第八十八話 叱責
話数はかなり絶妙ですが一応投稿は100本目になります!
こうして楽しく更新させていただいているのも読んでくださる皆様のおかげです!これからも細々と更新を続けてまいりますが楽しんで読んでいただけましたら幸いです
「馬鹿者めが!どれだけ植民地の屑共を殺そうとも軍船を作るコストには敵わないのだぞ!?」
植民地の総督であるオスカー少将は血まみれになった腕をまた執務室の机に叩きつけた。机はすでに亀裂が入っておりあと数回殴れば真っ二つに割れて壊れてしまうだろう。そんな総督の剣幕に港湾部の統治を任されていたヒューゴ大佐はボタボタと汗を流しながら頭を下げ続けていた
「重巡洋艦1隻に駆逐艦2隻の失陥だと!?呆れて言葉も出ぬわ!!しかも内一隻は帝国の砲撃によって破壊されたと報告書にある。つまり残り2隻は反乱軍の手に無傷で渡ったと言うことか!?」
オスカーは椅子に崩れ込む様に腰掛けてため息をついた
「本国からすれば旧式の艦船などどうでもいいだろうが補給の少ない植民地駐屯軍には無二の切り札だったのだ。本当にやってくれた物だ……。」
彼の声音はどんどんと低く底冷えのする様なものに変わっていった
「それで、大佐。どうやって挽回するつもりだ?」
その言葉にヒューゴ大佐は体を震わせながら顔を上げた
「そ、それはですね。奴らは港を持っていません。なのでいつかは寄港地を欲して船をどこかの港に持ってくるに違いありません!港の兵員を増強し、その船を取り返してしまえば……」
ヒューゴの提案にオスカーはため息を吐いた
「いいか?奴らとて阿呆ではない。どこかの国と協力して港を借りるか、寄港地がないなら適当に沖で破却して終わりだ。あの船が我らの元に帰ってくることはない!」
「そ、その通りです!ですが、これは反乱軍を一掃する良い口実になります!この機に後顧の憂いを絶って仕舞えば……!」
その言葉にオスカーは腕を組んで唸った
「しかしなぁ、前線の師団は下手に戦線を上げた為に身動きが取れないそうだ。反乱軍の規模もわからぬ現状。無闇に弾圧の構えを見せれば反乱の口火にもなりかねん」
ヒューゴはチラチラとオスカーの顔色を確かめながら息をついた
「であれば、小官配下の兵を用いて秘密裏に反乱分子を駆逐していきます。もし、抗議の機運が高まった際は小官が勝手に動いたとして罰していただければ良いかと」
「なるほどな、ではそうしよう。うまく汚名を返上せよ」
オスカーの指令にヒューゴは深く頭を下げると部屋を後にした
オスカーは一人残った部屋で地図を前に唸る
帝国領カナリアの管轄にある師団は計八師団。前線に張り付いているのは第2、3、4、5、7師団の計5師団でカナリア領内にいるのは第1、6、8師団の計3師団だ。
第8師団はフランツ率いる植民地からの徴兵軍人だから信用できない。そのため、反乱の際は実質2個師団で対応しなければならない。
「最悪、パンドラとの停戦が必要やもしれんなぁ。本国からも戦線の縮小の指令が各植民地に出されたそうであるし勝手な停戦も攻められることはあるまい」
オスカーは手を叩き、部下を呼んだ
「内々にパンドラ軍の政治屋と密談の場を整えよ」
「ハハッ!」
ひとまず、50年も続いたこの戦争を終わらせて自身の植民地での地位を盤石にするのが先決だ。
「ここに俺だけの王国を作り上げてやるさ」
オスカーは静かに笑った
次回更新は月曜の朝8時過ぎとさせていただきます




