俺たちが知る常識が通用しない、無限の可能性に満ちた世界だ。
俺たちの旅は、これからが本番だ」健一は、時空の鍵を次元の扉へと差し込みながら、力強く告げた。
彼の言葉に、一人も迷う者はいなかった。
フィーナは、聖女の光を全身に纏い、健一の無事を祈る。
ルナは、拳を叩き、新たな次元の強敵との戦いを予感して興奮していた。
セレナは、異次元の魔術構造を解析する準備を整え、アリアは、即座の空間制御に備えた。
リルムは、武器の最終調整を行い、セレスは、騎士としての冷静な守護の姿勢を崩さなかった。
ステラとリリアは、健一の魔力の流れを最適化し、次元移動の安定を確保する最後の砦だった。
時空の鍵が次元の扉に触れると、強烈な虚空の光が放たれ、健一とハーレムメンバーの身体を包み込んだ。
次の瞬間、彼らが立っていた古代遺跡の空間は、無数の光の渦巻く、カオスな次元の狭間へと変貌した。
健一の【次元移動:無制限】スキルは、時空の鍵の力を借り、この次元の狭間を、あたかも高速道路のように、自在に制御していた。
数秒間の次元移動を経て、彼らは、新たな世界の空へと放り出された。
彼らが降り立った世界は、ロゼッタ王国や、魔王がいた異世界とは全く異なっていた。
空は、琥珀色に輝き、大地には、巨大な結晶状の植物が林立していた。
その世界の魔力は、「時空」の要素を強く含んでおり、健一の神の叡智をもってしても、その法則を瞬時に全て理解することはできなかった。
「ここは…『時空結晶世界』か…」セレナが、この世界の魔力構造を瞬時に解析し、驚きの声を上げた。
「魔力に、時間の流れを歪ませる要素が含まれています!この世界の生物は、時間操作の能力を持つ可能性があります!」アリアもまた、この世界の空間構造の複雑さに、警戒心を露わにした。
健一は、馬車を虚空の力で即座に作り出し、全員を乗せて、まずこの世界の情報を集めることを優先した。
彼らは、巨大な結晶の森を抜け、文明の痕跡を探した。
すぐに、彼らは、巨大な城塞都市を発見した。
その都市は、琥珀色の結晶でできており、その上空には、無数の浮遊する宮殿が浮かんでいた。
健一は、【時空間跳躍】で、自身の魔力を隠蔽しながら、都市の郊外に降り立った。
都市へと足を踏み入れた健一たちは、この世界の住人たちが、白銀の髪と琥珀色の瞳を持ち、時間を遅らせる結界を常に纏っていることを確認した。
彼らは、非常に高度な文明を持ち、魔力と科学技術が融合した、「時空技術」を駆使しているようだった。
健一は、この世界の言語を、【神の叡智】によって瞬時に理解し、情報収集を開始した。
この世界は、「クロノス皇国」と呼ばれ、「時空の支配者」を名乗る皇帝によって統治されていた。
そして、この皇国は、「多次元宇宙の時空秩序を守る」という名目のもと、他の次元世界に強力な干渉を行っているという、支配的な勢力であることが判明した。
健一たちが都市を探索していると、突然、都市の上空で、強烈な空間の歪みが発生した。
その歪みから、全身を黒い鎧で覆った、異形の部隊が出現した。
彼らは、魔王軍とは異なる、「虚無の力」と酷似した魔力を持っており、その数は、数百にも及んだ。
「奴らは…『虚空の侵略者』!クロノス皇国が、最も恐れている、異次元からの脅威です!」セレナが、古代の文献の知識と、この世界の情報を照らし合わせ、その正体を看破した。
虚空の侵略者は、都市目掛けて攻撃を開始した。
その攻撃は、都市の時間制御結界を容易に貫通し、都市の構造物を存在の根源から消滅させていった。
「健一様!これは、私たちがいた世界を脅かした魔王の力と、虚空の力が混ざったような、非常に厄介な敵です!」「まさか、次元を移動した途端、こんな大規模な戦いに巻き込まれるとはな。
だが、この世界の平和を乱す敵は見過ごせない」健一は、虚空斬滅剣を構え、即座に戦闘態勢に入った。
彼の全能の力は、この新たな脅威を前に、さらに覚醒しようとしていた。
健一の指示のもと、ハーレムメンバーも戦闘を開始した。
ルナとセレスは、都市の住人を守るため、最前線に躍り出る。
ルナの【剛力解放・極】は、虚空の侵略者の鎧を粉砕し、セレスの剣技は、その動きを完全に封じた。
フィーナとリルムは、後方から、侵略者の指揮系統と魔力中枢を正確に狙い撃ち、その連携を断ち切った。
アリアは、【多次元空間制御】で、侵略者の出現ポイントの空間を歪ませ、増援を阻止した。
