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オマケの転生者  作者: むらべ むらさき
29 巨獣の台地の小さな魔物編!
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697 【醜い魔物の成り上がり】届かないドクゲーゴンの本心と無茶な飼い主の命令

 さて、死んだと思っていたエミーは、生きていた。

 陸クジラに潰される前に、地面に潜って難を逃れていた。


 その事実が明らかになった今、ドクゲーゴンの胸の内に沸々と......強い意思が湧き上がってきた!




(......良し、もう逃げようッ!!!)




 今までは......自分らしからぬ勇気を振り絞って、必死に戦ってはいたけれど......。

 それは、エミーを失ったことが、悲しくて、悔しくて、怒りで頭がいっぱいだったからだ。

 でも、エミーは生きていた!


 で、あるのならば......。


 『命が一番大事』......うん、エミーの言うことは、何も間違ってない。

 さっきまでの......意地でも戦おうとしていた、自分の態度!

 あれこそが、大間違いです!


 逃げよう、今すぐに、逃げよう!


「ンエーーーッ!ンエーーーッ!!」


 ......そんな意味を込めて、羽をばたつかせながら......ドクゲーゴンは必死で鳴いた。




「............」


 エミーはそんなドクゲーゴンの声を聞き。


 少しだけ、思案し。


「......わかった」


 ゆっくりと、うなづき。




「どうしても......戦いたいんだな」




 静かに......覚悟を決めた声で、そう言った。




「ンエェーーーーーーッ!?」




(あああーーーーーーッ!?違うぅーーーッ!?)


 ドクゲーゴンは心の中で、絶叫した!


(そうだ......そうだった!いつも致命的に、ボクのこと読み間違えるんだこのヒトッ!!)


「なら......うん、私のギリギリまでは、付き合ってあげる......!」


(いや、結構ですって!逃げましょうって!)


「私より弱いドクゲーゴンが......命をはってる。それなのに、私だけ逃げる?......ありえない!!」


(違うの一緒に逃げようって言ってるのぉ!!)


「......違うッ!ドクゲーゴンは、逃げたがっていないッ!私にはわかるッ!!」


(何もわかってないよぉーーーーーーッ!!)


「らああッ!!」


 ドクゲーゴンの切実な思いは......一切合切、エミーには伝わらなかった!

 エミーは突如として叫び声をあげると......自らの体を持ちあげていた触手をブンと振り回し、自分自身を放り投げた!




「ボアアッ!?」


 その行先は、陸クジラの口元!

 あまりのエミーの速さに、陸クジラもフジツボも、クジラジラミも反応ができない!


「らあああああッ!!」


 そして陸クジラの口元にはりついたエミーは、すぐさま2本の【黒腕】を展開!


「あああ......」


 そしてそのどす黒い巨腕で、陸クジラの口の上唇と下唇とでも言うべき部位を掴み!


「あああ、あああーーーッ!!!」


 無理やり、こじ開けたではないか!

 そして2本の【黒腕】は陸クジラの口を大きく開ききると、1本の巨大な棒と化し、陸クジラが口を閉じることを妨げ始めた!


 そう......これこそは、この状況を打開するためエミーが新たに生み出した新必殺技!




「【黒つっかえ棒】!!!」




 ......新、必殺技......!?




「さあッ、ドクゲーゴンッ!!早くッ!!」


 ここでエミーは、口を閉めようとする陸クジラの顎の力に必死で抵抗しながら、呆然と宙にたたずむドクゲーゴンを振り返った!


「たまに、土から顔を出して、見てた......!ドクゲーゴンは、このムダデカクジラの体内に毒を入れたい!そうでしょッ!!」


「ンエッ......!!」


 エミーのその言葉に、ドクゲーゴンは我を取り戻した!

 そうだ......今のこの状況は、エミーが作り出してくれたノーリスクハイリターンな、千載一遇の攻撃チャンス!

 今の内に......できるだけ多くの毒液を、陸クジラの体内にぶち込むのだ!


「ンエーーーッ!!」


 ドクゲーゴンはすぐさま周囲に毒液の砲弾を生成!

 そしてエミーには当たらないように注意しながら......それを陸クジラの口内に撃ち込んだ!


「オアアーーーーーーッ!?」


 触れるだけで肉を溶かす毒で口内を攻撃され、苦しむ陸クジラ!

 その様を見て、エミーは......!!




「こらーーーッ!!ドクゲーゴンッ!!何をやってるーーーッ!!」




 何故か、きれた!


(なんで、きれるの!?)




「口の中に毒を撃つ程度で、このムダデカクジラが死ぬわけ、ないッ!!」


 エミーは歯を食いしばり陸クジラの顎と全力で力比べをしながら!


「もっと、体の奥の......何か、重要な部分ッ!そこを、やらなきゃダメッ!!」


 まっすぐに......ドクゲーゴンのことを見つめ!




「私がッ、口をこじ開けている間に、飛びこめドクゲーゴンッ!!体の中から、毒で......このムダデカクジラを、倒せッ!!!」




「ンエーーーーーーッ!?」




 また......無茶苦茶なことを言った!

 エミーの台詞はドクゲーゴンと会話しているように見えても、独り言だったり別の方と話していたりします。

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