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episode 5 ジュリア




「・・・ん」



「ちょっとあなた。神崎彼方さん?起きて頂戴。」



ペチペチと頬を叩かれ瞼を持ち上げる

白い天井と怒った顔をしたツインテールの可愛い女の子が視界に入る



「目を覚ましたわよ。」


「おう。じゃあしっかり聞くこときかねーとなぁ」


「いえ、まだ体が万全じゃないので少し待ってあげた方がよいのでは?」


「今すぐ情報を得るべきだね。この顔、不吉だ」



ツインテールの女の子を筆頭にガタイのいい大男、着物を纏った綺麗なお姉さん、赤毛の片目を隠している青年が目に入る

一体誰で、ここは何処だろうか。。



「わたしっは・・・ぁ・・」


勢いよく起き上がると急に眩暈がしてベッドから落ちそうになる



「大丈夫??」



ふわっと金木犀の香りに包まれた

私を支えてくれたのは優しく微笑む綺麗なお姉さんだった



「あ、ありがとうございます。」



「毒がまだ完全に抜けているわけではないから無理をしてはいけないわ」



すっごく優しい人だな・・・



「ここは何処なんですか??」



「此処は私たちガーディアンンズが集う〖帰る場所(ハイム)〗と呼ばれている場所よ」



「ハイム・・・」



どうやらここはハイムの中にある医務室らしい

白いベッドが横にずらりと並んでいる



すると、ずかずかと二人の間にツインテールの少女が立ち私を睨みつける



「戯れはそろそろいかしら?・・・あんたのその顔、3年前に失踪したあの女に似ている。なのにあの女ではない。じゃああなたは誰なの?!あの女になりきった魔物?!それともグリーパー?!」


「えっと、、」



「おいアリス。ヒステリックになると可愛い顔が台無しだぞ?」



ツインテールの少女の質問攻めを遮ったのは奥からやってきた綺麗なカキツバタ色の髪の青年だった



「カキツバタ君!!!「誰がカキツバタ君だ」



「・・・シン。あんたこんな誰かもわからない女を連れてきてなんのつもり!?もしこいつがあいつらのクランだったら仲間を危険にさらしてることになるのよ!!」



「怪しい行動をしたら殺すまでだ。それで全て済むだろ」



「・・・知らないんだからね」



アリスはぷいっと横を見た

カキツバタ君ことシンは私の顔を覗き込む



「まず、お前は何処から来た?」



「私は日本から来ました。」



皆顔を見渡すが誰一人として日本を知らないみたいだった



「日本こと、元の世界で魔物に襲われました。それがはじまりで、見知らぬ男の人に助けられたりおばあちゃんの形見のネックレスが光りだしたり、変な声がしたり。眠りについて起きたらこの世界にいました。私も何故だかわからなければ、ここがどこなのかすらわかりません」



「そのネックレスは今もっているのか?」



「 あ、はい。いつも身に着けています。」



これです。と自分のシャツに隠れていたネックレスをだす




「「「「「「!!!!!!!!!!」」」」」」



そこにいたみんなが息をのんだのがわかった



「えっと、どうしたんです?」



アリスがゆっくりと近づいてきて震える声で言った



「これ、どうして・・・。あんたの祖母の名前は?」



「神崎 樹理亜(ジュリア)です。」



その名前を聞いてへたり込む



「ジュリア・・・。」



赤毛の少年がアリスを支える



「おかしくないか?あの日確かにジュリアは彼女とともに姿を消したけど、三年だよ?おばあちゃんというけどまだ25くらいのはずだ。全部を全部鵜呑みにするのはまだ早い。もしかしたらこいつがジュリアからネックレスを奪ったのかもしれない」



皆の目が敵意に代わり私を捕らえた

違う 違うよ

嘘なんて言ってない



アリスは太ももについているナイフフォルダーに指を滑り込ます


やばい、この状況



「なにごとだい?」



凛とした声が響きみんなの視線が私から声の主の元に集まる



「クラウス・・・。」



「おやおや、本当にあの子にそっくりだな。それか、本物かい?」



ずいっと顔を寄せる

すごい綺麗な顔立ちの男性 笑っているはずなのに目が笑っていないのがわかる



「クラウス。どうしましょう?彼女は野放しにはできかねる」


ガタイのいい男はクラウスと呼ばれる男に質問をした

うーんと品定めするような視線が私にそそがれる


「殺すのは惜しい。もしかしたら有力な情報を持っているかもしれないからね」


「だとしたら、どうします?」


「空いてる部屋があっただろう。そこにお連れしよう。レディーは無下に扱ってはいけない。

シン。シェリル。」


「「はい」」



「君ら二人を監視役にしよう。判断は君らに任せる」



「承知した」「畏まりましたわ」



シンと優しいお姉さんことシェリルは頭を下げた


「この件について何か言い分があるかい?」



「「「当主様の赴くままに」」」



膝をついて敬意を示すメンバー

この人、クラウスが此処の当主なんだ。。

怖い雰囲気を持つひとだが恐れる感情は生まれなかった

むしろどこか懐かしい感覚すらした



私はクラウスの指揮のおかげで死ぬことから免れた

そして二人に連れられて部屋に行く
































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