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オマケの転生者  作者: むらべ むらさき
29 巨獣の台地の小さな魔物編!
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695 【醜い魔物の成り上がり】毒の翼、羽ばたきの時

「ンエッ!?ンエッ!?ンエッ!?」


 意識の断絶、そして覚醒。

 時間はさほど経っていないようだが......その短い間に自分は大きく変化、いや、【進化】した!

 瞳に映る己の羽毛、そして万能感すら感じるほど全身に満ちあふれる活力は、ドクゲーゴンにそれを十分に確信させた。


(【ステータス】、オープンッ!)


 故にドクゲーゴンは、現在の状況を確認するため、すぐさま超常青色半透明の板を呼び出した!




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


種 族:紫毒魔鳥

名 前:ドクゲーゴン

年 齢:1歳

生命力:208

魔 力:3850

レベル:70

スキル:【毒耐性300】、【毒生成300】、【擬態8】、【木登り4】、【毒液操作280】


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




 そこに表示された数値を見て、ドクゲーゴンは仰天した!

 相変わらず魔力偏重型のステータスではあるが......いずれの能力値も、大幅に上昇している!

 ついでに言えば、『種族』すら変わっている。


 『種族』とは、【進化】とは何なのだろう?

 生きている途中で『種族』が変わる?

 何故そんなことが、起きる?


 考え始めると実に不条理な、このファンタジー的現実。

 しかしゴクゲーゴンには、その不可解な現実と向き合うだけの時間は、与えられていない。




「ボアアーーーーーーッ!!!」




 何故なら彼の目の前には、未だに巨大な魔物、陸クジラがいる!

 陸クジラは、何故か嫉妬を滲ませた凄まじい殺気を放ちながら、ドクゲーゴンに向かって吠えた!


「ンエッ......!」


 凄まじい重圧......!

 ビリビリと空気が震え、遠くを飛びながら陸クジラの様子を伺っていた巨獣の台地のスカベンジャーである巨大ハエが、殺気にあてられて死に、ボトボトと地上に落下する!

 しかし!




「ンエーーーーーーッ!!!」




 ドクゲーゴン......この、未だに小さな紫毒魔鳥は、負けじと陸クジラに吠え返した!


(負けない......!エミーの、仇討ちだッ!!)


 己の飼い主を失った悲しみ、そして怒りが!

 未だに沸々と、ドクゲーゴンの魂に、無謀なる勇気を注ぎこみ続けていたのだ!




「ンエェッ!!」


 そして先手を打って動き出したのは、ドクゲーゴンだった。

 本能に導かれるがまま、彼が行ったこと......それは、毒液の分泌。

 【進化】前と同じ、お馴染みの行動。


 しかし分泌される毒液の量が、従来とは比べものにならない!


 バスケットボールより、少し大きい......その程度の大きさだったドクゴーゲンの全身はあっという間に紫色の毒液に包まれ、フワリと宙を浮かぶ球体となった。

 その直径たるや、ゆうに5メートルを超える!




「ボアアッ!!」


 次いで陸クジラも、動く!

 ドクゲーゴンを直接叩いてかぶれるのを嫌った陸クジラは、体表にはりついた、未だ余力のあるフジツボに命令し、【フジツボビーム】を撃たせた。

 従来のドクゲーゴンでは避けることの不可能な光線が、まっすぐ宙に浮かぶ毒液の球体へと飛んだ!

 しかし!


「ンエーーーッ!!」


 ドクゲーゴンを包みこむ巨大な毒液球体は、それを機敏な動きで回避!

 謎の黄金色の光の効果により、今やドクゲーゴンの毒液操作のレベルは跳ねあがっている。

 それに伴い機動力も、大幅に上昇しているのだ!




「ンエーーーッ......!!」


 ドクゲーゴンは毒液を介して、周囲の状況を視覚に頼るよりも詳細に知覚していた。

 突然備わった、人間には想像もできない実に摩訶不思議な超感覚を......彼はしっかりと使いこなすことができた。


 ビッ!!

 ビッ!!

 ビッ!!


 その超感覚が彼に、毒液を掠るように飛来する【フジツボビーム】の脅威を伝える!


(もっと速く......もっと、速くッ!!)


 ドクゲーゴンは陸クジラの周囲を旋回するように、フジツボの光線を避けながら飛び続けた。

 次第に球体だった毒液が、飛ぶことに特化した形態へと、変化していく。


 その形態とは、鳥。


 新しく生まれ変わった、ドクゲーゴン自身の姿!




「ンエッ!!ンエーーーーーーッ!!」


 優美かつ巨大な怪鳥の姿へと変じたドクゲーゴンは陸クジラの正面へと飛び来り、そこで普通の鳥ではありえない挙動で急停止し、陸クジラに風を送るような姿勢で羽ばたいた!

 その両翼から放たれるは、抜け落ちた羽......ではなく、弾丸と化した毒液の飛沫だ!


「ボアッ......!?ボ......ムグッ!!」


 生意気にも己の正面をウロチョロするコバエを【威圧】するため、吠えようとした陸クジラは慌てて口を閉じた。

 ドクゲーゴンの狙いを、すぐに理解したからだ。




 ドクゲーゴンの分泌する毒は、これまでとは比較にならない程強くなった!

 しかしそれですら、山のように巨大な陸クジラの自己治癒力を突破しそれを殺す威力には、届かない。

 その事実を、周囲を旋回しながら陸クジラに毒液を浴びせることで、ドクゲーゴンは理解していた。


 ならば、どうするか。


 【進化】し、少しだけ頭の回転が速くなったドクゲーゴンは、すぐに答えを出した。




 強靭な外皮にいくら毒をかけても、埒があかない。




 狙うべきは。




 よりナイーブな......体内であると!

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