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3/42

穏やかな日々からどん底に突き落とされました

チンピラでてきますのでご注意ください

それから1週間がすぎようとしていた。社は2日と空けずやってきて、これでもう4回目の顔合わせとなる。


「社さん、最近変装が上手くなりましたね」

「あ?」

「だって、最初は完全に不審者だったから」


くすくすと笑いながら、紗枝は社にお茶を出した。

今日はもう閉店時間をすぎているので、“預って”いるくまで遊んでもらっている。


「そうだったか?」


膝の上に乗せた大きなくまを撫でながら、彼は心外そうな表情を見せた。そうですよ、と紗枝は遠慮なく肯定する。

もはや気さくな関係にシフトしていた。


「黒いハーフコートに、黒いニット帽に、サングラスですよ?よく警察に通報されなかったと思いますよ」


今日、社が身につけてきたのは見栄えのしない黒いTシャツの上にジャケットとコットンパンツ。それから店に入るまでは長めの前髪を下ろして、さらにはださい大きめの黒縁めがねを身につけていた。

それにしてもこんなに平日の夜にも来てくれるなんて、社は何の仕事をしている人なのか悩ましいところだ。

一度朝の開店間際に来たときはトレンチコートに高そうなスーツを着ていたし、これから仕事、と言っていたからやはり会社員なんだろうとは思うのだけれど。


(それにしても只者とは思えないんだよねぇ・・・)


子供へのお土産に、娘に連れてこられて、と世のお父さん方を見てきた紗枝には、独特の雰囲気のある彼がとても宮仕えとは思えない。

実業家とかが一番しっくりくるのだが、そうすると社が自分の趣味をひたかくしにしたがるのもよくわかってしまい、同情してしまった。

かっこいい。ちょっと怖そう。お金持ち。偉い人っぽい。

社のイメージを並べてみれば、本当にこういう店と対極に存在しているとしか思えなかった。そりゃあばれないように不審人物にもなっちゃうよなぁ、とひとり頷く。


「何、一人で頷いているんだ?」


そんなに言うほどひどくないだろう、と社はくまの手で紗枝の頭を軽くはたいた。


「いたっ。ひどかったですよ。社さんってちょっと世間とずれていますよね」

「そうか?」

「そうです。その眼鏡だって、眼鏡はいいんですけど、そのださ眼鏡をホントに選ぶとは思ってなかったし」


二度目の訪問時もサングラスをしていた社だったが、それだとやっぱり危ない人に見えるので、近所の手前、伊達めがねをつけるように進言してみたのだ。

しかも冗談っぽく、太い黒縁ならださいイメージでばれないかも、と付け加えた。

以来、本当に彼はそうしてくれている。


「お前が言ったんだろうが」


呼び方が、君、からお前になったのはすぐで、社も気を許してくれているんだなぁと思う。それが少しくすぐったくて嬉しい今日この頃だ。


「だって、普通の眼鏡だったら、社さんかっこよくなりすぎて目立つだろうから」

「はぁ?」

「いま巷では眼鏡萌えが流行っているんですよ?これで社さんが、銀の細いフレームの眼鏡とかしてたら、完全インテリ?まさに青年実業家?もう、注目度高くて、店にみんな押しかけて、大変なことになっちゃいますよ。目立ちたくないのに目立っちゃいますって」

「よくわからんな。大体客に会わないようにできるだけ人のいない時間に来ているだろう?そんな一人や二人に見られたからといって・・・」

「甘いですよー。今日びも女子高生の情報網を舐めてはいけません。かっこいい男の人がいたら即メールをまわして、わらわらと友達を連れてくるんですから。前も向こうの通りの美容室に若くてかっこいい美容師がいるって噂になって、毎日ガラス張りの壁に人だかりができて、大変だったみたいです。うちだって、私のこと男だと思っていた最初の頃はそれはもうきゃあきゃあと来ましたよ?目を付けられたら、社さん目当てに夜に人が集まること必至です」

「それは・・・面倒くさそうだな」


本当にうんざりという顔で呟く社は、うるさいのが好きではないのだろう。

この人が学生だった頃は、さぞ女生徒に囲まれていたに違いない。

あの女の子たちのきゃぴきゃぴしたパワーには、紗枝もついていけないものを感じる。いや、ほぼ年は変わらないのだけれど。


(うーん・・・こんな生活してるから、老化してる・・・とか?)


