episode 3 青い炎
目が覚めてから数時間立った
誰にも遭遇することもなく探索していくつかわかったことがある
まずここは地球じゃない。と思う。
空に浮かぶ三つの星が太陽のような役目を果たしている
そして一番驚いたのが、自身の変化だ
遺跡の文字は見たこともない文字だった。だが当たり前のようになんと書かれているのかを理解してしまった。母国の言葉のように。
「これは夢・・・?」
そうであってほしい。
頬を抓る
「いたぁ・・・」
23歳にしてこんな子供だましなことをするとは思わなかった・・・。
そしてここが夢の世界じゃないとするとなんでここに・・・。
疑問であたまをいっぱいにしていると背後から草が揺れる音がする
「まじ・・・?」
大きな目がぎょろりと私を捕らえた
そこにいたのは大きな恐竜のようなトカゲ。
あれ、トカゲってこんな大きな牙あったけ。いやまずこんな大きなトカゲを果たしてトカゲって呼ぶんですか。こんな大きなお口あけて。今にも私を食べます―みたいな感じ・・
『ぐぅあああ』
「ぎゃあああああああああ」
獲物を狩るように食い掛ってきたトカゲに間一髪で避けた
見てください。皆さん。なんてことでしょう。私が立っていたところの岩が砕かれているじゃありませんか。
最近逃げてばっかりな生活に涙が出そうです。
「もうやだぁあぁあああ」
『ガウッ!!グルルルル』
猛ダッシュで逃げる人間と猛ダッシュで追うハンターことトカゲ
昔から人並外れた身体能力には自信があった
が、私を追いかけているのは人並み外れているってか人じゃない大トカゲです
『グアアア!!』
ザシュッ
「っっ!!!」
トカゲのしっぽに投げ飛ばされて地面に打ち付ける
痛い 痛い 痛い
掠れる視界の中大トカゲがこっちに迫ってくるのが見える
でも、体が動かない
ああ、 死んだ
涙がたれて目を瞑る
彼方
誰かの声がする
彼方、あなたなら大丈夫よ
おばあちゃ・・・ん・・・・?
彼方。そう何度も声が頭に響く。
私はネックレスを無意識に握っていた
するとネックレスから青い炎が溢れ出す
なんだろう、すごい、力が、漲ってくる
気づけば手には青い光りを纏う黒刀が握られていた
彼方 ステラ
二つの声が同時に聞こえてきたとき、私はすでに大トカゲを斬っていた
ドスン。と大トカゲが倒れる音と地響きが私に伝わる
「あ・・・れ・・?」
その振動で夢のような感覚から一気に現実に引き戻された
今私、斬った? こんな大トカゲを? 一発で?
手を見れば気づけば刀も青い炎も消えていた
ただ微かに光を放つネックレスが首にぶら下がっているだけ
斬ることを知っていたかのような感覚
自分の身体なのに知らない自分がいるような感覚になんともいえない気持ちになる
がさっ
「!!!」
草木の音に咄嗟に振り返る
また大トカゲ?!今度はなに?!
ただそこに立っていたのは私に刃を向ける一人の青年が立っていた
振り返った私の顔をみて青年の瞳は大きく開かれた
そして震える声で言った
「・・・ステ・・・ラ?・・」