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16.薬師の里-2

村長と話している二人をおいて村長宅から出ると、ラタナンテがウロウロしていた。


「あ、お兄ちゃん。今からどうするの?暇ならラタナンテと遊んで!」


お兄ちゃんと呼ばれるようなことを俺はしていない。


「村長がラタナンテを呼んでいたぞ。レン…4人いたうちの一人を村一番の薬師のところへと案内してほしいそうだ」


「ナナンタおばあちゃんのとこ?なんでだろう」


「レンには薬師の才能があるらしい。それでその人の所で訓練させるそうだ」


「すごい、そとにもお薬作れる人がいるんだ!」


お外ってすごいんだねー、とラタナンテがニコニコ笑いながら言う。外を全く見たことがないのだろう。


「ああ、外はすごいぞ。いろんな人がいるんだ」


「ラタナンテもね、いつかはお外に行くんだよ!それでね、楽しいものいっぱい見るの!」


「そうか。大きくならないとな。今はとりあえずレンの所へ行ってやってくれ。まだ中にいるはずだ」


「わかった!」


元気にラタナンテが走っていく。子供は苦手だ。話していると気疲れする。


「さて、俺もひとまず素材集めに出てから生産をしないとな」


一人でこの周辺で戦闘をするのは無茶というものだし、できるのは生産ぐらいだ。


今日消費した矢と、初心者用の弓はすでに心もとないので新しい弓を作らなくてはならない。


俺はまだ、仲間のために何かをつくってはいない。俺のスキルの組み合わせ上消耗品を作ることはないし、できるとすればアクセサリーを生産して味方を強化することだが、今のレベルでは大したものはできない。


だからこそ、生産スキルのレベルをあげなければいけない。


仲間が俺の力を必要としたときのために。


そして、俺自身が自分の力で生きていけるように。


「おいムウ、お前今からどうする?」


後ろから出てきたシンが、そう声をかけてくる。シンも俺と同じく、今は特にすることがないのだ。


「生産をしようと思っている。矢もかなり消費したし、弓も作りたいところだ」


「やっぱそうだよな。頼みがあるんだが、鍬の持ち手をつくってくれないか。先はライアにつくってもらうんだ」


鍬、というと畑を耕すということだろうか。


「畑、を作る気か?」


「ああ。種はもう作ったし、畑の予定地も決まってる。予定地つっても街の近くに購入可能な土地があっただけだけどな」


シンの生産スキルは“錬金”と“合成”だ。


様々なアイテムをくっつけたり、上位の素材に変換したりすることができるスキルだが、正直に言えば序盤ほど出番のないスキルだ。


なぜなら、序盤に入手可能なアイテムには特殊な効果を持つものも少ないし、上位のアイテムに変換した所で大きくなるか少し固くなる程度しか役に立たないからだ。


だが、逆に攻略が進めばどんどん花開くスキルでもある。


“錬金”スキルでアイテムの欠片をまともな塊に変え、それと何かを“合成”スキルで合成して新たなアイテムを作り更に“錬金”スキルで上位のものに変えて、とできることが加速度的に増えていくからだ。


そしてそのアイテムは他の生産職の助けとなる。最高のサポートスキルだと言える。


「わかった。作っておく。そのかわり、木材を上位変換してくれ。弓を作るのに使う」


「オーケー。木材出してくれたらやるぜ」


持っている木材のうちの一本から鍬用の柄を作って渡す。代わりに木材を錬金してもらった。


弓を作るための木材はすでに集めている。道中で良さそうな木材を見かけるたびに採取しておいたのだ。


昨日矢を作ったときに街周辺の木材の性質は確認している。シンに木材を渡してその場で上位の木材に変えてもらった。



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ミズメ 品質D レア度:1


軽量で粘りに優れた木材

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トネリコ 品質D レア度:1


平均的な重量で粘りに優れた木材

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上質なミズメ 品質D レア度:2


軽量で粘りに優れた木材

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-------------------------------------------------------------------

上質なトネリコ 品質D レア度:2


平均的な重量で粘りに優れた木材

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街周辺にはトネリコにミズメ、ウェルナット、オークの4種類の木があった。品質はいずれもDだった。おそらくDが最低の品質なのだろう。


このうち弓に適した木材はトネリコにミズメ、といったところだ。


弓に適した木材は固くて脆い木材ではなく、ある程度弾性のある木材だ。


矢の方はそれほど木材は問題にならない。重量が適正であれば鏃には黒曜石なりモンスターの牙や爪なりを削ってつければいいのだ。


オークが弓にするにはもっとも理想的なのだが、いかんせん硬すぎて俺の“木工”スキルのレベルでは加工できない。せめてレベルが10を越えるまでは他の木材でなければならない。そう考えると、街の近くでこれだけ弓に適した木材が取れたのは僥倖だと言える。


一度森の外に出る。


ライアたちと話が終わった村長に聞くと、モンスターがロープを伝って上がってくることはないのでロープを垂らして周辺の探索を行うのは構わないらしい。


ロープを下まで、といっても俺がジャンプすれば届く程度の高さまで垂らし、伝って下に降りる。


木材の採取は他のアイテムを拾うことに比べて時間がかかるので、四人で探索を始めてからはあまり行っていない。


特に森の奥では一切していないので、この周辺の木材は一通り採取する必要がある。木に登って加工しやすそうな枝を鉈を使って採取する。


ちなみに、今の俺は“木工”スキルを持っているので斧や鉈をモンスターに向かってふれば、それぞれの武器スキルを持っているプレイヤーにはかなり劣るがダメージを与えることができる。


鉈を武器として使おうと考えている以上“剣”スキルを取得して“鉈”スキルに進化させるつもりであるが、今のうちは“木工”スキルで代用することができる。


黒曜石も森の浅いところでは大して手に入らなかったので、見つかり次第採取しておいた。


他にも適当にアイテムを拾って戻る。売ってもいいし、他の三人が使えるなら使ってもらえばいい。アイテムがインベントリとマジック・バッグに満杯になるまで集めたあと集落に戻った。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 全員ロストモアで魔法使えずに、生産職オンリーでの冒険は初めて見る作品でした。なのに、作品自体はかなり凝った作りにびっにかりしました。明確な目標である、世界の果てを見に行くという目標もわかり…
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