ちょきん、と糸きりばさみで糸を切った紗枝は、縫い目を確認して布地をひっくり返した。

もこもことしたくまの耳が紗枝の手の中に現れる。

それを顔の部分にくっつけようと新たに糸を通すと、手元を暗い影が覆った。


「社さん?」

「いや、見事だと思ってな。もう形になっている」


社が興味深そうに覗き込んできたのだ。


「すみません。予定ではもうお渡しできるはずだったんですけど、思うように時間がとれなくて」

「急いでいないんだ。紗枝が暇なときに少しずつ作ってくれればいい。こんなことで無理するな」

「でも、これはちゃんとお代をもらっているから・・・」

そう。紗枝が今作っているくまは、社への売り渡し商品なのだ。

それは彼を招き入れて2日後のことだ。



「紗枝」

「社さん!?」


ウィンドウを磨き、店を開ける準備をしていた紗枝に、異彩を放って近づいてきたのは社だった。

煙草をくわえ、冷たい風にトレンチコートの裾をなびかせながら、ポケットにつっこんでいた片手をちょいと紗枝に向かってあげる。

その仕草はまるで映画俳優のようで(ただしどっちかっていうとギャング映画?)、紗枝はどきりとした。


「ど、どうしたんですか?こんな時間に。お仕事は?」

「ああ、これから行くところだ」

「へえ、重役出勤ですね」

「まあな。それより何も・・・いや、元気か?」

「え?そりゃ元気ですよ?つい2日前に会ったばっかじゃないですか」


何を言い出すのかと訝ると、社は「だったらいいが・・・」と何故か口ごもってしまった。それにますます首をかしげたくなったが、紗枝は大切なことを思い出して慌てて声をあげた。


「あ!」

「何だ?」

「ちょ、ちょっと待ってて下さい!すぐですから!」


紗枝は踵を返すと、レジの横においておいた封筒を手にとって店先に戻った。


「これ!お返しします」


社の目の前に差し出した細長い封筒には、先日の釣りが入っていた。社はそれを察すると、拒絶のために両手をポケットに入れてしまった。


「いらん」

「もらってください!困ります!」

「預り賃だと言っただろう?」

「じゃあ、持って帰ってください」

「家には置けんと言った」

「じゃあ、ちゃんとうちに来て、あの子を可愛がってください。預かり賃はいいから」

「俺もそう毎日来られないからな。だから紗枝が可愛がってくれ。その駄賃だ」

「だ、か、ら!それじゃ困るんですって!社さんが買ったんだから!百歩譲ってうちに置いておくのはいいけど、余分なお金は置いていかないでください」

「一度財布から出た金はうけとらん」

「~~~江戸っ子ですかっ!」

「まあそういうことにしておいてくれ」

「社さん!」


ああ言えばこう言う。

紗枝が非難するようにじとりとにらむと、彼はふっと紫煙を紗枝に吹きかけた。

途端に咳き込む紗枝を笑って、社はくるりと踵を返した。


「今日も頑張れよ」

「待って下さいよ!」


背中でそう言って去ろうとする社の前に、紗枝は回りこむ。多少涙目なのはしっかり社のせいだ。


「お客様にこういうことされるのは困るんです。どんぶり勘定は駄目だって父にきつく言われているんですから。帳簿がめちゃくちゃになっちゃう」

「増えるなら問題はないだろう?」

「駄目ですっ!」


キッとにらみつけると、社は少し考えたあとで、頭を掻いた。


「わかったわかった。じゃあ、紗枝に注文する」

「え?」

「手乗りくらいの触り心地のいい人形を一つ作ってくれ。あのでかいくまみたいな顔のやつを。その金は、前払いだ」

「・・・多すぎます」


紗枝が作る人形は、手乗りサイズじゃせいぜい800円くらい。お釣りは7000円程度。釣り合いがとれない。


「注文の多い奴だな」

「社さんが受け取ってくれればすべて解決します」

「それは何か?俺には作りたくないって?」

「違いますよ!ご注文でしたら、有難く承ります!社さんに満足してもらえるような品を全力で作りますよっ」

「承ったんだな?ならば、交渉成立だ」

「そ・・・それとこれとはちが・・・っ!」

「別に期限はいつでもいいから、頼んだぞ」

「社さんってば!!」

「じゃあ、俺は仕事なんでな」


そう言われてはもはや引き止められず、結局紗枝はしぶしぶ封筒を引っ込めることになった。

その次に会ったときも、これじゃ駄目だ、他の何かをもらってくれ、と必死こいて頼んだのだ。

だが。


「ほら、社さん。これなんてオルゴールついているんですよ?」

「オルゴールに興味がない」

「じゃあこっちはどうですか?小さいけど、イギリスの結構有名なブランドが出してて・・・」

「可愛くない」

「もう!なんだったら良いんですかっ!?」


紗枝が値段に見合って、かつ、社が持って帰れそうな大きさのものをそろえたのに、ことごとく駄目出しをされた。

とにかく何か一品選んで、と頭を下げたら、彼が選んだのはよりにもよって紗枝の作ったぬいぐるみキーホルダーだった。定価770円(税込)、売れ残ったらワゴンセールで500円で売るような代物をだ。

