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第零話 家路

こんな話が書きたい!と思い立ち書き始めた初作品ですので是非楽しんでいただけますと幸いです

 俺はいわゆる冴えないサラリーマンってやつだったんだと思う

 冴えないサラリーマンってどんな定義だよって思うけど出世もできず仕事も人並みにこなすだけの俺を輝いてるって形容する奴はそういないだろう


 まぁ、でも熱中できる趣味があっただけマシかもしれない



 あの日も俺は唯一趣味であるシュミレーションゲームの新作を買って、まるで夏休みの小学生のようにソフト付属の操作説明書を熟読しながら帰っていた


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「今作は部下それぞれにAIが搭載されてて独自の動きが楽しめるのか!」

 俺は史実の通りにキャラの動く歴史シュミレーションが大好きだ。なぜってそりゃ自分の行動が歴史を変えそれらが歴史の1ページに刻まれていっているのだという感覚が大好きだからだ。

 だからさっさと帰ってこのゲームをプレイするために説明書は読みながらも早歩きだけは止めなかった

 赤信号の待ち時間がひどく長く感じる


 ここの赤信号はなんでもない日だって長く感じるのにこんな日はなおのことだ

 だが夜中はひどく交通量が少なくなるこの道は赤信号を待つべきか悩ましいところでもあった

 右を見て左を見て車両が来ていないことを確認して一目散に走り出す

 今思えば徹夜続きで注意力が落ちていたように思う。


 だが俺はこのゲームを遊ぶために徹夜続きの会社泊まりを決行し、現在抱えていた仕事を締切日の2週間前に終わらせたのだ。今更ほんの少しの罪悪感になどかまってはいられなかった


 さぁ、この交差点を越えて駅までかけていってしまおう、そう思った時だった


『ファーーーーーン‼︎』

 突然クラクションが鳴り響き、車の眩しい光が右半身を覆った

「なんで、さっきまでいなかったろ…?」

 あぁ現実はなんて無情なんだろうか


 驚きの声を言い終えることすら許されないまま俺の視界は何回転も何回転もした気づくと視界は真っ赤に染まり、やっと回転が止まった後も全身は鉛のように重かった。起きあがろうにも手足にに力が入らない


 顔が向いた方向がちょうど車を見れる向きだった。すると黒い車から2人の男が出てくるのがぼやける視界の端に映った


「無灯火運転なんてするもんじゃねぇな。人をはねちまったわ」

 黒い影の片方がわざとらしく肩をすくめながらもう一つの影に顔を向ける


「俺の前で芝居なんていいだろ?それにしても、こいつお前の会社の同僚だろ。なんではねたんだ?」

 なんだって、コイツ俺の会社の同僚かよ…

視界がぼやけていて誰だかは正直わからない

 すると指摘された影は侮蔑のこもった声でこう言い放ったのだ

「こいつ、俺の狙ってる佐々木先輩から好かれてたのさ、許せねぇだろ?こんなパッとしねぇゲームオタクなんかに負けるのなんてよ」

「はは、確かにな」


 クソ、なんなんだとんでもない逆恨みじゃないか…


「うぅ、あ、あぁ」

 何か言い返そうとしたが言葉が出ない

 相当な重症らしい


「おい、こいつまだ息があるぞ?」

「あんな跳ねられ方してまだ生きてんのかよ、しぶといな」

 そう言って肩をすくめた黒い影は車の方へ戻っていきハンマーのようなものを取り出してきた


「流石にこれで殴れば死ぬだろ」

「そうだな、手早くやってくれよ」

「わかってるって」

 そう言い合いながら影の片方が振りかぶり


 次の瞬間俺の視界は暗転した


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