67.コリナ丘陵-7
翌日、まだ昨日から降り始めた雨はやんでいないが、今日も探索の用意をする。
昨日は西側をある程度の範囲を探索したので、今日は東側だ。ダンジョンの探索はこの拠点から一日で探索できる範囲をし終えてからすることにした。
普段なら火は消してから行くのだが、今日は焚き火だけつけたままにし、薪を加える。雨が降っており干し肉がうまく乾燥しないので、火で周囲の空気をあたため、肉の水分を飛ばすのだ。夜の間も肉を火の側に干していたのだが、ある程度乾燥は進んでいるようなので大丈夫だろう。
昨日入手した肉以外のアイテムは予定どおり小屋の中に置いてきた。
「よし」
準備ができていることを確認して、探索に出発する。
雨が激しく降る中に踏み出すと、すぐにマントや服が濡れる。このあたりはちゃんと再現されているようだ。マントは雨を弾くように作ってもらったが、フードの隙間から首元に入る分には防ぎようがない。
これは火に当たればゆっくりと乾くということも、服を脱いで火に当てるとその速度が早くなるのも昨日わかった。
今日は戦闘は避けて、なるべくダンジョンの発見やモンスターの巣の場所などを見つけることに集中しよう。
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昼過ぎまで東の広い範囲を探索したがダンジョンは見つからなかった。ただ、一匹の大型モンスターの巣は見つけた。
東の小高い丘の向こう側が崖になっており、その上の方に巨大な鳥のモンスターの巣があったのだ。その場所もメモしてある。
昼頃に雨がやみ、まだ濡れた森や丘に日がさしている風景はきれいだった。
今日一番の発見は、雨の中で赤赤と咲く大輪の花を見つけたことだ。丘の斜面に群生していた。
日が出た途端に萎んでしまう不思議な花だ。
その花が咲いているときにだけ集まってくる、光沢を持つ紋様の青い蝶もいて、限定された条件でのみ出現する生物や植物が存在していることがわかった。
今後何かしらの情報をもとにアイテムなどを探す際、そういったものがあるとわかっているだけで発見の確率が上がる。
そんな条件付きで出現するダンジョンがあったら発見が難しいだろうが、あるような気がする。満月の夜だけ水面に姿を表すダンジョンとか、太陽が真上に登った瞬間から少しの間だけ出現するダンジョンとか。
というより、あったほうがワクワクする。そういうのも気にしながら探してみよう。流石にそんなものを無作為に隠していることはなく何かしらの情報はあると思うが。
その後はいつもどおり、取ってきたアイテムの整理をして夕食を取る。薬草系統のアイテムが倉庫の中で乾燥しているのに気づいたが、アイテムとして利用するのに不都合はあるのだろうか。わからないのでとりあえずそのまま置いておく。
夕食を終えた後はいつもどおり眠りにつく。明日からもしばらく探索をして、準備をしたらダンジョンに挑んでみよう。