なんでそれを選ぶんだとわめけば、社はしれっと可愛いから、と答えた。じゃあ全8種類全部もらえ、と言えばそんなにはいらないと言い返される。

根負けした紗枝は、結局そのうさぎのキーホルダーと手乗りくまで妥協したのだった。


「社さんって変」

「・・・それはそうかもな」

「違いますよ!可愛いもの好きなところじゃなくて。そうじゃなくて、なんでもっと可愛いぬいぐるみがこんなにあふれているのに、私のやつ選んだり、作らせようとしたりするんですか?」

「何だ。それはお前の作った人形が一番可愛いからだろ」

「か・・・可愛いって・・・」


自分のことを言われたわけではないのだが、作品を褒められる気恥ずかしさに紗枝はぼんっと赤くなった。

それをごまかしたくて、慌てて視線を手元に落とすと、猛烈な勢いで針を進める。


「や、やっぱ社さんって、ちょっとずれてる・・・」

「そうか?」

「だって普通は、もっと他のやつのが可愛いし」

「そんなことはない。俺がこの店で足を止めたのは、紗枝の作った人形があったからだと言わなかったか?」

「そそそそう、ですか?」

「ああ。たまたま通りかかったときに、ウィンドウにあった紗枝のうさぎの人形がそれは可愛くてな。忘れられなくて変装までして見に来てしまった。紗枝の作る人形は、俺にとって完全に好みのど真ん中なんだ」


ざくっ。


「いっ・・・!」


社の言葉に動揺して、思い切り針を刺してしまった。

滅多にはない失敗に、紗枝は指先からぷくんとあふれ出た血をとほほな気分で舐める。


「おい、大丈夫か?刺したのか?」

「大丈夫・・・です。それより、汚れなかったかな?」

「そんなことはいい。そんなことより、早く消毒してこい」

「大丈夫ですよ。こんなの舐めておけば治ります」


心配そうな顔をする社に、紗枝は軽く笑いかけた。そしてカウンターに備え付けの引き出しを探る。

「すみません、もう少しですからちょっと待っててください」


絆創膏を取り出し、片手でもたもたと貼ろうとすると、社が手を差し伸べてきた。

紗枝は女にしては手が大きい方だと思うが、一回りも大きい社の手にはすっぽりと包まれる。

その手の硬さと熱さに一瞬どきりとした。

男の人なんだなぁ、と思ってしまう。

紗枝の中では同級生の男子はいつでも子供だったし、こんな風に年配じゃない年上の人と親しくなる機会はないままだったから、なんだか妙な気分だった。

絆創膏を左の人差し指に綺麗に巻いてくれる社の指の長さをじっと見つめながら、どきどきと落ち着かない鼓動を感じていた。

だから、手当てが終わった瞬間にぱっと手を離してしまう紗枝だった。


「あ、ありがとうございます!」

「いや。・・・今日はもう終わりにしろ」

「え?こんなの全然大丈夫ですよ。あと30分・・・いや、20分もあれば」

「いいんだ。それより腹減らないか?」


突然の問いかけに、時計を振り返る。針は7時45分を指していた。社が来たのが7時少しすぎだったから、もう結構な時間が経っている。途中、彼は仕事の電話をしていたけれど、それでも待たせすぎだろう。話すのが楽しかったせいで、作業効率が著しく落ちていたようだ。


「ごごごめんなさい!!こんなにお待たせしているつもりはなかったんですけどっ」


紗枝は恐縮して頭を下げた。すると、社が笑う気配がある。ぽんぽん、とくまの手が頭を撫でた。


「お前と話すのは面白いからな。時間が気にならなかった。こいつでも遊べたし、謝る必要はない」

「でも」

「気にするなら、今日はもう終わりにして少し付き合え」


社の手が、ぐいっと紗枝の腕を引っ張った。

彼が立ち上がるので、紗枝も必然的に立ち上がることになる。その上、片づけを促されて、仕方なく道具を仕舞った。


「上着取って来いよ」

「?どこに行くんですか?」

「だから腹が減った。飯食いにいくぞ」

「えええ?」


眼鏡をかけた社は、まだ困惑したままの紗枝を連れ出した。裏通りに停めてあった社の車(車には詳しくないが高そうだと、紗枝は思った)に乗せられ、車で15分程度、駅前のビルに連れてこられる。最近再開発がすすんでいるとやらで、すっかり都会化していた。人もいっぱいいる。


(すごーい。いつの間に・・・)


仕入れ以外は店に引きこもっている紗枝は、少し見ない間のあまりの変わりようにぽかんとした。


「何か好きなものはあるか?」


新しく建て直されたおしゃれなビルの案内板の前でそんなことを聞かれても困る。なにせこんなところはまだ母が生きていた頃以来だし、それだって、半年に一度あるかないかだった。

