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第12話 推しがヒロインに出会う日が決まりました。なのでドレスは着ません

ブクマ、評価ありがとうございます!

少しでもクスリと笑って頂けると幸いです〜。



黙ってアレンに付いて行った先は、高級そうなブティックだった。



(……ここ、とてもお高そうな店なんですが…?)


店内には、ふわふわとしたドレス、シルクの手袋、繊細な刺繍の靴がいくつも並んでいる。どう考えても自分とは場違いな店だ。


ふと鏡をみれば、引き攣りすぎた自分の顔が映っていた。

そんなアキを知ってか知らずか



「舞踏会がある。正装が必要だ」



とアレンが言った。


「……舞踏会?」


(……あ、そんなイベントあった)



アキがそう思った瞬間だった。

店内の奥から支配人らしき女性が満面の笑顔でやってくる。



「これは、アレンハルト様ではありませんか。本日は、どのように?」

「ああ、俺ではない。部下の正装を見繕ってくれ」



その言い方は貴族そのものだ。

いや、確かに貴族なんだけど。


アレンは単に騎士団長というだけではなく、帝国の公爵に当たる地位も持っていた。


女性は、微かに頷くと、初めてアキを見る。

そして、目を見開いて驚いた。



「ーーーまあ!珍しいこと。部下様は、女性なのですね?」

「え?」

「えっ」



さすがブティックの支配人。こんな薄汚れた騎士団の服を着ていても女と分かって……


いや違う。

アレンお前、今「えっ」って言わなかったか?


アレンを見ると、彼はコホンと咳払いし「そうだ。このおん…女性のドレスを作って欲しい」と言った。


女って言おうとしたろ。エセ紳士め。



(……てゆーかドレスなんて……終わった)



やはり、アレンは私を「女」と認識していたのだ。処刑宣告されたも同じだ。


(……それに…遂に“あのイベント”が来てしまった…)


舞踏会のイベントは小説で読んだ事ある。

ーーーそう。何度も。


王宮で開かれる舞踏会。

そのイベントで……アレンは主人公ミアと出会うのだ。



「ーーーっ…」



その瞬間。アキの中でとても嫌な感情が生まれる。



「あ、要りません」



咄嗟に、答えていた。



「……は?」

「私、行きませんし。必要もないですから」



言いながら、ぐいと後退るアキ。

そしてそのまま振り向く事なく逃げるように店から走って出て行った。


ーーー取り残されたのは、予想外の返答に呆然とする騎士団長ただ一人。



「……えーと…申し訳ございません、私…」

「……いや、君のせいではない。……ドレスの件は、引き続き頼む」

「え?しかしー…あ、はい」



今本人が断ったばかりでは……と言おうとした支配人が見たアレンの顔に、思わず了承する。


帝国で「紳士」と名高い騎士団長の初めて見るような困惑と苛立ちが混ざった顔だったからだ。




まさか断られるなど思いもしなかっただろうアレン。残念ですね!

次話はそんな残念なアレン視点を書きます。

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