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第三十一話 東への長い道と、古城の伝承

第三十一話 東への長い道と、古城の伝承


魔王の先鋒隊を壊滅させ、一時の安寧を取り戻した健一と無双の老兵団は、新たな目的地である大陸東部の魔王の古城を目指し、長い旅へと出発した。

大陸を横断する旅は過酷だったが、健一たちは、常に次の脅威に備え、緊張感を保っていた。


健一の馬車隊は、大陸の主要な交易路から外れた、人里離れた道を選んで進んでいた。

蒼き月の商隊の残党や、魔王の新たな先鋒隊との接触を避けるためだ。




旅の道中の交流と訓練


旅の道中、健一は、新たな仲間となったステラとの交流を深めていた。

ステラは、健一のハーレムメンバーたちとも打ち解け、それぞれの能力や知識を学び始めていた。


「ステラ王女の星の力は、わたくしの空間魔術と組み合わせることで、防御結界の展開速度と強度を、飛躍的に高めることができるわ。

とても貴重な才能よ」

アリアは、ステラの能力の可能性に、知的な好奇心を刺激されていた。

アリアは、ステラに古代の結界術に関する知識を教え、その才能を伸ばす手助けをしていた。


「ステラは、遠距離からの魔力感知に優れている。

私やフィーナの偵察能力と組み合わせれば、敵の奇襲を完全に防げるようになるぜ!」

ルナは、ステラの才能を戦闘面で評価し、フィーナと共に、彼女に敵の気配の察知方法を教えていた。


ステラは、健一のハーレムメンバーの優しさと、それぞれが持つチート級の能力に圧倒されながらも、健一の役に立ちたいという一心で、熱心に訓練に取り組んだ。


健一もまた、ステラとの交流を通じて、彼女が持つ古代の星の巫女の血が、単なる結界術だけでなく、生命力の活性化や精神浄化にも優れた効果を持つことを発見した。


「ステラの星の光は、俺の【精神汚染解除】スキルと組み合わせることで、異界の魔物によって汚染された土地や水を、浄化できるかもしれない」

健一は、ステラの能力の新たな側面に、可能性を感じていた。


セレスは、リリア王女を救い、ステラを助けた健一の優しさに触れ、彼への忠誠心をさらに強固なものにしていた。

彼女は、王族の護衛として、常に健一の馬車の傍を離れなかった。


リルムは、道中で集めた鉱物や魔物の素材を使って、健一と仲間たちの武具の手入れに余念がなかった。

リルムの鍛冶スキルは、旅の道中でも健一の装備を常に最新の状態に保っていた。




魔王の古城の伝承


長い旅の途中、健一たちは、歴史に詳しい旅の賢者と出会い、魔王の古城に関する情報を得ることができた。


その賢者によると、大陸東部に存在する**『魔王の古城』は、数千年前の『魔王戦争』**時代に、異界から現れた魔王が、この大陸を侵略するための拠点として築いた城だという。

魔王は、当時の人類の英雄によって討伐されたが、城自体は、強大な魔力によって守られ、そのまま廃墟として残っている。


「その古城の周囲には、今もなお、当時の魔王軍の残党や、異界の魔物が徘徊していると聞きます。

そして、その古城の最奥には、**魔王が残したとされる『魔王の遺産』**が眠っているという伝説もあります」

賢者は、深刻な表情でそう告げた。


「魔王の遺産……それが、蒼き月の商隊が魔王を降臨させるための、真の目的なのかもしれないな」

健一は、神託の民が古代の神の力を求めたように、蒼き月の商隊は、異界の魔王の力を求めていると確信した。


さらに、賢者は、魔王の古城には、**「蒼き月が最も強く輝く夜」**に、魔王の力が最大限に高まるという伝承があることを付け加えた。


「蒼き月の商隊が、魔王の降臨儀式を行うとすれば、それは必ず、蒼き月が満月になる夜だろう。

その夜を逃してはならない」

健一は、夜空の月の満ち欠けを計算し、魔王の古城への到着を、その満月の夜に合わせることを決意した。




接近する脅威


魔王の古城への旅を続ける健一たちの前に、新たな脅威が立ちはだかった。


ある日の夕方。

健一たちは、深い森の中を進んでいたが、健一とステラの魔力感知スキルが、森の奥から、冷たく禍々しい魔力の集団が接近しているのを捉えた。


「お兄さん!森の奥から、黒い影が……!蒼き月の商隊の残党よ!」

ステラが、恐怖に顔を歪ませながら、健一の腕に抱きついた。


「ああ。

奴らも、俺たちが古城に向かっていることに気づいたか」

健一は、無双剣 虚無を構え、仲間たちに指示を出した。


「ルナ、フィーナ!奴らを迎え撃て!アリア、セレナ、ステラは、後方で援護結界を張れ!リルム、セレスは、馬車を守れ!」

健一の指示と同時に、森の奥から、黒いローブをまとった十数名の集団が姿を現した。

彼らは、蒼き月の商隊の残党であり、手に闇の魔力を纏った武器を持っていた。


「見つけたぞ!魔王様の計画を邪魔した裏切り者め!貴様らをここで始末し、魔王様への手土産とする!」

残党のリーダー格の男が、憎悪の声を上げた。


「無駄だ。

お前たちの魔王も、お前たちも、この大陸には不要だ」

健一は、無双剣 虚無を一閃する。

虚空属性の斬撃が、残党の集団へと襲いかかった。


ルナは、素早い体術で敵の攻撃を避け、フィーナの聖なる矢が、敵の動きを封じる。

アリア、セレナ、ステラの三人娘の複合結界が、健一たちを敵の魔術攻撃から守った。

ステラの星の光は、結界の強度を飛躍的に高めていた。


健一は、圧倒的な力で残党を打ち倒していく。

彼の剣は、残党たちの闇の魔力を吸収し、その存在を消し去っていく。


しかし、残党のリーダー格の男は、健一の攻撃を避け、森の奥へと逃げようとした。


「逃がすか!」

健一は、**【スキル 時空間跳躍】**で男の前に回り込み、彼の身体に剣を突き立てた。


「ぐっ……!馬鹿な……こんな……」

男は、断末魔の叫びと共に、光の粒子となって消滅した。



蒼き月の商隊の残党を完全に一掃した健一たちは、さらに警戒を強め、旅を続けた。

彼らは、魔王の古城に近づくにつれて、敵の抵抗がさらに激しくなることを予期していた。


数日後。

健一たちは、遠方にそびえ立つ、巨大な古城の影を見た。

それは、闇の魔力を纏い、不気味な雰囲気を放つ、魔王の古城だった。


「あれが……魔王の古城……」

ステラは、その城の禍々しい魔力に、思わず声を漏らした。


「ああ。

俺たちの最後の戦いの舞台だ」

健一は、無双剣 虚無を強く握りしめた。


健一の魔力感知スキルは、古城全体が、強大な魔力によって守られていることを捉えていた。

そして、夜空を見上げると、蒼き月が、まもなく満月になろうとしているのが見えた。


「時間が無いな。

蒼き月が満月になる前に、あの城に潜入し、魔王の遺産と、降臨儀式を阻止する」

健一は、仲間たちにそう告げた。


健一と無双の老兵団、そしてステラは、世界の平和を賭けた、魔王の古城での最終決戦へと、足を踏み入れるのだった。


読んで下さりありがとうございました!

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Youtubeにて作品公開中!

再生リスト : https://www.youtube.com/playlist?list=PLmiEOdmheYJxhNyR4Frew0S0BXZP3KUUd


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