それに、ちょっとそこまで、みたいな言い方だったので、紗枝はロゴTシャツに、ロングニットのコートを羽織って、下は履き古したストレートのジーパンだ。髪だって店が終わったときのままぼさぼさだった。

仕事帰りで、きらきらして見える周りの人たちとはまるで違う、冴えない姿。場違いで恥ずかしい気がする。対して社は眼鏡さえはずして、少し髪を直しただけですぐにこちらの雰囲気に馴染む。ずるい、と内心ふててしまうのも仕方がないだろう。


「紗枝?」

「・・・あの、ここじゃないと駄目ですか?なんか場違いですし、お恥ずかしい話なんですが、私あんまりお金がなくて・・・」


社が不審そうに聞いてきたので、彼の陰に隠れるようにして黙り込んでいた紗枝は、おずおずと退却の主張をした。

すると、こつっと指の関節で頭を弾かれた。


「いたっ」

「馬鹿か。いい大人がガ・・・子供に払わせるわけがないだろう。奢ってやる。好きなものを選べ」

「そんな!社さんにそんなことしてもらう理由がわかりません。自分で払います。・・・いや、払えないけど。だから、帰してください」

「人が奢ってやると言っているのだから、気にするな」

「いや、困りますって」


ぶんぶんと首を振っていると、ちっと舌打ちが降ってきた。驚いて見上げようとした紗枝の頭にぼすんと手のひらが落ちてくる。


「ああ、もう、めんどくせぇガキだな」


がっしりとした手のひらはぐしゃぐしゃと紗枝の髪をかき乱し、上から押さえつける。


「ガキはガキらしく、甘えりゃいいんだよ」

「ガ・・・ガキって・・・」

「お前が選ばないのなら、俺の好きにするからな。食えないものはないだろ?」

「っちょ・・・ちょっと、社さん!」


今度は強引に手を掴まれて、広々としたファッションビルの玄関を引っ張って連れていかれる。


「待ってください!なんで、そんな強引なんですかっ」

「ああ?別に居酒屋に連れ込もうってわけじゃないんだ。飯食うだけだぞ。お前こそ何をそんなに遠慮している?」

「遠慮しますよ!社さんは確かに大切なお客さんだけど、ご飯を奢ってもらう理由にはならないから!」

「理由になるぞ。まず、知り合いなのだから飯を食うくらい問題はない。次に、お前より俺のほうが年上で金がある。ちなみにお前は未成年。金がある方が奢るのが当然。これのどこに問題があるんだ?」

「・・・むちゃくちゃですよ。問題ありまくりです。そもそも知り合い全部が、ご飯を食べる仲じゃあないでしょう?そんなこと言ったら私はお店に来た人みんなとご飯にいかなきゃならないじゃないですか?仲がいいからご飯に行くんでしょう?」

「ほう。つまり、お前は俺と飯は食いたくないわけか。そんなに嫌われているとは思わなかった」

「は・・・?」


はあ、と大きなため息をつかれて、紗枝は眉を寄せた。社のわざとらしい落胆の意味がわからない。


「あの、誰も社さんが嫌いなんて言ってませんけど?」

「だが、飯を食いに行くのは仲がいい奴とだけなんだろう?」

「まあ・・・普通はそうじゃないですか?」

「お前は俺と飯を食うことをやたら拒絶する。つまり、俺はお前にとって気を許せない、嫌いな人間というわけだろう?強引にして悪かったな」

「え、違います!社さんのこと嫌いなんかじゃないですよ!むしろ好きな方です。すっかりばっちり好感持ってますよ!勝手ですけど、社さんが来てくれるとなんだか嬉しいですし」


慌てて疑惑の否定をすると、社が目の前でにやっと笑った。時折覗かせるこの笑顔は、くせものだともう知っている。


「そうか。だったら飯食うのも何の問題もないだろ?ほら、行くぞ」

「や・・・。だっ、だから、そういうことじゃなくて」

「やはり本当は嫌いなのか?」

「違いますってば!」

「ならいいだろう」

「うーーー」


完全に丸め込まれたとしか思えない。

しかし、ここでいつまでも一緒にご飯食べるのは、奢ってもらうのは、と言い続けていては、堂々巡り。

しかも社に引かれるままに、もうエスカレーターで昇っている。何とか別の口実をと思っていたとき、ファッションの階に目がいった。そして、はっと気がつく。慌てて隣の社の裾を引いた。


