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第三話「初めての街とギルド登録」

第三話「初めての街とギルド登録」


健一とフィーナは、二日間をかけて森を抜けた。

道中、ゴブリンや野犬のような魔物に何度か襲われたが、健一の圧倒的な剣技と、フィーナの的確な弓によるサポートで、何の苦もなく退けることができた。

「すごい……。

健一様は、本当にあっという間に強くなっていきますね……」 フィーナは、健一が魔物と戦うたびに、その動きが洗練され、技が増えていくことに驚きを隠せないでいた。

彼女が長年鍛錬してようやく体得するような技術を、健一は数度の戦闘で自分のものにしてしまう。

そのたびに、健一の頭の中ではピコンピコンとスキルレベルアップの音が鳴り響いている。

【スキル『片手剣術』がレベル10に到達しました!】 【スキル『身体強化』を習得しました!】 【スキル『弓術』を習得しました!(フィーナの動きを見て)】 「ハハハ。

これも、おじさんの隠れた才能ってやつかな」 健一は適当にごまかしたが、フィーナは「すごい才能です!」と目を輝かせた。

彼女にこの世界のことを色々と教わった。

通貨の種類、一般的な魔物の情報、国や街の成り立ち、そして冒険者という存在について。

そして三日目の午後、森の木々の隙間から、石造りの街並みが見えてきた。

「あれが、人間の街、ファーランドです!」 フィーナが指差す先には、高い城壁に囲まれた、活気あふれる街の姿があった。

門番の兵士に身分を証明し、無事に街の中へと入る。

門をくぐると、途端に様々な匂いと音が健一を包み込んだ。

香辛料の香り、鍛冶屋の金槌の音、露店商人の威勢の良い声、人々の話し声。

全てが新鮮で、健一の五感を刺激する。

「すごい……」 前世の東京とは全く違う、まさに「異世界」の光景に、健一は思わず感嘆の声を漏らした。

「健一様、まずは冒険者ギルドに行きましょう。

安全を確保するためにも、身分登録は必要です」 フィーナの言葉に、健一は頷いた。

冒険者ギルドは、街の中心部に近い、大きな石造りの建物だった。

中は活気に満ち、屈強な冒険者たちが酒を飲んだり、依頼書を眺めたりしている。

健一とフィーナは、受付へと向かった。

「あら、いらっしゃい。

新規の冒険者さんかしら?」 受付には、気の良いおばさんのような女性が座っていた。

「はい、そうです。

登録をお願いしたいのですが」 健一がそう言うと、受付嬢は二枚の用紙を差し出した。

「では、こちらの用紙に必要事項を記入して、ギルドカード用の魔力測定を受けてください。

新規登録料は、銀貨一枚になります」 健一はフィーナに通貨について教わっていたので、銀貨一枚を支払い、用紙に必要事項を記入する。

フィーナも、健一の推薦という形で、共に登録を進めることになった。

魔力測定器に手をかざすと、健一の全身から溢れ出るような膨大な魔力が、測定器を眩い光で包み込んだ。

「な、なんですって!?」 受付嬢が驚きの声を上げる。

測定器の針は振り切れ、異常値を示している。

健一自身は、自分がどれほどの魔力を持っているのか全く自覚していなかった。

ただ、女神がくれた力なのだから、凄いのだろうとは漠然と考えていたが、ここまでとは。

「この数値は……!過去に例を見ないほどの魔力量です!あなた様、もしかして、伝説級の魔導士の素質が!?」 受付嬢は目を皿のようにして健一を見つめ、興奮気味に捲し立てる。

周りの冒険者たちも、異常な魔力測定の光景に気づき、ざわつき始めた。

「おいおい、なんだあれ?新人がいきなりあんな光出しやがって」 「あの光量は、まさか……Sランク冒険者以上か!?」 健一は、周囲の視線とざわめきに少し気恥ずかしさを感じながらも、内心ではほくそ笑んでいた。

(これがチートってやつか。

おじさん、前世ではこんな注目されたことなかったから、ちょっと照れるな) 「ええと、まあ、色々とありまして。

とりあえず、登録は完了ですか?」 健一が話を促すと、受付嬢ははっと我に返り、慌てて登録作業を続けた。

「は、はい!間違いなく完了です!佐藤健一様ですね。

ランクはEからのスタートとなりますが、これは形式上のものです。

今後、すぐにでも昇格されることでしょう」 そう言って渡されたのは、手のひらサイズのギルドカードだった。

そして、フィーナも無事に登録を済ませた。

彼女の魔力は平均的だったが、弓術の腕は確かであり、健一の加入で一目置かれる存在となった。

ギルドを出ると、フィーナが興奮気味に健一を見上げた。

「健一様!すごいですね!あの魔力量は、わたくしの里の長老ですら遠く及ばないでしょう!」 「そうか?まあ、これで安心して活動できるってものだ」 健一は肩を竦めてみせた。

(さてと、まずは何から始めるか。

資金集めか、それとも拠点探しも早めにしたいな。

いや、その前に……) 健一は、街の路地裏に立つ、ある建物の看板に目をやった。

そこには、可愛らしい女性のイラストと共に「酒場《迷宮亭》」と書かれていた。

「まずは、情報収集と……、この世界の酒を試すか!」 健一の新しい異世界ライフは、始まったばかりだ。


読んで下さりありがとうございました!

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Youtubeにて作品公開中!

再生リスト : https://www.youtube.com/playlist?list=PLmiEOdmheYJxhNyR4Frew0S0BXZP3KUUd


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