表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異能監獄記  作者: 濃支あんこ
2 救済

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

58/552

予想

「俺、思うんだけどよー!異能で目からビームとか出たら超強そうじゃね!?」

「えー?松太郎が出すビームとか、なんか弱そう」

『そんなことないよ強いと思うよ!』


 何故か湖上の隣で、頭の悪そうな会話が展開されている。関わりたくないのだが?


「だよな強いよな!悪いやつがやってきたらよ!こう、しゅばばばばーってビーム出してぶっ倒すんだ!」

「弱そう」

「は!?さっきっからなんなんだよ!?」

「松太郎、弱いじゃん。ビーム出せるようになっても変わんない気がする」


 そもそも松太郎の異能がビームだったとしたら、早々に判明しているだろうに。そう、冷静に考える湖上の方がおかしいのだろうか?というか、湖上からすればそこまでしてビームにこだわる松太郎の気持ちがわからない。


「そんなことねーし!……いやでも、やっぱり体鍛えた方がいいのか……?」

『松太郎はそのままで大丈夫だよ!』

「静に言われてもなあ」

「松太郎、運動苦手だしやったら大変なことになっちゃいそう」

「お、お前だって大したことできないだろ!?」

「しょーがないじゃん。桐子ちゃんこんなんだし」

「うぐっ」


 余り気味の袖をパタパタと振りながらなされた、微妙に返答に困る桐子の返しに。松太郎も案の定詰まっている。……実際、桐子は自分の外見についてはもっと成長したい、程度のことは考えているようだが。具体的にどこまで気にしているかは、当人のみぞ知る案件である。

 ところで仮にビームが出せたとして、体を鍛えても別にビームの威力は上がらないと思うのだが?誰かツッコミを入れて欲しい。


「お、お前は自分の異能のことなんかねーの?」

「なんかってー?」

「もっと強くなりてえとか」

『どっちかと言うと、これ以上強くしちゃいけない感じじゃない?』

「そだね」

「くっ……!」


 どう考えても、半径何km単位で異能を無効化する、なんてものをこれ以上強化してはいけないだろう。というか、全体的にI配属の異能はこれ以上強くする必要性が無いと思うのだが。何かしら求めることがあったとして、もう少し制御ができるようになりたい、程度の願望だろう。


「れ、麗!お前なんかないのか!?」

「なんかって……?」


 ついに湖上に話が飛び火してしまった。このまま気配を消して、さりげなく遠い席へと逃亡しようと企てていたというのに。しょうがなしに、問いかけに返事をする。


「自分の異能にこうなってほしい!とか、なんかそういうやつ!」

「えぇ…………いや、とくには」

「なんでみんな無いんだよ!?」


 I配属で聞くべき話題ではないと思う。


『俺は異能封じ無しでも制御できるようになりたいなー』

「昔よりはできてるから別に良くないか?」

『良くないよ!俺だってちゃんと声出して話したいし!』

「……桐子とずっとくっついてりゃいいだろ」

『それ普通に桐子が迷惑だと思うよ』


 自分で言い出しておいて、いつかの惨状を思い出したのか松太郎が遠い目をしている。惨状を引き起こした側である静は何も覚えていないらしいので、松太郎の言葉に対して至極冷静な反応を見せているが。


「前は、上手く制御できなかったの?」

『前ってか、子供の頃の話だけどね。どうしようもなくなると、ずっと宙に漂ってたなあ』

「あん時は大変だったよなー!このままずっと浮いてたらどうしようって静が泣んぐっ!?」

『わー!わー!』


 端末を片手に、もう片方の手で松太郎の口を塞ぎにかかる。……静にも、幼少期があるのは当たり前だが。少々想像がつかないというか。というかその頃の松太郎は、精神年齢と実年齢が一致していたのだろうか。


『は、恥ずかしいから言わないでよ!』

「別にいいだろー!」

『……そんなこと言うなら、俺だって松太郎のあんなことやこんなこと』

「聞きたーい!」

『えっとねー』

「やめろー!」


 ここぞとばかりに桐子が自己主張する。相変わらずである。飛びかかった松太郎により、静の端末の電源が落とされたのでひとまず事なきを得たようだが。


『電源切るのは反則だと思う』

「わ、悪かったって……」

『そんなんじゃ目からビームとか出せないよ』

「それは関係ないだろ!?」

「なんでそんなにビーム出したいの?」

「俺も思った」


 別にビームが出たところで、何も楽しくはないと思うのだが。というか。


「松太郎って、ずっと目の色が青のままってことは少なくとも常時発動する異能で、自分の意思で止められないってことだと思うんだけど。それでも特に何も起こってない時点で、他者に危害を与える異能ではないんじゃないかなって」

『麗!本当のこと言っちゃだめ!』

「そ、そんなことねーし!つか、桐子!お前だってその……ナントカみー、ひん?ってやつが使ってる魔法を異能でやれたらいいなーとか思うだろ!?」

「………………ま、あ」

「ほら見ろー!」


 あからさまに視線を逸らしながら、桐子が松太郎の発言に同意を示す。どうやら、憧れているヒーローやらなんやらを異能で自分もやりたいという話らしい。それならわからなくもないもの……なのだろうか。


「はあ……俺、マジでいつになったらみんなみたいになんかこう、かっけー感じで使えるようになるんだよ」

『大丈夫だよ松太郎!いつかは使えるようになるって』

「いやその前に死ぬんじゃね?」

「樹懸シャラップ!」

「しゃらっぷってなんだよ」


 今の今まで黙りこくっていた樹懸が、最悪なタイミングで最悪の返しをしてくれやがったので、とりあえず黙らせるために湖上は叫んだ。

本編でいつ出てくるかわからない設定

異能者は基本的に異能に目覚めた時、自分の異能が何なのかを本能的に知る。しかし極稀に、生まれた時から異能を所持していた場合はそれが発生しない。松太郎はその部類。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