「でも、私こんな格好ですから」

「うん?」

「コートは毛玉だし、ジーパンも汚れてるし、社さんのせいで髪はくしゃくしゃだし。こんなぼろきれみたいな人を連れていたら社さんの価値が下がっちゃいます」

「ぼろきれって・・・お前なぁ」

「それに、やっぱ周りから浮いてるのはきついですよ。視線がちくちく刺さるし。だから、レストランはやめましょう。私にはファミレスレベルがちょうどいいです。あ、ラーメンとかもいいですよね?」

「そんなもの食いたくない」

「じゃあ、社さんはちゃんと食べてきてください!私は外で待ってますから!」

「・・・くだらん抵抗だな」


だが、社は気にした風もなく、何故かファッションフロアに降り立ってしまった。

引き返すのだろうかと思ったのだが、その認識はまだまだ甘かったらしい。


「ちょ・・・!もらえませんっ!」

「うるさい。目立つからわめくな」


手近なブランド服の店に連れ込まれて、ぽんぽんぽんっとマネキンの服に変えさせられた挙句、しっかり夕食までをいただく羽目になった。

余分なことをいわなければ社への(一方的)借金なんて増えなかったのに、と紗枝はがっかりと頭を垂れた。



(てゆーか、こんなんでいいんだろうか・・・)


水曜の定休日も終わり、すがすがしいはずの朝を迎えた紗枝は、しかし深いため息で一日をスタートさせた。

昨日も仕事帰りに寄って来た社は、棚卸し品と、昨日新たに届いた箱の山を見て、片づけを手伝ってくれた。面白くなんてないし、むしろ力仕事で大変なのに、なんで断っても強引に丸め込まれるんだろう・・・と紗枝は首をかしげるしかない。

またお腹がすいたと文句を言いはじめたので、今日は流されるものかと反論していたら、つい2階の自宅でご飯を振る舞うことになってしまった。

何食も重ねて食べられるように多めに作っておいた肉じゃがと五目御飯をしっかりと平らげて、結構遅くに社は帰っていった。

おかげで朝ごはんはパンになってしまった。トーストをかじりながら昨日のことを思い出していると、ついつい笑えてきてしまう。

一人暮らしで自炊もしない社は家庭の味とやらがひさしぶりらしくて、質素なご飯にも喜んでくれた。

まあ、あんなに食べるとは思わなかったけれど。


(でもいいか。コンビニでケーキ買ってもらったし)


おひつをからっぽにしてしまった社はさすがに申し訳なく思ったらしく、近くのコンビニでデザートをたくさん買ってくれた。

最近はコンビニデザートも種類は多くておいしそうなのだが、いかんせん高級嗜好で、紗枝には手が届かなくなっていた。

それが、生クリームたっぷりのプリンやらケーキやら好きなだけいいと言われて嬉しくないはずがない。

社が食べてしまったご飯の代わりという名目があるので、今度は遠慮なくかごに入れさせてもらった。

とはいっても3つだけれど。その残りのフルーツヨーグルトを取り出して、紗枝はまた頬が緩むのを感じていた。


(いや、違う。こんなことに慣れちゃ駄目だ)


だが、慌ててぺちぺちと自分の頬を叩く。

社といるのが嫌なわけでは決してない。むしろ楽しいし、甘やかしてもらっていると思う。

けれど、親切にされる理由が分からないことは怖かった。

紗枝は、無条件の施しなどないことを知っている。

店の借金だって、最初はこんなことになるなんて思ってもいなかった。

最初はちゃんとした銀行が関与していたと思っていたのに、返済が滞れば、借換えでどんどん悪いほうに転がってしまったのだから。

社がどこの誰で、どんな仕事に就いていて、何故この店に来たのか、それがはっきり分かればいいのに。

けれど、そんなことはとてもじゃないが聞けなくて、紗枝はただ胸がもやもやとする重いだけを抱えている。

あまり気分の晴れないまま開店の準備を始めていると、なんだかやけに遠巻きの視線を感じた。

それに気がついて辺りを見回せば、ひそひそと話す通行人の姿がちらほらと見える。

しかも彼らは紗枝がみていることに気がつくと、一礼してそそくさと逃げていくのだ。

なんだろうといぶかしんでいると、一人のおばさんが紗枝を呼んだ。この近所で中心人物となっている床屋の奥さんだった。彼女はいかにもおばさん、といった太目の体を揺らして紗枝を手招いた。


「おはようございます」

「ちょっと、紗枝ちゃん。あなた、地上げ屋と知り合いって本当?」

「地上げ・・・屋ですか?」


挨拶もそこそこに尋ねられた言葉はあまりに唐突で、紗枝は目を見開いた。


「この間は大分もめていたみたいだったから、同情していたんだけれど。いやぁねえ、あんな奴らにここを売る気なの?あなたが売ったら次はうちにくるかもしれないじゃない。ここらへんは駅前の開発で地価が上がってるって話だし、このあいだもね・・・」

