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第十五話「地下ダンジョンの調査と、見えざる脅威」

第十五話「地下ダンジョンの調査と、見えざる脅威」


アリアが『無双の老兵団』に加わってから数日が経った。

エルドリア魔法学院の特別顧問となった健一は、学院の一角に用意された専用の宿舎へと移り住んでいた。

そこは、健一と彼のハーレムメンバーが十分に暮らせる広さを持つ、豪華な邸宅だった。

アリアは、健一によって提供された最先端の研究設備と、健一の**【無限成長】によって得られた時空間魔術の知識に目を輝かせ、日夜研究に没頭していた。

彼女の研究室からは、時折、空間の歪みのような光や、謎の波動が漏れ出しているが、健一が制御しているため危険はない。

他のメンバーも、それぞれの持ち場で活躍していた。

フィーナは学院の警備隊と合同で、周辺の魔物討伐や情報収集に貢献していた。

彼女の弓術は、健一の指導と【無限成長】の恩恵で、既に熟練の域に達していた。

ルナは、ギルドの依頼を積極的にこなし、その戦闘力でエルドリアの冒険者たちからも一目置かれる存在となっていた。

彼女は健一の【時空間魔術】**に興味を持ち、次元跳躍の応用を体術に取り入れる研究に余念がない。

セレナは、学院の図書館で古代魔法や魔族の歴史に関する研究を進めていた。

彼女は自身の出自を深く知るため、そして健一の力になるため、知識を貪欲に吸収している。

リルムは、健一と共に学院の地下にある特別鍛冶場を借り、新たな素材の研究や、健一のチート装備のメンテナンスに励んでいた。

彼女は『無双剣・虚無』の特性をさらに引き出すための改良案を日々健一に提案している。


健一は、そんな彼女たちの活躍を温かく見守りながら、自身も新たな依頼に目を向けていた。

「さてと、そろそろ次の依頼を受けるか」 彼はギルドのSランク専用依頼掲示板を眺めていた。

その中に、彼の目を引くものがあった。


依頼概要: 『エルドリア地下ダンジョン『影の回廊』深層部における魔物の異常発生と、原因不明の魔法陣の調査。

複数の調査隊が消息不明。

報酬:金貨300枚+成功報酬(要交渉)』

「エルドリア地下ダンジョン……影の回廊か。

これは、面白そうだな」 健一は、この依頼に惹かれた。

ダンジョンは、彼の**【無限成長】**をさらに加速させる絶好の機会だ。

そして、原因不明の魔法陣という言葉に、セレナとアリアの専門知識が活かせる予感がした。


健一は依頼を受け、準備を整え、パーティーを率いて地下ダンジョンへと向かった。

ダンジョンの入り口は、エルドリアの地下深くに位置する、巨大な岩窟の中に開かれていた。

入り口からは、冷たく湿った空気が吹き出し、薄暗い通路がどこまでも続いている。

「ここが、『影の回廊』ですか……。

確かに、不気味な魔力の流れを感じますわ」 セレナが警戒するように言った。

「薄暗くて、どこか不穏な気配だな。

魔物もただの雑魚じゃなさそうだぜ」 ルナは得物を構え、周囲を警戒する。

フィーナも弓に矢をつがえ、静かに健一の指示を待っていた。

アリアは、自身の**【時空間魔術】**で周囲の空間の歪みを感知し、先行して歩いていた。

「空間に微細な歪みが生じているわ。

これは、自然現象ではない。

人工的な魔術の影響を受けているようね」

ダンジョンの通路を進むにつれて、魔物の出現頻度が増していった。

現れるのは、影のような姿をしたゴーストや、異形の姿を持つアンデッドなど、通常ではあまり見かけない種類の魔物ばかりだ。

しかし、健一たちにとっては問題ない。

健一は**『無双剣・虚無』を振るい、影の魔物を一刀両断する。

物理攻撃以外の属性攻撃を無効化する剣は、ゴーストのような実体を持たない魔物にも、なぜか絶大な効果を発揮した。

【スキル『精神干渉耐性』を習得しました!】 【スキル『霊体攻撃』を習得しました!】 健一は、ダンジョンを進むごとに、新たなスキルを習得し、その力は底なしに増大していく。

フィーナの聖なる矢はアンデッドを浄化し、ルナの素早い体術はゴーストの攻撃を紙一重で回避する。

セレナの魔族魔法は、影の魔物を焼き尽くし、アリアの【時空間魔術】**は、魔物が潜む異空間の入り口を閉じ、彼らの奇襲を未然に防いだ。

『無双の老兵団』は、文字通り無双だった。


ダンジョン深層部に到達すると、さらに不気味な光景が広がっていた。

通路の壁や天井には、無数の黒い魔法陣が描かれ、薄気味悪い光を放っている。

そして、それらの魔法陣が、ダンジョン全体の魔力を吸い上げ、どこかへと送っているのだ。

「これは、セレナが言っていた、学院の地下魔力炉にあった術式と同じだわ……!規模は比ではないけれど、目的は同じよ!」 アリアが、状況を見てすぐに分析した。

彼女の専門分野だ。

「まさか、あの時の術式が、こんなダンジョンにまで……!」 セレナは、その邪悪な術式の拡大に、怒りの表情を浮かべた。


魔法陣の中心には、巨大な空間の裂け目があり、その裂け目から、このダンジョンとは異なる異質な魔力が噴き出していた。

「これは……異界への門!誰かが、このダンジョンを使って、異界から何かを呼び出そうとしているのか……!?」 健一の**【時空間魔術】スキルが、その門の正体を瞬時に見抜いた。

