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第八十話 喧騒

本日ちょっと短めです

「いやぁ、ルーク殿と再び戦えるとは光栄でですな!どうぞよろしく」

 俺とヌーベルは固く握手を交わし、俺は彼の部下とも順に握手をする


 彼の部下は誰も彼も俺の下につくことに異論はないようで握った手から温かみのようなものが感じられた


「これで、俺たちの隊は15人と分隊以上小隊未満という形になったな」

 ルイスは指折り人数を数えながら頷いた


 俺たちはお互いに隊員同士で自己紹介を交わし握手を交わしていく、そこへドグとヤウンも遠くからかけてくるのが見える


「よぉ、ルーク!出世したんだってなぁ?軍曹待遇なんて本当に大丈夫なのか?」

「なんだ、もう知ってたのか」

 耳が早いなと思っているとヤウンが横で肩をすくめた


「もう、隊の中じゃルーク軍曹の話で持ちきりっすよ。バラト大佐は気に入った兵士は出世させるので有名なんっすけど、その年齢で軍曹待遇は流石に異例なんです」


 彼らほどの実戦経験者でもこんな事はないのか、この世界なら普通のことなのかと納得しようとしていたがそういう訳でもないらしい


「ドグ殿とヤウン殿もルーク殿の隊でしたか!これは楽しくなりそうですな」

「あん?ヌーベルも居るのか。陛下のお誘いも断って、こんな僻地まで来た物好きめ」

 陛下のお誘い?もしかして、ヌーベルも凄いやつなのか?


「あぁ、ルーク軍曹、ヌーベル伍長は元々皇帝陛下の剣術指南役として勧誘されていたんすけど、この人その誘いを固辞してバラト大佐についてきちゃったんすよね」


 なるほど……。

 普通に凄いやつじゃないか!?

 戦国時代でいうところの剣豪的な立ち位置なんだろう。通りでこの近代化された軍の中でサーベルの使い方が格別だった訳だ


「なに、昔の事です。戦場ではどれだけ剣技があっても狙撃の名手に劣るもの。せいぜい上手く使ってくだされ」

 そう言ってヌーベルは立派な口髭を撫でつけた


 つまりは、使い方という事だろう。前線に連れて行っても突撃には向かない。ここぞというところで投入する切り札的存在になりそうだ


「私の部下も皆、我が一門の弟子たちだ。もちろん最低限ライフルの扱いは可能であるが、そこなるドグ殿やヤウン殿と同じレベルは期待しないでいただきたい」

 なるほど、これは随分と癖のある部隊を任されてしまったらしい


 それだけ期待されてるって事だよな……。そういう事で良いんだよな?

 俺は姿の見えないバラト大佐の背中を思い出しながらため息をついた


「それで、我らの部隊の目標ですが基本は物資の護衛になるそうです。ただ、前線の人員が近々減らされるそうでその後は我々も前線で塹壕に入れとのことです」

「了解した。ヌーベル伍長達も疲れているだろうから一時間の休息を命じる」

 俺がそういうと彼等は俺に敬礼してくるりと身を翻した


 しかし、すこし歩いたところでこちらを振り向いた

「伍長は余計ですな。どうか、ヌーベルとお呼びください」

「あぁ、わかった。よろしくヌーベル」

 俺がそういうと彼は満足そうな顔をして頷き部下達と共にテントへ戻って行った



次回更新は木曜朝の予定です

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