「ちょっと待ってください、一体何のことですか?」


まくし立てるおばさんに、紗枝は必死でストップを掛けた。


「地上げ屋なんかに知り合いはいませんよ!それにここだって売るつもりなんてまったくないです」

「あら、そうなの?やだ、噂になっているからてっきりそうなんだと思っていたわ」

「噂って何ですか?」

「紗枝ちゃんのところに、やたら身なりのいい、でも物騒な雰囲気の男が来ているって。そりゃあ、チンピラとは違うけれど、どう見てもお客とは思えない、背の高い威圧感のある男っていうから、あいつらの親玉が出てきたんじゃないかって言われてるわよ?」

「・・・っ」


(社さんだぁああっ!)


最近本当に気にせず来るなあ、と思っていたがこんな誤解になるとは。


「違います!社さんはそんな人じゃないです!」


紗枝が力を込めて否定をすると、おばさんは目をぱちぱちとさせた。


「あら、そうなの?ヤシロさんとおっしゃるの、あの方?・・・じゃあ違うのかしら?」

「違うというのは?」

「ええっとねぇ、そうそう。ヒルキ、って名前だと思ったのよ」


おばさんはようやくひねり出したという様子で、満足げに頷いている。


「ヒルキって昔からこの地域一帯を牛耳っているって噂のやくざでね。それでね、ヒルキって鬼の末裔ってまことしやかに言われてるおっかない一族なのよ。最近は表立ってなにかをやらかしたとかないんだけど、この辺の市議会議員や会社役員は節目にはこぞってヒルキ組に上納しにいくって。平和の裏には怖い話もあるもんねぇ。ほら、あの駅前の開発?あれも急に、でしょう?どうもその組が裏で手を引いていたみたいよ。だから、さらに手を広げるために土地が欲しいんですって」


ぞっとしない話だった。ではあのチンピラたちもヒルキの手の者ということなのだ。そんなに力のあるやくざを相手にしているのだと思い、紗枝は背中に嫌な汗をかいた。


「でね、まあこれもどこまで本当かわからないんだけど、そのヒルキの若頭と、紗枝ちゃんの家に来ている人の背格好がよく似ているらしいのよ」

「・・・え?」


さらにどきり、とした。紗枝は社のことをよく知らない。そんなことを言われれば、動揺してしまう。

けれど考えてみて、紗枝はすぐに否定した。違う、と強く思い、にこりと笑う。


「や・・・社さんは関係ないですよ。あの人はそんな、関係ないはずです」

「でもねえ」

「大体、そのヒルキ組の若頭って方を直接見たことがある人がいたんですか?」

「・・・まあ、あくまで噂なんだけど」

「だったら、社さんが似ているかどうかなんて誰にもわからないじゃないですか。見た目は確かにちょっとおっかなく見えるかもしれないですけど、優しい人なんです。今、父がいないのを知って心配してくださって、よく顔を出してくれるんですよ」

「でも、何故紗枝ちゃんのうちのお店に?」

「それは・・・。え、えっと・・・よく知らないんですけど、母の昔の知り合い、と聞いています」


じっと疑い深く見つめられ、紗枝はしどろもどろになりながら嘘をついてしまった。

お客さん、というのは社のプライベートを侵しそうだったし、信じてもらえなさそうだったからだ。とにかく社の疑いを晴らしたい一心だった。


「そうなの?」

「はい。あの・・・母が結婚前にハウスキーパーとして働いていたときの、お勤め先の息子さん、らしくて。なんか、お世話になったから、どうとか・・・私は、ほんとによく知らないんですけどね。でも、ホントに社さんはいい人なので、心配しないでください!」


それだけは本心で強く主張をしておく。すると、おばさんは得心がいったとばかりに頷いた。


「ああ。だから、駅前で一緒にご飯を食べていたのね」

「はっ?」

「なんかね、川井さんが、ほら、なんて名前だったかしら。あの、新しい駅前のデパート。一昨日、そこに、たまたま家族で出かけていたら、紗枝ちゃんによく似た子が知らない男の人と一緒にいたって言っていたのよ。聞けばお店に来る人と特徴が一緒じゃない。それで、紗枝ちゃんがそのヒルキの人に土地を売るんじゃないかと思っちゃったの。ごめんなさいねえ」


