第51話「響き合う想いと旋律」
「……これで、サビの歌詞は完成、かな」
美玲はノートを見つめて、小さく息を吐いた。
数日間悩み続けた末に、ようやく“自分の言葉”が形になった。
「美玲さん、本当にお疲れ様」
陽斗が隣で微笑む。
「でも、ここからが本番だよな。メロディをつけないと」
「うん……。正直、そこはまだ自信ないけど……やるしかないよね」
***
週末、陽斗の家に仲間たちが集まった。
パソコンの前で、陽斗が打ち込みソフトを立ち上げる。
「メロディのイメージはある?」
「なんとなく……優しいけど、前に進む感じがいいなって」
美玲の言葉に、瑠夏がすかさず反応する。
「だったら、ピアノの旋律を基調にして、途中からリズムを強めにするのはどう?」
「さすがルカ、センスいい!」
梓が感心しながらメモを取る。
「衣装のイメージも膨らんできたかも。シンプルだけど、美玲さんの魅力が引き立つデザインで」
神谷は腕を組みながら、全体の進行を冷静に見守っていた。
「タイムスケジュールはタイトだが……これならギリギリ間に合うな」
チーム全員が、それぞれの得意分野で動き始める。
美玲はその光景を見て、胸が熱くなった。
(……私、一人じゃないんだ)
***
一方その頃、氷室紗季はスタッフと共に会場の確認をしていた。
「結城美玲の試練、予定通り進んでるみたいです」
「そう……」
氷室は窓の外を見つめながら、静かに呟いた。
「――逃げなかっただけでも、少しは認めてあげてもいいわね」
だが、その表情はまだ厳しいままだった。
***
夜遅くまで続いた作業の末、ついに楽曲が完成した。
パソコンから流れるメロディに合わせて、美玲が小さく口ずさむ。
「……いい感じだね」
陽斗が満足そうに頷く。
「で、曲のタイトルはどうする?」
美玲は少し考えたあと、静かに呟いた。
「『君に、届くまで』……かな」
陽斗はその言葉を噛み締めるように頷いた。
「美玲さんにぴったりだよ。……絶対、届くさ」
こうして、結城美玲の“本当の声”が形になった。
あとは、氷室の前で――
そして、未来の観客に向けて、この歌を届けるだけだ。
やっほー!小野寺瑠夏だよっ!
ついに、美玲のオリジナル曲が完成したんだよね~!
タイトルは「君に、届くまで」……うん、これ、めっちゃ美玲らしくて好き!
最初はどうなることかと思ったけど、やっぱりチームで力を合わせたら最強だね!
……まぁ、私のセンスが光ったおかげでもあるけど? なんてね!
でも、ここからが本当の勝負。
氷室さんの試練、めっちゃ厳しそうだし……正直、ドキドキしてる。
だから、読者のみんなも応援よろしくね!
コメントとか評価とか、バシバシ送ってくれると美玲も陽斗くんも、もちろん私たちも、めっちゃ元気出るから!




