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第六十一話 帝国本国にて

今回は帝国本国の情勢になります

 帝国軍参謀将校ハラルト少将は各地の植民地の指揮官からの返事にため息を吐いていた。

 その返事の内容は一様に人員の提供を渋り物資の供出で勘弁して欲しいということだった。


「こちらは、人員が欲しいと散々いって言っていると言うのに!どいつもこいつも植民地産の劣化装備ばかり寄越しやがって!!」


 これだけ、帝国が兵士の数に頭を悩ませているのはこの国の徴兵制に原因がある

 帝国は国の成り立ち上、戦士を特権階級とする思想が存在する。


 と言うのもこの国は異民族の国家である。現在の国土には元々別の文明国家が存在していた。そこを北から来た彼らの祖先が従来の国家を滅ぼし建国したのが現在の帝国である。


 その際に、重んじられたのは武力であり宗教や権威ではなかった。その結果、この国の皇帝は基本的に軍人皇帝であり、軍の功労者が政治も行うと言う。


 シビリアンコントロールもへったくれもない超軍事国家なのである


 さて、話を戻す。そう言うわけで、この国の軍人は他国の数倍近い特権を保持しており、ともすれば国家元首も狙える立場にあるため、出世の競争率は高い。


 結果として、エリートが集まる反面蹴落とし合いも多く淘汰されるものも多い。

 加えて、厳しい体力試験を突破しない限り下士官にもなれないため数が慢性的に足りない。


 下士官の数が足りなければ歩兵を増やしたくとも限界がある。


「それでも、今まで回ってきたのは複数の国を一度に敵にしなかったからだ!それもこれも諜報部の失態だ!」


 とてもではないが本国の120個師団だけでは3カ国を敵に回すことができないのは明白だった


「だからこそ!植民地の派遣軍が必要だと言うのに!左遷組のグズ共が!俺たちの足を引っ張ることしか出来ないのか!」


 見えない彼らに罵詈雑言を浴びせる事とは裏腹に自身の今までの政敵を徹底的に排除してきた姿勢に少々の後悔を覚える


 戦線は一進一退だった。現状、大敗こそしていないが各所では敗北や戦略的撤退の選択が増えている。当初の予定通り勝ち進んでいる戦線もあるが「決定打に欠ける」と言う報告が相次いでいる。


「ふむ、こうなって仕舞えば、完全勝利の芽は潰えたと言って良い。程よく勝ちを重ねたタイミングでの講和会議が理想だが……。」


 帝国周辺の地図に駒を乗せて、様々な試行を繰り返しているがどうにも勝ち目が薄い


 そうやって頭を悩ませているとドアを開けて副官が入ってきた

「ハラルト様、フラー大将がお呼びです」


 フラー大将とは彼の支持する時期皇帝候補の一人である

「あぁ、わかった。すぐに行くと伝えてくれ」

 戦争と並行して派閥争いも激化してきている。彼は目の前の灰皿に積み上がった葉巻の残骸を見ながらため息をつき執務室を後にした


次回は反乱軍の情勢について書きたいと思っています。ルーク君はちょっとお休みです。

次回の投稿は金曜朝を予定しております。

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