第十七話「神託の民の影と、王都からの招集」
第十七話「神託の民の影と、王都からの招集」
エルドリア地下ダンジョンの異変解決は、大都市エルドリアを震撼させた。
『無双の老兵団』の功績は絶大で、健一は正式にSランク冒険者として全大陸に名を轟かせた。
ゴードンはギルドの厳重な施設に拘束された。
健一は彼を直接尋問し、**【無限成長】によって得た【精神干渉】**スキルを駆使して、彼の記憶の深層から情報を引き出そうとした。
「ゴードン。
**『神託の民』について、知っていることを全て話せ」 健一が冷徹な声で尋ねる。
ゴードンは拘束されたまま、憔悴しきった表情で嘲笑した。
「ふふっ……無駄だ。
我々の組織は、単なる肉体的な拷問では情報を漏らさない。
それに、私は末端の『器』**に過ぎない。
知っていることなど、たかが知れている」
しかし、健一は彼の言葉に構わず、静かに魔力を放出した。
健一の魔力は、ゴードンの精神を優しく包み込みながらも、逃げ場のない圧力をかけていく。
【スキル『精神感応』を習得しました!】 【スキル『記憶操作』がレベルアップしました!】
「拷問などしない。
ただ、君の真実の記憶を見せてもらうだけだ」 健一は、ゴードンの抵抗を無視して、彼の記憶の中へと深く潜り込んだ。
健一の目の前に展開されたのは、ゴードンの歪んだ過去だった。
彼は元々、一流の冒険者だったが、才能の限界に絶望していた。
そこに、ローブをまとった謎の人物が現れ、**『闇の魔晶石』と『覇王の器』となるための力を提供した。
その見返りは、彼らの指示に従い、世界各地で「異界への門」**を開くこと。
ゴードンの記憶から、健一は『神託の民』の断片的な情報を得た。
彼らは古代の神々を信仰し、この世界を**「不純な存在」から浄化するために活動している。
彼らの目的は、異界の強大な力をこの世界に呼び込み、現行の文明を一旦リセットすること。
そのための拠点の一つが、エルドリア地下ダンジョンだったのだ。
そして、彼らが次に目指しているのは、大陸の中心に位置するロゼッタ王国の王都**である可能性が高いという情報も掴んだ。
王都には、古代の神殿があり、それが彼らの次の標的になっているらしかった。
尋問を終えた健一は、深く息を吐いた。
「まさか、世界の命運を賭けた、こんな巨大な陰謀が裏で動いていたとはな」
健一は得られた情報を整理し、すぐに仲間たちと共有した。
宿舎の居間には、フィーナ、ルナ、セレナ、リルム、そしてアリアが集まっていた。
「『神託の民』……古代の神々を信仰する狂信者集団。
そして、彼らの次の標的がロゼッタ王国の王都の神殿、ですか」 セレナが、その情報の重大さに顔を曇らせた。
「彼らの目的は、異界の存在を呼び出し、世界を浄化すること。
非常に危険な思想ですわ」 アリアは眼鏡を直しながら、ゴードンの記憶から得られた術式を分析していた。
「彼らが使っている**『闇の魔晶石』は、魔族の里で禁忌とされていた『邪神の残滓』から作られているわ。
その力は、使用者の肉体と精神を蝕み、異界の存在を召喚するための『器』**に変えるのよ」
「なるほどな。
つまり、ゴードンは使い捨ての特攻隊だったわけだ」 ルナは怒りに拳を握りしめた。
「その**『神託の民』**が王都を狙っているとなると、一刻の猶予もないな。
このままエルドリアに留まるわけにはいかない」
健一の言葉に、リルムが立ち上がった。
「健一様!もし王都に向かわれるのなら、この**『無双剣・虚無』**と、他の皆さまの武具を、完璧に整備させてください!王都へ行くなら、さらに強大な敵と対峙することになるはずですから!」 リルムは、健一の無双の力に貢献できることに、職人としての情熱を燃やしていた。
「ああ、頼む。
リルム」 健一は、リルムの職人気質を信頼している。
その日の午後、健一が魔法学院の特別顧問室で次の行動を検討していると、学院長が慌てた様子で入ってきた。
「佐藤様!大変です!ロゼッタ王国の王宮から、至急の招集状が届きました!」 学院長が差し出したのは、王国の紋章が刻まれた、厳重に封印された書簡だった。
健一が封を開けると、そこには王国の宰相の名で、Sランク冒険者『佐藤健一』、そしてそのパーティー**『無双の老兵団』に対して、「王都への即時移動と、王宮への謁見」**を求める内容が記されていた。
どうやら、エルドリアでの異変解決の報告が、既に王都にまで届いていたらしい。
