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第五話 ルーク・バックハウス

 まぁ前世では植民地って、一口で言っても扱いはさまざまだったからな

 自治権のあったほぼ独立国みたいなのもあるし、こう言っちゃなんだが奴隷を安く仕入れるための場所で国なんて名ばかりみたいなところもたくさんあった


 その点この国は街ゆく人の顔も暗くないし、レンガ作りの建物もたくさんあるから一方的に搾取される側の国では無さそうだ


 それならまだ希望も見えてくるというもの

 OK、大体ここがどんな世界かっていう推測はできた


 まず第一にこの部屋の地図を見る限りではここは地球ではない

 見たことある大陸が何一つないことからもそれは証明されるだろう



 第二に文化レベルはやはり第二次世界大戦初期つまり1940年代のような印象を受ける


 煉瓦造りの建物、灯油を変えるタイプの街灯、プロパガンダが張り出されている街並み、すでに発明してそれなりの時期が経っている車


 つまり、このことから分かることは前世の知識はほとんど意味がないということだ

 俺の前世は技術職でもなければ何かの専門家であったわけでもない

 ただのしがない営業マンだ



 そんな人間がこの世界の技術者相手に太刀打ちはできないだろうからな

 せいぜいこんな物があった、あんな物があったという意見を出すのが関の山だろう


 まぁ、某バッ◯トゥー・ザ・フューチャーのドクも未来にタイムマシンがあると聞いてからデ◯リアンを直したわけだしあながち役に立つのかもしれんがね




 と、まぁめちゃくちゃケロッとした風を装っているがこれでも俺が生まれてから3年は経ってるということを忘れちゃあいけない


 最近、カレンダーの読み方を覚えようと思い机の端に置いてあった年間カレンダーらしきものを見てあらびっくり

 一年が12ヶ月じゃ、あーりませんかこれには前世の神もニッコリ


 そこで生まれた時に俺が見たのが「1930年」んで今が「1933年」

 つまり俺は生まれてから3年も経ってしまったってことになる

 じゃあなんで3年も経ってから現状確認なんざしているかというと死んだ体験を昇華するのに2年もかかってしまったからだ


 やはり臨死体験なんてするもんじゃない、未だに死ぬのが怖いという感情が心に渦巻いているのだから


 だが、今世の家族は優しそうでよかったと安心する事で少しはマシになった


 母親らしき人は金髪で抱擁感のある西洋美人さんだ

 気の強そうな人だけど時折浮かべる笑顔にはどこか寂しさが見える。

 望まない結婚とかだったんだろうか?

 いや、でも父親といる時はとても幸せそうなのでそう言うことでもないような…

 だが何か違和感の残る表情をよく浮かべているのは事実だ


 父親らしき人はいかつく背も高いがどこか優しさを感じられる人で俺を見ると嬉しそうにニコニコと笑いかけてくれる

 だが奥さんの尻に敷かれているようだ。まぁ本人が嬉しそうだったから別にいいんだろうがね


 それと我が家には侍女のような人がいるみたいだ。最初は姉か何かかと思って見ていたがそれにしては父親と母親にいやに頭をぺこぺこと下げているので血のつながった家族ではないようだ

 いや、流石に家族間で上下関係があるとか思いたくないし…血の繋がった家族なのに虐げられてるなんてことはないよね。そうだよね?


 そんな家族の中で俺はこの家のはじめての子供のようだ

 3人が俺のことを下にもおかない扱いをすることからもそのことがよくわかる


 そして俺の名前はどうやらルークというらしい


 前世では俊朗とか言う聞く人が聞けばいかつくきこえる名前だったのにこっちじゃルークか

 前の名前も好きだったが、ルークって名前も悪くない

 まぁ、文字通り俺の第二の人生は始まったばかりじゃないか

 ゆっくり行こうか、まぁでもうちの親の職業ってなんだろうな


 ーーーーーーーーーーーー


 そんな風に事実を受け入れ始めてさらに1年が経った

 幼い頃の3年なんて早いもんだ親の発する言葉から言語を習得しようと努力して見たし親の仕事なんかもわかってきた


 母親の方はいわゆる専業主婦なのかと思っていたのだが近くの工場で働いてたらしい

 最近作業着を着て家から毎日通っているようで夕方ごろになると帰ってくる

 その間の世話は侍女らしい人がしてくれる。


 俺を産んでから4年経った最近になってまた工場に出勤するようになったみたいだ

 しかし、4年も休業して再び復業できるなんて前世の日本よりも女性の権利がありそうだな


 いやいや!そんなことよりも父親の職業の方が驚きだ!

 彼は高そうな軍服のようなものを着て毎日のように家を出ていきみんなが寝た頃に俺たちを起こさないようにそっと帰ってきているみたいだ

 まさに一家の大黒柱か、カッコいいな


 だが、そうなってくると俺は将来的に軍人になるのだろうか?

 この国の仕組みが世襲性なのかどうかはわからないが父親の階級が高いなら軍には入らなきゃいけなさそうだよなぁ


 前世で戦場のようなと形容される職場にいたが…まさかホントの戦争に行く日が来るとはなぁ


 そう考えるとため息が思わず出てしまった

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