セレナ、リリア、ステラは、健一の周囲で、魔力の増幅と結界の展開に全力を尽くした。
健一は、虚空斬滅剣を振るい、虚空の侵略者の群れへと突っ込んだ。
彼の剣は、侵略者の虚無の力を、世界の境界制御によって完全に中和し、彼らの存在そのものを消滅させていった。
健一の力は、もはや単なる最強ではなく、世界の構造に干渉する、絶対的な破壊と秩序の力だった。
数分間の激戦の末、数百体の虚空の侵略者は、健一の【虚空の終焉・究極】によって、跡形もなく消滅した。
健一たちの圧倒的な力に、クロノス皇国の兵士たちは、驚愕と畏敬の念を抱いていた。
彼らは、健一たちを、「時空の支配者」である皇帝をも凌駕する、「異次元の神々」と見なした。
この戦いの後、健一は、クロノス皇国の皇帝に謁見することになった。
皇帝は、全身を金色の鎧で覆った、威厳のある人物だったが、その瞳には、健一の力に対する深い警戒心が窺えた。
皇帝は、健一に深々と頭を下げ、世界の危機を救ったことに感謝を述べた。
「異次元からの英雄よ。
貴方方の力は、我々の想像を絶する。
我らが恐れる虚空の侵略者を、一瞬で打ち払うとは…貴方方は、一体何者なのですか?」皇帝は、慎重に健一の正体を探ろうとした。
健一は、自身の目的を偽ることなく伝えた。
「俺たちは、多次元宇宙の平和を目指す者だ。
俺たちの世界を脅かした魔王を倒し、世界の構造を再構築して、この次元へと来た。
虚空の侵略者が、この世界を脅かすのなら、俺たちがそれを排除する」健一の言葉は、世界の救世主としての絶対的な自信に満ちていた。
皇帝は、健一の言葉に、安堵と同時に、新たな恐怖を感じていた。
健一の力が、自国の時空支配の脅威となり得ると直感したからだ。
皇帝は、健一に、「時空の秩序」を乱す可能性のある行為を控えるよう要求したが、健一はそれを断固として拒否した。
「俺たちの旅は、誰の許可も必要としない。
俺たちが信じる平和と秩序のために、俺たちの力を使う」
健一と皇帝の交渉は、緊張感を伴いながら進行した。
皇帝は、健一の力を利用し、虚空の侵略者の根源を断とうと提案してきた。
健一は、この世界の情報を得るため、そして、虚空の侵略者の根源を断つことが、自身の多次元宇宙の平和という目標に繋がるため、皇帝の提案を受け入れた。
しかし、健一は、クロノス皇国の支配的な思想には、深い疑念を抱いていた。
皇帝との交渉を終えた後、健一たちは、都市の片隅で、一人の少女と出会った。
彼女は、クロノス皇国の追手から逃れているようで、その身体には、時空を歪ませる、特殊な魔力が宿っていた。
少女は、健一たちを見るや否や、警戒心を露わにしたが、健一の優しさと、圧倒的な力の片鱗を見て、助けを求めた。
「あ、あなたたちは…!お願い…私を、クロノス皇国の時空騎士団から守ってください!私は、皇帝の時空支配の野望を阻止するために、真の時空の力を求める、抵抗者です!」
少女の言葉に、健一は、クロノス皇国の支配が、この世界に深い影を落としていることを確信した。
健一は、少女を保護し、彼女から、クロノス皇国の支配の真実と、虚空の侵略者の根源、そして、この世界の真の創造主の遺産に関する情報を得ることにした。
少女の名は、クロノア。
彼女は、クロノス皇国の時空技術の秘匿された真実を知る、唯一の生き残りだった。
クロノアの協力により、健一は、虚空の侵略者の根源が、クロノス皇国が時空を支配するために利用している「時空の核」の暴走によって引き起こされていることを知った。
そして、その時空の核を制御する真の遺産が、皇帝の座する浮遊宮殿の最深部に隠されていることも知った。
皇帝は、虚空の侵略者との戦いを利用し、時空の核の暴走を隠蔽していたのだ。
健一の使命は、虚空の侵略者を排除することから、クロノス皇国の支配を終わらせ、時空の核を安定させ、この世界を真の平和へと導くことに変わった。
健一は、新たな敵、クロノス皇国の時空騎士団との戦い、そして、時空の支配者である皇帝との究極の対決へと、その一歩を踏み出した。
健一の多次元宇宙での最初の戦いは、この世界の支配と抵抗の構図を打ち破り、真の秩序をもたらすための、壮大な試練となるのだった。
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