川井さんは、裏手路地にある大きな一軒家の奥さんだ。

いかにも噂好きな奥様という感じだったことを思い出す。

それにしても人の目はどこにあるかわからないものだ、と思った。

いくら地元とはいえ、あんなにたくさんの人がいたのにまさか見つかるとは。


「でも、いくらお知り合いの方とはいえ、男の人とむやみに二人きりになっちゃ駄目よ。紗枝ちゃんも一応女の子なんだから」

「大丈夫ですよ。社さんはいい人ですから。それに、私、か弱い女の子じゃないし、力もあるし」

「まあ、紗枝ちゃんに滅多なことはないと思うけれど・・・ねえ」


背の高い紗枝をぐいと見上げ、おばさんは納得したように頷いた。


「邪魔をしてごめんなさいね。皆にも誤解だって伝えておくわね」

「はい。ありがとうございます」


来たときとは打って変わってにこやかに去っていく床屋さんを見送り、紗枝はふっとため息をついた。そして窓拭きに戻りながら、ぽつりと呟く。


「ヒルキ組、か・・・。そんな影響力あるようなやつらなんだ…」


急に変わった駅前の繁栄振りを思い出す。

怖い、というのか紗枝の正直な本音だった。

だが、ぶるぶると首を振って必死に弱気な心に蓋をした。

大丈夫。あれ以来彼らは来ないではないか。警察が出てきたことであきらめたのかもしれない。

ぶつぶつ言いながら、ふっと社の言葉を思い出した。


『何かあったら俺に言え』


そう言って、彼は紗枝の携帯電話に勝手に自分の番号を登録していった。


(確かに社さんなら、やくざもびびりそう)


くすっと紗枝の唇から笑みが漏れる。


(なんたって周りの認識が完全にやくざだもんねぇ。若頭かあ・・・うーん、ドラマなんかでみるインテリやくざなら確かに社さんでも分からないでもないな。・・・って、失礼なこと考えちゃいけない)


社のことはよくわからないけれど、土地が目当てとはとても思えない。

大体、そうだったら紗枝に親切にするいわれはないはずだ。むしろ、彼はなにか心配しているようなそぶりをよく見せる。

だから、ヒルキの関係筋ということはありえないと紗枝は信じていた。

そう。確かに、このときまでは信じていたのだ。


◇◇



カーテンの隙間から外をのぞいて、紗枝は体を震わせた。

また、奴らがいる。

昼も夜も、入れ替わり立ち代わり、誰かしらが店の前を見張っていた。

ことの起こりは3日前。

珍しく社が3日経っても来なかった。

4日目の朝には、どうしたんだろう、と不安に思って階下に出、そして、ぎょっとなった。

『なに、これ・・・・!』

べたべたと「差押」「金返せ」の赤い文字が躍るビラが窓ガラスを埋め尽くしていた。

紗枝は慌ててそれらを引き剥がす。怒りと恐怖に体が震えた。

もちろん、すぐに警察を呼んだ。けれど、やって来たのはいつもの優しい中年の巡査ではなく、見知らぬ若い男だった。神経質そうで、前に紗枝が社に似合いそうとイメージしたのとそっくりな細い銀のフレームをかけた警察官は、侮蔑的なまなざしで紗枝に言い放った。

『おたくには借金あるんでしょう?その取立て方法については、暴力沙汰にならないかぎり警察は介入できないんですよ。民事不介入って言ってね。個人の問題です、個人の』

『で、でも・・・!中川さんは、何かあったら警察に頼りなさいって・・・』

『ああ、前の人ね。そんなこと甘いことを言っているから、辺境にとばされるんだよ。四十すぎて巡査?よほどの無能としか思えないね。いいかい?警察はボランティアじゃないんだよ。ビラをはられて不安ですから守ってください?そんなに暇なわけがないだろう。大体、やくざ相手に借金なんて作るほうが悪いんだろう。まったく』

『・・・っ』

紗枝はぎゅうっと体の横につくった拳に爪を食い込ませた。ひどい言い様だった。

『何か壊されたとか、危害を加えられたとか、そういうことが起こったら対処してあげるよ。それまでは何もできないね』

彼がそう言い捨てて帰っていった後、紗枝は思い切り塩をまいてやったくらいだ。

警察は頼れなくなってしまった。

それでも、次の日もビラが貼られ、さらには昼間に明らかに柄の悪い人種が店の周りをうろうろとし始めた。

紗枝が出て行くと、品のない言葉でひたすら罵り続ける。

手を出してこないところは学習したようだったが、しつこく絡まれて家に逃げ込むしかなくなる。

それから店は臨時休業にした。

父に電話をしようとして、だが、すぐに病状を思い出す。

だが、知ってしまえば強引にでも退院しようとするだろう。父の愛情を疑っていないからこそ、紗枝は本当のことが言えなかった。

それから、隠れるような生活が始まった。当初、彼らは外で絶えずわめきたてていたので、物音を立てず、部屋でじっとうずくまっていた。

夜になっていなくなったものの、また朝になれば昨日よりもたくさんのビラ。こそこそと食料の買出しにいけば、その帰りに見つかりそうになり慌てて逃げ込んだ。

鍵をかければガンガンと外からドアを殴る音と怒声。

それからはおよそ活動時間といえる時間には、人がいる。気がおかしくなりそうだった。


(やっぱりお父さんに・・・)


