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第四十四話 不意

なんと、茂みをかき分けて出てきたのは先日以来の因縁のドグとヤウンだった。


「ルーク君、知り合い?」

「あー、ちょっとな」

ドグ達から少し目を逸らしながら肩をすくめる


「ちょっとだとぉ!?貴様、敵前逃亡か!そうなんだな!?」

「ちょいちょい、ドグさんよ。奴らに気づかれるっすよ」

ドグは俺に掴み掛からんばかりの勢いで此方に迫ってこようとするのをヤウンが必死に止めている。


これがこいつらのデフォルトなんだろう。

速くヨ◯モトかジ◯リに再就職すればいいのに


「お前の知り合いは随分と賑やかだな」

「あれでも近衛師団出身らしいがな」

そういうとヤウンの方がドグを静止したままこちらに首だけ向けてニコリと笑う


「あら?俺らが近衛師団の出だとご存知で?」

「あぁ、大佐殿がちょっとな」

「あぁんのバカ大佐が!守秘義務って単語を知らないと見えるな!」


俺たちの会話を耳に入れていたのかルイスが俺たちのところまで追いついてくる

「おいおい、嘘だろ?こんなのが近衛師団?あそこは全帝国軍人の憧れの的だぞ?近衛師団とはいうが要は本土防衛の最後の要だ。給料だって同じ階級の帝国本国軍将校の3倍はもらってるエリート中のエリートだぞ?」


ルイスは軍事オタクなのだろうか?よく知っているじゃないか

まぁ、おそらく彼の父が帝国の為政者側の地位にいるが故の知識だと思うがそれにしても早口が過ぎる


「なんだ?貴様、我々のいうことが信じられんというつもりか!我々はまごうことなき元帝国第二近衛師団の所属である!」

「そうっすよ。俺たちはこう見えてもエリートなんすから」

「”こう見えても”は余計だ!」


「まぁ、なんでもいいんだけどさ。アンタらもう少し静かにできない?数百メートル先に敵がいるんだよ?」


ヘレナも肩をすくめながらよってきて俺たちのうるささを指摘する

コレは「ちょっと男子〜」的なあれか


「ええい!わかっておるわ!おい、ヤウン離せ!一発殴らんと気が済まん」

「それで、皆さんはこんなところで何してたんスカ?」


埒が開かないとばかりにヤウンがドグを押さえつけながら話を戻す

ここは俺も話に乗っておくのが上策か


「あぁ、俺たちはとりあえず敵の様子を見て作戦を立てるところだったんだが、お前達は何か見なかったか?」


それを聞くとヤウンはため息をつくと首を横に振った

「俺たち以外はみんな捕まるか死にましたよ。少佐殿も生きてるか怪しいもんっす。敵はどうやらパンドラ軍残党やその辺の食いあぶれた市民が山賊化してるみたいで質も数もそれなりみたいです」


「ハンッ!あんな戦下手な頭でっかちな少佐などさっさとヴァルハラに召されればいいのだ」


ヤウンが冷静に説明する横でドグは拘束を解かれ、どかりと地べたにあぐらをかいていた


「山賊どもの目的は俺たちの運ぶ食糧か。なら荒らし終わったなら撤収するはずだな?」


ルイスからの質問を聞いたヤウンはまたもや悲しげに首を横に振る


「それが、奴らの目的は食料だけじゃなく帝国軍への復讐も兼ねてるみたいなんっすよ。捕虜をとって前方を進軍していたバラト大佐の本隊を誘き寄せるつもりみたいなんすよね」


復讐心か、そいつは厄介だ。

アレを前にしては故郷のお母さんが泣いてたって聞く耳を持ちやしない。

「だとしたら、早く捕虜を解放しようよ!」

「そう簡単にいうな。俺たちは合わせて6人、対して奴らは少なく見積もっても100人はいるぞ」


ベル君が慌てて立ち上がるのをルイスが落ち着いてベル君の腕を引っ張る



「なぁ、とりあえず。俺たちは和解しよう」

それを横目に俺はヤウンの方に手を差し出す

「あー、まぁ俺はなんとも思ってないので構わないっすけど。コイツがなんていいますかねぇ」


そう言いながらドグの方を顎で指し示す。

当のドグはというと頬杖をついて戻ってきた方を睨みつけている

「おれも別に構わん。今は1人でも多い兵士が必要だ。だがな、馴れ合いはせん!握手もなしだ!」


そう言って彼は背負ったライフルを手に構え進み始めた

「ははは、すんません。アイツは無愛想っすけど仕事熱心なんすよ。じゃあ俺たちも行きましょうか」


そう言って歩き出す彼の背中を見ているとルイスが俺の半歩後ろまで来てため息をついた

「あれは、熟年夫婦の域だな。だが、土壇場だとああいうの見ると安心するな。さぁ俺たちもいくぞ」


そう言ってみんなが歩いていくのを見送りながら前世のことを思い出していた


「俺にはあんな風に信頼できる相手がいたかな」

その時1人の先輩の影がよぎった気がしたがすぐさま首を横に振り、彼らについて歩き出した。


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