「ふむ、ちょうどいい。
こちらから王都へ向かうつもりだったが、向こうから招待が来たか」 健一は、この招集が、**『神託の民』**の動きと何らかの関係があると直感した。
「学院長、この招集は受ける。
すぐに王都へ向かう準備をする」 「は、はい!わかりました。
王宮からの招集となると、これは国家の危機に関わる重大な事態かもしれません……佐藤様、どうかご武運を!」
健一は、すぐに仲間たちに王都行きを告げた。
「王都か……!大陸の中心地だぜ!きっと、もっと面白いことになってるに違いない!」 ルナは目を輝かせた。
「王都には、膨大な古代の文献が保管されているはずです。
私の研究が進むかもしれません!」 アリアは、研究材料が増えることに、知的な興奮を覚えていた。
セレナは、王都行きに僅かな不安を覚えているようだった。
「王都は、人間社会の中心です。
魔族のわたくしが、平然と歩けるかどうか……」 「大丈夫だ、セレナ。
俺たちがいる。
それに、Sランク冒険者の仲間だ。
誰も君に手出しはできないさ」 健一は、優しくセレナの肩を抱いた。
王都への旅立ちの準備は、**アリアの【時空間魔術】によって、驚くほど迅速に行われた。
「王都までは、通常なら馬車で一週間以上かかりますが、私が『長距離空間門』**を開けば、数時間で移動できますわ」 アリアのチート級の能力が、ここでも発揮された。
リルムが事前に準備しておいた、新たな特性を持つ強化武具を全員が身につける。
健一の剣も、リルムによって、さらに**『竜の魂』**が込められ、パワーアップしていた。
学院の庭に、アリアが展開した巨大な空間門が開かれた。
門の向こう側には、王都の光景が朧げに見えている。
「さて、みんな。
いよいよ王都だ。
そこには、俺たちが追う**『神託の民』**の影、そして、この世界の真の闇が潜んでいるかもしれない。
気を引き締めていこう」 健一は、皆の顔を見渡した。
その時、門のそばに、見慣れない人物が立っているのを健一は視界に捉えた。
それは、王宮の近衛兵の制服を身につけた、背の高い女性だった。
彼女は、すらりとした体躯と、金色の髪をポニーテールにまとめた、凛とした美しさを持っている。
だが、その顔には、深い疲労と絶望の色が刻まれていた。
彼女の腰には、王家伝統の意匠が施された、重厚なロングソードが下げられていた。
女性は、健一たちの顔、特に魔族のセレナと獣人のルナを見て、一瞬、警戒の表情を浮かべた。
しかし、すぐにその表情を引き締め、健一に向かって深々と頭を下げた。
「佐藤健一様ですね。
わたくしは、ロゼッタ王国近衛騎士団所属、セレス・フォン・ローゼと申します。
王命により、皆様の王都への移動を護衛させていただきます」 彼女の声には、疲れと、そして張り詰めた緊張感が滲んでいた。
「ご丁寧にどうも。
だが、護衛は必要ない。
我々の移動に、危険はない」 健一は、アリアの空間門を指差した。
セレスは、その巨大な空間門を見て、驚愕の表情を浮かべたが、すぐにその表情を隠した。
「承知いたしました。
しかし、王都は今、見えざる闇に脅かされています。
王都に到着されましたら、すぐに王宮へご案内いたします。
どうか、お力添えを」
彼女の言葉から、王都で既に**『神託の民』**による何らかの動きが始まっていることを、健一は察した。
彼女の瞳に宿る深い絶望は、彼女自身が、その闇と戦い、敗北寸前であることを示していた。
「わかった。
感謝する、セレス騎士。
俺たちを案内してくれ」 健一は、彼女の疲労困憊の姿を見て、放っておけないという**「おじさん」の性分**が疼き始めた。
【スキル『騎士道精神』を習得しました!】 【スキル『忠誠心鑑定』を習得しました!】
健一の頭の中で、新たなスキル習得の音が鳴り響く。
こうして、健一と彼のハーレムメンバーは、ロゼッタ王国の近衛騎士を案内人として、王都という新たな戦いの舞台へと、足を踏み入れたのだった。
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再生リスト : https://www.youtube.com/playlist?list=PLmiEOdmheYJxhNyR4Frew0S0BXZP3KUUd
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