何度そう思っただろう。けれど、どうしても言えない。

逃げれない、怖い、と病院外に出ることを禁じられている父に言って、心配させるだけなんてできなかった。

紗枝は気が強く自分で災厄を飲み込むタイプだった上、やはりまだ子供で、世間知らずであった。だから、誰に助けを求めることもできなかったし、誰に相談していいかすらわからなかった。

眠れない夜を幾晩もすごして、紗枝はどんどん追い詰められていった。

スマホの画面を何度も触る。父以外に、紗枝の脳裏にあったのは社の存在だった。

社なら、助けてくれるかもしれない。

だが、それは同時に彼も危険な目にあわせるということで。警察が動かない、と宣言した以上、社にだってどうすることもできないだろう。そう思うとためらいが生まれた。それでも怖くて、つい何度か頼ろうとした。

短い時間しか一緒にいたことはないけれど、社はひどく頼りになる存在になっていたから。

だが、いろいろと考え、やはりやめる。それを繰り返しているうちにふと、疑念が沸いた。

あのチンピラがくるようになったのは、社が来なくなってからじゃなかったか。

社がいる間は何もなかったのに。彼が来なくなった途端、な気がし始めた。

しかも来なくなる直前に、父に手術が必要になりそうで、もうしばらく入院かもしれないと、社にだけは話したのだ。


それを好都合と思ったのだったら?


大体、社はこの店をどうして見つけたのかも分からない。近くを歩いていたら、と言っていたが、会社なんてこの近くにはないし、スーツじゃないときでも車で来ているなら近所に住んでいるというわけでもなさそうだ。

床屋のおばさんには否定したけれど、本当に社がヒルキと関係ないと言い切れるのか・・・。


(キモチワルイ・・・)


紗枝は抱えた膝に頭をうずめた。

電話線はもうとうの昔に切っている。絶えず鳴ってうるさいし、ファックスも部屋が紙だらけになるほど送られてくるからだ。

しーんと静まり返った真っ暗な部屋のなかで、孤独に耐える。しかし、いつまで続くかもわからないこの状況に、涙があふれた。

ガシャーンっ!

そのとき、激しい破壊音が響き渡った。店のウィンドウが割られたのだ。


「ひ・・っ!!」

「出てこいや!おいっ!借りた金返さんかぁ!」


怒声が轟く。


「警察に言っても無駄だ!人様の金借りといて返さん輩なんぞ、おまわりさんは助けてくれんわ、ボケっ!」


紗枝は部屋の隅に逃げ込み、がたがたと震えた。怯えすぎていて、彼らの言うことが正しいと安易に信じてしまった。

警察は助けてくれない。誰も、助けてくれない。


「・・・う、う・・・っく・・・」


紗枝の恐怖が限界を超えた。パニックになった頭で、スマホのリダイヤルボタンを押す。

手の中で呼び出し音がやたら大きく響いた。


『・・・・・・紗枝?』


しばらく後、低い声が聞こえてきた。社の声だ。

何度かかけようとして、その直前にやめていたせいで、リダイヤルの一番に残っていたのである。


「・・・や、・・・やしろ・・・さ・・・」

『どうした?何かあったのか?』

「やしろさん・・・やしろさん・・・」

『お前、泣いているのか?おい、どうしたんだ?』


名前を呼ぶことしかできない紗枝に、社は焦った口調で尋ねてくる。しかし、紗枝の舌は凍りついたように説明ができなくなっていた。

ただ携帯を耳に当てたまま、嗚咽を漏らすだけ。


『おい、何があった?!・・・・うるせえ。少し待ってろ。ああ?こっちが先だっ』


やがて社が誰かと言い争う声が届く。それからばさばさっと大量の紙が散らばるような音。


『紗枝、少しだけ待て。いいか、切るなよ?』

「・・・う・・・」


結局収拾がつかなくなってきたのか、社が電話の向こうで離れる気配があった。

それは、紗枝を少しだけ冷静に引き戻す。

社に迷惑をかけてしまった、と思ったところで、彼女は電源ボタンを押していた。

そのまま、携帯の電源自体を切ってしまう。

ブーっとバイブ音がして、画面が真っ暗になった。

紗枝はもう一度膝を抱えなおした。


(よかった・・・社さんは違う。心配してくれた・・・やっぱり社さんは、いい人だった)


それが確認できただけでもよかった、と息を吐く。

頬を膝に乗せると、自分の体温にほっとした。

外の騒がしさをどこか遠いことのように感じる。

目をつぶって何も考えないように紗枝は力を抜いた。


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