健一は、『無双剣・虚無』を構え、門へと近づいた。

しかし、門の周囲には、見えない防御結界が張られており、健一の剣が届かない。

「健一様、お待ちください!この結界は、単なる防御結界ではありません。

門から漏れ出る異界の魔力を吸収し、自身の強度を高めているようですわ!」 リルムが、【鉱石鑑定】**スキルで結界の構成を分析し、健一に警告した。

「厄介だな……。

この結界は、門から魔力が漏れ出ている限り、破壊できないということか」 健一が眉間に皺を寄せる。


その時、空間の裂け目から、黒い影のようなものが蠢き始めた。

「来ますわ!異界の存在が、門をくぐろうとしています!」 アリアが叫んだ。

裂け目から現れたのは、墨を流したかのような漆黒の身体を持つ、巨大な魔物だった。

それは、見る者の精神を蝕むような異様な存在感を放ち、その姿を見ただけで、冒険者たちの心に恐怖が植え付けられる。

「あれは……『虚空の番人ヴォイド・ガーディアン』!伝説上の魔物だわ!この世界に現れるはずがない!」 セレナが絶叫した。

彼女の知識でも、その魔物は、この世界には存在しないはずの存在だった。


「来るぞ!」 健一は、『無双剣・虚無』を構え、臨戦態勢に入った。

『虚空の番人』は、その巨大な腕を振り上げ、健一たちへと叩きつけようとする。

しかし、健一は動じない。

「フィーナ、ルナ、セレナ、アリア、リルム!全員、連携だ!」 健一の指示に、全員が動き出す。

フィーナが放つ聖なる矢が、番人の影の身体を僅かに貫き、光の粒子が飛び散る。

ルナが番人の足元へと潜り込み、素早い体術でその巨体を翻弄する。

セレナが、番人の動きを鈍らせる拘束魔法を放ち、アリアが、番人の動きを予測し、その進路を空間の歪みで阻む。

しかし、『虚空の番人』は強大だった。

健一の『無双剣・虚無』ですら、その影の身体を完全に斬り裂くことはできない。

剣は番人の身体を通過するが、まるで実体がないかのように、すぐに元に戻ってしまう。

「物理攻撃が効かない……!?」 健一が驚愕する。

『無双剣・虚無』は、物理も属性も無効化するはず。

しかし、この番人は、物理的な法則すら超越しているのか。

「健一様、恐らくあれは、実体を持たない精神体に近い存在ですわ!物理的な攻撃では、完全にはダメージを与えられません!」 セレナが叫んだ。

「精神体……!?」 健一は、自身の**【精神干渉耐性】スキルが強く反応していることに気づいた。

そして、【霊体攻撃】スキル。

「そうか……物理で貫くのではなく、存在そのものを消し去るのか!」 健一は、『無双剣・虚無』に自身の膨大な魔力を注ぎ込み、剣から霊的な波動**を放つ。

剣の刀身が、青白い光を帯び始めた。


「セレナ、アリア!奴の動きを完全に止めろ!リルムは俺の剣に魔力を供給しろ!フィーナ、ルナは援護だ!」 健一の指示は、的確かつ迅速だった。

セレナが放つ魔力の奔流と、アリアが作り出す空間の牢獄が、『虚空の番人』の動きを完全に封じ込めた。

リルムは、健一の剣に自身の魔力を注ぎ込み、霊的な波動を増幅させる。

健一は、その全てを乗せた**『無双剣・虚無』**を、渾身の力で『虚空の番人』の胸へと突き立てた。

「消え失せろ!」

ブワアァァァッ!

番人の身体が、まるで水に溶ける墨のように、空間に吸い込まれていく。

「グォオオオオオオ……!」 断末魔の叫びと共に、『虚空の番人』は完全に消滅した。

【スキル『虚空属性攻撃』を習得しました!】 【スキル『異界種討伐』を習得しました!】 【経験値を獲得しました!】

健一は、疲労困憊の身体で剣を地面に突き立てた。

「はぁ、はぁ……何とか、倒したな」 しかし、彼らの戦いはまだ終わっていなかった。

『虚空の番人』を送り出した異界への門は、いまだに健在だったのだ。

そして、その門の向こうからは、さらに強大な魔力の波動が感じられた。

「健一様、この門、すぐに閉じないと、さらに危険な存在が……!」 アリアが焦る。

健一は、【時空間魔術】スキルを総動員し、門を閉じる方法を模索した。

その時、門の奥から、冷たい笑い声が響いた。

「まさか、虚空の番人までも倒すとはね……。

やはり、あなたはその器を持っているようね」 声の主は、健一たちがかつてファーランドで遭遇した『炎の牙』のパーティーリーダー、ゴードンだった。

しかし、彼の瞳は以前とは別人のように冷たく、身体からは不気味な魔力が放出されている。

「貴様……!あの時とはまるで別人だな!」 ルナが叫んだ。

「ふふ、これは、『覇王の器』に目覚めた、私、ゴードンの真の姿さ!そして、あなたには、私の新たな実験の被検体になってもらう!」 ゴードンは、その手に禍々しい輝きを放つ黒いクリスタルを握っていた。

それは、セレナが魔力暴走を抑えるために使っていた**『闇の魔晶石』**と酷似している。

「やはり貴様か……!」 健一は、彼の背後にいるであろう、真の黒幕の存在を確信した。

エルドリア地下ダンジョンの異変は、まだ始まったばかりだったのだ。


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再生リスト : https://www.youtube.com/playlist?list=PLmiEOdmheYJxhNyR4Frew0S0BXZP3KUUd


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